今週の音楽家はこの人だっ!


04月29日

ズビン・メータ
Zubin Mehta
(APR/29/1936--) 60歳

 インド生まれの指揮者と来たらこの人。4月29日って誰かの誕生日だったような気がする。うーむ、誰だっけ(笑)。そうだ、マルコム・サージェントだ(ってこれでは林家ペーだ)。で、かつてロス・フィルあたりで活躍していた頃に比べると、近年やや影薄まり系の指揮者だったが、テルデック・レーベルとも契約したし、何より今秋のウィーン・フィル来日公演に同行する(ソリスト五嶋みどり。小澤指揮の日もあり)ので、盛り上がるかも。しかし、還暦ですか、もう。

04月29日

デューク・エリントン
Duke Ellington
(APR/29/1899--MAY/24/1974) 生きてれば97歳

 アメリカの作曲家、ピアニスト、バンドリーダー、ってジャズの人なんですが。なぜここでデューク・エリントンかと言うと、実はジャズ・バンド用にチャイコフスキー/組曲「くるみ割り人形」編曲版なんてのを彼は書いているのだ。最近LDで出た「マルサリス・オン・ミュージックwith小澤征爾」(ソニー)の中では、ウィントン・マルサリスが彼のバンドでエリントン版「くるみ割り人形」を抜粋して演奏している。いや、そのLDがカッコよかったって言いたいだけざんす。

04月27日

イーゴリ・オイストラフ
Igor Oistrakh
(APR/27/1931--) 65歳

 なんだかこのあたりロシアの香りが横溢する感あり(下参照。項目作らなかったけど作曲家のリャードフが4月29日生まれってあたりも考えるとますますロシア)。ウクライナ生まれのヴァイオリニスト。ダヴィド・オストラフの息子さんであります。

04月25日

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
Peter Ilich Tchaikovsky
(APR/25/1840--OCT/25/1893) 生きてれば156歳

 誕生日がプロコフィエフと一日違いってあたりが因縁。泣かせる感情露出系大作曲家チャイコフスキーとくれば、知らない人を探すほうが難しい。「悲愴」なんてppppppが出てくるあたり振幅が大きい。ダイヤルアップpppppp接続とか。すんません。

04月23日

セルゲイ・プロコフィエフ
Sergey Prokofiev
(APR/23/1891--MAR/05/1953) 生きてれば105歳

 ロシア、ウクライナ生まれの作曲家。交響曲あり、協奏曲あり、器楽曲、オペラ、バレエ、映画音楽といろいろ名曲目白押し。お手本的ソナタ形式の交響曲第1番「古典」、渋めの第5番、不協和音もカッコよく響かせる人気作バレエ「ロメオとジュリエット」、パリパリのダイナミズムが気持ちいいピアノ・ソナタ第7番をはじめ、ピアノ協奏曲(特に第3番)、ヴァイオリン協奏曲(第1番第2番あわせてどうぞ)、ヴァイオリン(つうか元はフルート)・ソナタ第2番、オペラ「炎の天使」、オペラから作った組曲版がポピュラーな「3つのオレンジへの恋」……。まだまだあります。ん、何か忘れてる、と思ったら、そういや「ピーターと狼」ってのもあったっけか(笑)。

04月22日

イェフディ・メニューイン
Sir Yehudi Menuhin
(APR/22/1916--) 80歳

 今世紀を代表する名ヴァイオリニスト。ニューヨーク生まれ。神童経由ヴィルトゥオーゾ経由ヨーロッパに渡って精神主義経由教育者行き、ってなところでしょうか。ヴァイオリニストとしての栄光は今さら言うまでもないが、近年は音楽家あるいは一般聴衆への教育アンド啓蒙活動もアリアリ。

04月21日

ブルーノ・マデルナ
Bruno Maderna
(APR/21/1920--NOV/13/1973) 生きてれば76歳

 今世紀イタリアの前衛作曲家。ダルムシュタット系。指揮者でもある。管弦楽作品を何曲かまとめたCDがシノーポリ(作曲のお弟子さんだっけか)指揮北ドイツ放送響でDGから出ている他、大作Hyperionから短い作品までボチボチ録音は出ている。写真で見る限り前衛作曲家らしく顔がコワそうである(笑)。ところで「前衛」ってのも変な言葉ではある。アヴァンギャルドをそのまま漢字にした訳語なんだろうが、じゃあ後衛ってのはあるのかとか、バレーボールみたいだとか、妙な疑問が湧いてきてフツー。そう言えば、バレーボールも昔の9人制だと前衛も何もポジションは動かないけど、今の6人制では前衛から後衛、さらに前衛と位置付けが流転するではないか。そうか、この価値観の循環システムが現代的「前衛」の意味を表してるんだなと納得(って強引すぎ)。

