●4年前、レバノンでトルシエ率いるニッポンは、圧倒的な強さを見せつけて優勝した。アジアのなかで頭一つ抜け出たのではないかとすら思った。そしてChina2004、毎試合のようにニッポンは苦戦している。バーレーンもヨルダンもアジアのなかでは強くなってきている。にもかかわらず、彼らとニッポンとの差はまだまだ大きく、むしろニッポンは(おそらくイランも)、バーレーンやヨルダンとは違うステージに立って戦っていることを実感した。
●この試合、準々決勝に続いて、奇跡的な展開で勝った。なにしろ、先制点を奪われた段階で、ニッポンが大きなカウンターアタックのチャンスを得たと思ったら、主審はバーレーンを笛で救ったばかりか、意味不明のレッドカードで遠藤を退場させた。バーレーンの選手は遠藤の手がかすったかどうかも怪しい顔面を、わざわざ氷で冷やしてもらっている。主審はすぐ目の前で見ていた。ビデオのリプレイのどこにも乱暴な行為は映っていない。あまりにもばかげている。前の試合に続き、この日の審判もこれだ。これだからアジアは……。
●ジーコ・ジャパンは本当に偉い。次々におとずれる不条理に対して、不平や不満を爆発させたりせず、黙々と自分たちのプレイに集中する。つまり、サッカーの成熟度が高い。ワタシは遠藤が退場になった瞬間、髪をかきむしり、こんなアジア・カップなど止めてしまえ、ニッポンはイベリア半島の隣あたりに国土を移動させてUEFAに加盟しろっと叫びながら、テレビのスウィッチを切る寸前まで逆上してしまったわけだが、ジーコ・ジャパンは冷静さを失わない。トルシエ・ジャパンになく、ジーコ・ジャパンにあるのは品位だと思う。
●忘れないように、得点を。ニッポン 4-3 バーレーン。1点ビハインドから一人退場者を出した状態での戦いだったことを忘れずに。
ニッポン 4:中田コ(後半3分)、玉田(後半10分)、中澤(後半45分)、玉田(延前3分)
バーレーン 3:A・フバイル(前半6分)、A・フバイル(後半26分)、ナゼル(後半40分)
後半10分の玉田の逆転ゴールは浅い角度からニアの高いところをぶち抜く見事なもので、ワールドクラス。笑顔がかわいい24歳、ワタシが女性だったらブログでファンサイト作っちゃいそうなくらいカッコいい。中澤のロスタイムの同点ゴールは、山のようなディフェンダーに包囲されながらも決めたもので、もちろん偉いのは中澤なんだけど、こういう確率的に低いプレイがこんなタイミングで決まるのを見ると、サッカーの神様の後押しを感じてしまう。
●延長戦、玉田が再度逆転ゴールを決めてくれたが、この後は両者とも疲れきって、消耗戦になった。俊輔なんてもう目が虚ろ、顔は真っ青。疲労困憊し、意識が飛びそうになっていた選手も多かったにちがいない。
●試合終了後、中国の一部観客からブーイングが起きた。絶句。たとえ嫌いな国が勝ったとしても、第三国同士の対戦でこれだけの死闘を見ることができたんである。ゴールもたくさん入った。「ああ、今日はスタジアムに来て良かった、すごいサッカーを見ることができた」と嬉しくはならないのか。これで楽しめないなら、いったいどんな試合なら満足できるのか。この人たちの目にサッカーは映っているのだろうか。