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News: 2009年5月アーカイブ

May 26, 2009

レッツゴー!クラヲくん2009 気鋭の若手指揮者編

●連続不条理ドラマ「レッツゴー!クラヲくん」第14回 気鋭の若手指揮者編

若者 「ふぅ、やっと着いた。ここが老師の住まいか。頼もう~」
老師 「なんの用じゃ、お若いの」
若者 「ブ、ブルックナーの極意を教えてくださいっ!」
老師 「修行の道は険しいぞ」
若者 「覚悟の上です」
老師 「今からブルックナーを極めるには50年はかかる」
若者 「えっ、それは少々長すぎでは?」
老師 「ならば用はない。さらばじゃ……」

May 20, 2009

ヴィヴァルディのRV177

●最近カルミニョーラのCDを聴いてて気づいたこと。ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲ハ長調RV177の第一楽章は、オペラ「オリンピアーデ」のシンフォニア(序曲)の使いまわし。あ、逆なのかな。オペラ「忠実なニンフ」(La fida ninfa)のシンフォニアと同じとも言える。気に入ったメロディは何度でも。
●確認するために「オリンピアーデ」のシンフォニアを探してみたら、ウチに3種類あることに気づいた。アレッサンドリーニ/コンチェルト・イタリアーノの全曲盤(Opus111)と、ヘンゲルブロック/フライブルガー・バロックオーケストラの序曲集(DHM)、それからホグウッド/ラルテ・デラルコのシンフォニア集(DHM)。アレッサンドリーニもヘンゲルブロックも切れ味鋭い快速系で気持ちいいんだけど、カルミニョーラは意外と遅くてていねい。でもこれがいちばん生き生きとしていて、カッコいいな~。ていうか、曲そのものが最強にカッコいいんだけど。
●DHMの2枚はどちらも例の50枚組ボックスに入っていたわけで、まさかこんな曲がダブって入っていようとは。

May 8, 2009

熱狂の後に~金沢篇

lfjk2009.jpgラ・フォル・ジュルネ金沢のことも書いておかねば。去年もそうだったんだけど、金沢に行くとみんな異口同音に「金沢ならではのラ・フォル・ジュルネにしなければ」って言う。だからワタシもついほとんどオウム返しに「金沢ならではのラ・フォル・ジュルネを見たい」とか言っちゃったりしてたんだけど、今回少し気づいた。
●能とモーツァルトのコラボレーションとか、会場前で和服美女がお茶をたててるとか、邦楽専用ホールで室内楽を演奏するとか、そういうギミックは確かにあったほうがいいし大歓迎なんだけど、これらが金沢らしさになっているわけではないね、おそらく。本質的には(東京に比べて)街も会場も小さいってことが、重要なんだと思う。今回のラ・フォル・ジュルネ金沢は、ぶらっと音楽堂にやってきて当日券を買うだけでも十分に楽しめる程度に席に余裕があったし、その一方で人気の公演は満席で、公式発表によるとあの超絶大混雑した前年よりも今年のほうが総来場者数は多かったんである(公演数は増えたから)。何を聴くにも、食べるにも、休むにも、移動するにも、ぜんぜんストレスがない。ホールの音響もいい。快適に音楽を楽しめる。
●これ、街の規模が今の数十倍だったら、そうはいかなかったと思う。東京で同じことはムリ。1500席の音楽専用ホールをメイン会場にできるのも、ホールとホールの間を5分以内で移動できるのも、他の会場で終演が遅れたからとお客さんが入ってくるのを待っててあげれるのも、サンドイッチを待ち時間ゼロ秒で買えるのも、休憩するためのイスを探してウロウロしなくて済むのも、街がこの規模だから。
●チケットの買い方にしても、この街では「当日」から逆算して考える人が多いんじゃないか。当日券でも買えるかな→心配なら当日早めに行って買おう→それも心配なら前日までに買おう→それすら厳しいならもっと前もって買おう……。発売日の発売開始時刻にあわせてチケットをゲットみたいな人はおそらくかなり少数派。
●ほかにもいろいろユルいんすよ。当日券が売り切れて、でもまだお客さんが並んでいたら、立ち見でも入れるとかっていうのは、中小都市じゃ普通の感覚だと思う。ナントでも立ち見とか通路で座って聴いてる人をたくさん見かけたけど、あれと同じ。セキュリティも厳重にはほど遠い(行儀の悪い人の存在を前提としていない)。関係ないけど、自分が在宅のときに、家のカギをかけてないでしょ、金沢の人々。東京じゃ在宅時でも二重三重にカギかけて全員セコムしてますよー(ややウソ)。
●そういう意味で今回の音楽祭はナチュラルに「金沢らしさ」全開だった気がする。ワタシはこの街の生まれだから、いたるところで「あー、そういえば、ここはこうだったんだ」と思い出すというか納得したんだけど、逆に東京スタンダードのノリで見ると不合理に見えたりすることもきっとあるにはちがいない。幼児がうるさいとか怒る人がいませんように。いずれにせよ「ラ・フォル・ジュルネ金沢」が東京の縮小コピーになる心配は要らなさそう。
●来年は金沢も「ショパン」ではあるけど、そのままショパンだとOEKの公演が協奏曲2曲だけになってしまうので、なにか独自にテーマを広げるってことなんでしょか?

May 7, 2009

熱狂の後に~東京篇

●「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2009」最終日、全公演が終わったらもう午後11時過ぎ。関係者向けフェアウェルパーティに一瞬だけ顔を出して、午前0時を少し回ったところで、終電を目がけて慌ててダッシュ。
lfj2009yatai.jpg●今回の東京の「ラ・フォル・ジュルネ」、本当にスゴかったすよね、中身が。これまでの5回のなかでぶっちぎりの断トツで魅力的な公演が並んでいて、もう今後これに匹敵するほどのプログラムはないんじゃないかと心配になるくらい。特に古楽方面が恐ろしく豪華だった……。
●とかいいながら、実際にはほんの数公演しか聴けてないわけだが、それでもいくつかは格別の感動があったから自分用メモ。
●ビオンディ/エウローパ・ガランテの「四季」(4日)。ビオンディはラテン的に太ったなあ……。でも貫禄がついてきてカッコいいとも言える。音楽的にもそう。ラ・ヴェネクシアーナのブクステフーデ「われらがイエスの四肢」(4日)。この曲でこんなに盛り上がるのか! お客さんが熱狂していた。カウンターテナーが歌いながら指揮。一部寝不足で集中力を欠いてしまったのが悔しい。ラ・レヴーズのラインケン「音楽の園」より&ブクステフーデのソナタ(5日)。永遠に聴き続けていたいほどの心地よさ。最後の夜の公演は躊躇レスにBCJのヨハネ受難曲へ(5日)。胸がいっぱいになる。これこそバッハ、これこそ音楽。最高のヨハネだった。
●来年の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」のテーマはショパンと発表された(参照:来年のテーマはショパン!)。生誕200周年ということでもともとショパンイヤーなのが、ますますショパンな年になりそう。ちなみに、ワルシャワでも「ラ・フォル・ジュルネ」を開くんだとか。ルネ・マルタン氏は「ナント、東京、金沢ともにショパンをテーマにするけど、金沢については少し独自性を持たせることになる」とも言っていた(5日記者発表)。

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