04月18日

レオポルド・ストコフスキ
Leopold Stokowski
(APR/18/1882--SEP/13/1977) 生きてれば114歳

 特異系指揮者。しかしその特異さがカッコよさやスター性につながっているという意味ではCOOLだ。さすがに没後20年近くも経ってしまうと、レコードを通して知る姿以外は影が薄い。独特の指揮ぶりで(つってもちらっと映像を見たくらいだけど)バッハの大オーケストラ編曲モノを振る姿を見たかった。ストコフスキー編曲版「展覧会の絵」あたりもいいかも。

04月15日

ネヴィル・マリナー
Neville Marriner
(APR/15/1924--) 72歳

 アカデミー室内管弦楽団(訳としては無茶ありすぎなので最近この訳語はあまり使われませんが。ホントはアカデミー・オヴ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールド。長い。長すぎてもうこの括弧の前に何が書いてあったか忘れそうなくらいに長い。やっぱり長すぎるから考えた苦心の訳だったんだろう。無茶ありすぎなんて書いてはいかんな。すまぬ、と書いていたらさらに長くなってしまった)を率いてン十年の名指揮者。モーツァルトとかバロックとかやってると思ったら、いつの間にかオーケストラの編成はでかくなり、ドイツの放送オケに出張したりで、R・シュトラウスまで振るようになっとりました。カラヤンに次いで世界で最もレコードが売られた指揮者。あれ、カラヤン以上だったっけか。記憶曖昧系。

04月06日

アンドレ・プレヴィン
Andre Previn
(APR/06/1929--) 67歳

 ブロードウェイでの実績があったばかりに、多芸多才だったばかりに、クラシックの音楽家として不当な評価を受けていた時代も、今は昔。指揮者であり、ピアニストでもある、で、作曲もできちゃうという、これぞ「音楽家」。実はベルリン生まれで、ゲオルゲなんてミドル・ネームも持っている。

04月05日

ヘルベルト・フォン・カラヤン
Herbert von Karajan
(APR/05/1908--JUL/16/1989) 生きてれば88歳

 これほど悪口言われた大指揮者も近年まれ。純粋に才能もすごかったんだけど、商業的な面でも成功して世に君臨した結果、憎まれ口も叩かれるというプロセスはビル・ゲイツに通ずるものがある(笑)。にしても、今にして思うとこの人、超個性派指揮者だったんでは。最強にメジャーだとデファクト・スタンダード化してしまいがちだけど、これだけ自分のスタイルをどんな様式の音楽にでも押し通す人はなかなか。さらにオーケストラを磨き抜く能力の高さは誰だって認めるだろう。メディアに対しても積極的で、CD1枚74分の規格がカラヤンの「第9」を収めるために決められたって伝説も有名だし、60年代から映像収録も自ら積極的に行ってきた。いろんな意味で先駆者。昔のベートーヴェンの映像なんか、妙な雛壇に団員載せて別録りしたカットとか、オーケストラを真上から撮ったショット入れたりとか、評判は最悪に近かった。でもこれも「早すぎた実験」だったかもしれない。あの映像センスはある意味では主知的かつヨーロッパ的すぎて古いとも言えるが、ただ演奏会をライヴ収録したLDが溢れかえった後で振り返って比較すれば、メディアの捉え方で差は歴然。クラシック音楽初のデジタル映像商品が、カラヤンのビデオCDというのも死後においても象徴的。音楽はそれぞれだが、カラヤン、ストコフスキー、グールドは、クラシック音楽の三大メディア巨人と認定ってのはどうだ(ちょっと強引)。CD−ROMとかエンハンスドCDなんて、カラヤンが自分でもし作ってたらカッコいいのができたかもなあ。そこで最強に洗練されてて、音楽の奥深さをブッたりしないカラヤン・サウンドが鳴り響く。やっぱりデジタル的な文脈においては早すぎた天才だったんだろう。

04月01日

セルゲイ・ラフマニノフ
Sergey Rachmaninoff
(APR/01/1873--MAR/28/1943) 生きてれば123歳

 エイプリル・フールに生まれた作曲家といえばこの人(もう一人ブゾーニもいるけど)。ロシアに生まれ、カリフォルニアはビヴァリーヒルズに没す。濃厚ロマンティシズム系。通俗性ゆえにハリウッドの作曲家なんて言ったのは誰だっけか。ピアノ協奏曲第2番&第3番、前奏曲、練習曲等、ヴィルトゥオーゾとして鳴らしただけあってピアノの名曲多し。だったんだが、昨年あたりは交響曲第2番が異様に盛り上がってた。ディスクがボコボコ出てくるわ、TVドラマでは流されるわ。

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