●金曜夜は新国立劇場で「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「道化師」定番の二本立。指揮がファビオ・ルイージということで楽しみにしてたのだが、期待以上にすばらしく満喫。東フィル、すごいな。同時進行でオペラではルイージ、定期ではハーディングの「復活」とは。
●マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」とレオンカヴァッロ「道化師」といえば、いわゆるヴェリズモ(真実主義)オペラの二大傑作。19世紀末の南イタリアの地方色と宗教色を背景として、貧困階層の日常生活に訪れる悲劇を写実的に描いたオペラということになる。が、そんな歴史的背景を切り離しても、この二作品はなんの読み替えも必要とせず現代に通用するドラマを持っている。この演出(グリシャ・アサガロフ)でも1950年代に設定してるとかあるけど、別にこれが昭和の日本でもどこでも違和感はない。「道化師」のカニオだってステテコに腹巻き?のオヤジみたいな感じで親しみ持てるし(笑)。両作品とも音楽的にも名曲揃い、退屈する場面がない。台本も簡潔にまとまっているのが吉。
●ワタシは舞台でも映画でも出来のいいものを見るとすぐ感化されるほうである。「スパイダーマン」を見て映画館から出ると、ビルからビルへとジャンプして飛び移れるかのような錯覚を覚えるし、「スターウォーズ」を見た後はいつの間にか「ハーーー、スーーー」って呼吸音を立てながら街を歩いていた。だから、初台からの帰り道は血沸き肉踊るイタオペ野郎になっていた。ええい、お前さんたち、オレの行く道をさえぎるんじゃねえ。要らぬ手出しをするヤツとはこのナイフで決闘だー。が、幸い、だれの右耳を噛むこともなく、ワタシは無事帰宅した。深夜、BSで「プロムス」のラストナイトの中継があったので勢いでこれも見た。お、今年から指揮しているポール・ダニエル、なかなかしゃべりが上手だなあ。いいぞ、BBC交響楽団。いつの間にかワタシは血沸かず肉踊らない紳士となり、心の中でユニオンジャックを振りながら、見たこともない大英帝国を懐かしみつつ歌っていた。♪Land of Hope and Glory~。