どこまで観れるか!?
ワールドカップ1998テレビ観戦記
ウチじゃ衛星放送映んないけど、それでも何とかするのだ。


このページでは開幕戦から、1次リーグの各国第2戦までを収めています。対戦カード名に張られたリンクはFRANCE98公式サイトの試合記録につながってます。


決勝トーナメント / 一次リーグ第3戦 / 一次リーグ第1〜2戦

久々に前評判の高い母国だが……。
ルーマニア vs イングランド

 どうしてもウチで衛星放送を観れないワタシ、ついに「都内W杯観戦ツアー」(笑)を敢行。BSを観れる安めのビジネスホテルを探して、わざわざ宿泊するアホさ加減。忘れ物をしてもウチに取りに帰ればいいから、都内ツアーは便利だね!

 で、スタジアムは異様に盛り上がってて、ここはウェンブリーか?状態。イングランド・サポーター、歌いまくってます。イングランドはベッカム先発せず。

 前半27分にルーマニアのイリエが浅い角度からキーパーの頭越しに軽くループ。ポストをかすめるがゴールならず。イングランドは単調な攻撃ばかりでディフェンスを崩せそうにない。で、33分にインスに代えてベッカムを投入(どうしてベッカムを先発させないのか、イングランド事情に詳しくないので分からず)。効果はあったとは思うが、前半は五分の展開で0−0。

 後半立ち上がり、ルーマニアの英雄ハジ(よく歩いて休憩しとります)のパスからモルドヴァン先制。これはイングランド・ディフェンスの集中力の欠如かも。

 ルーマニアではフォワードのイリエが非常にいい。一人よがりなプレイも目立つが、キープ力があり、中盤に下がっても効果的な攻撃ができる。ハジの出来はもう一つか。

 後半28分、ルーマニアはハジとスタンガを、イングランドはシェリンガムと18歳のオーエンを交代。ボールを回して時間を稼ぐルーマニア、ボールを追ってなんとかチャンスを作ろうとするイングランド。もうダメかと思われた後半38分、シアラーの折り返しにオーエンが同点ゴール! スタジアム猛烈熱狂。イングランドの選手が生き生きと動き出す。

 1点を守れなかったルーマニアのダメージは大きい。足も止まってくる。こうなれば引き分けだって怪しくなるってもんだ。ところが、だ。なんとロスタイム直前、後方からのロビングボールをペトレスクが胸でトラップ、ルソーが体を寄せてくるが、それでも落ち着いてキーパーの股を抜いてゴール! 再び1点のリードを奪い、そのまま試合を終らせる。高い個人技に支えられたルーマニアの勝利。ルーマニアは決勝トーナメント進出決定、イングランドは同じく勝点3のコロンビアともう一つの座を争うことになる(引き分けの場合、得失点差でイングランドが決勝T進出)。

ルーマニア 2−1 イングランド
至福度 ★
面白度 ★★★
スタジアム熱狂度 ★★★★
(06/24)


結果だけ見ないように。侮れんぞ、レゲエ・ボーイズ。
アルゼンチンvsジャマイカ

 万一、これにジャマイカが勝てば(ないない)、日本にも決勝トーナメント進出への可能性が残るってことがあってか、急遽NHKは地上波でも生で放映。ワタシ的にはジャマイカの勝利よりも、アルゼンチンがジャマイカをコテンパ(死語)にしてくれるところを期待してしまうのはなぜ(笑)。

 立ち上がりからアルゼンチンが猛攻。ジャマイカは開始直後は完全に落ち着きを失っていたが、その後6番シンプソンのロングパスや個々のドリブル突破で攻撃を作る。しかし、前半31分、ヴェーロンがワンツーで抜けてスルーパス、走り込んだオルテガが軽く合わせてゴール。いやー、美しいゴールです。

 ジャマイカはトップのホールを右奥サイドライン沿いにずっと張らせておく特殊作戦。アルゼンチンの左サイドバックのチャモを釘付けにしつつ、ロングボールをホールに配給、ホールが一対一でチャモに勝つことを期待しているわけで、シモエス監督の対戦相手別奇策というべきか。

 前半ロスタイム、粘り強く守っていたジャマイカだが、パウエルがこの日2枚目のイエローで退場。これが大いなるディフェンス崩壊への序曲。

 後半は、まずオルテガがロペスとのワンツーからきれいに抜け出て2点目。3点目は右45度、ペナルティ・エリアのちょっと手前から、バティストゥータの豪快なゴール。これぞバティ・ゴール。4点目も似たような角度から再び余裕のバティゴール。この頃にはジャマイカ守備陣の集中力はすっかりなくなっていた。5点目はオルテガへのファールからのPKをバティが決めてハットトリック。いやはや、ここまでのワンサイドゲームになるとは。

 ジャマイカは一人足りなくても攻め続けた。レゲエ・ボーイズは単なる弱小チームではない。実は何度も何度も個人のスピードでアルゼンチン選手をぶっちぎってゆくという、信じられないような光景が続出。破天荒なり。そしてアンバランスなり。せっかく爆発的突破力でチャンスを作っても、プアな判断ミスで実を結ばないんだが、それでもこのスピード、到底日本代表についていけるものではない。シュート力もある。スタミナもある。当たりにも強い。潜在力は底知れぬ攻撃大好き集団。日本のディフェンスは間違いなく手を焼くだろう。もしジャマイカが先制してノリはじめたら、日本の大量失点だってあり得る。一方、一旦彼らの士気が低下してしまえば日本の大量得点もあり得る。なんともわからん奇妙なチームである。

アルゼンチン 5−0 ジャマイカ
至福度 ★★★
面白度 ★★★
型破り度 ★★★★(ジャマイカの)
(06/22)


まさかのゲルマン魂。
ドイツvsユーゴスラヴィア

 一次リーグ屈指の好カードの一つ。人様のウチで衛星放送を観させてもらう。同組のイランを応援する立場としては、この試合はとにかく引き分けだけは避けて欲しいという状況。

 ユーゴスラヴィアはおなじみストイコヴィチがキャプテン、ミヤトヴィチだのユーゴヴィチ、ミハイロヴィチと言ったスターが揃う。前半からテクニックで勝るユーゴが押し気味。中盤を組み立てられないドイツの攻撃はほとんどがゴール前に放り込むシンプルなもの。13分、9番ミヤトヴィチの低く鋭いクロスにゴール前でスタンコヴィチが軽く触れてゴール。ユーゴ先制。これほどまでにドイツが無力化されるとは。

 後半からドイツはハマンに代わってマテウスが登場。ちょっとドイツのメンバーを見てくれよ。マテウス(37歳)、クリンスマン(33歳)、コーラー(32歳)、トーン(32歳)、ケプケ(36歳)……うわあああー、こりゃホントに98年大会なのか(苦笑)。94年大会、いや90年大会まで遡っても同じようなメンツだっ!(さらに言えば今大会のスター候補ビアホフだって遅咲きだからもう30歳)。

 で、ゲームのほうは後半も相変わらずユーゴが支配。54分、右サイド深くからヨカノヴィチがグランダーで中央へ。GKケプケが後ろにそらしたところをストイコヴィチが押し込み2点目。ここでドイツはMFのメラーに代えてFWのキルステン投入、クリンスマンがやや下がり目に。

 0−2、すでにゲームは決まったと今後のイランの活躍に期待を抱いていた74分、ドイツのタルナートがゴール前やや遠目からフリーキック、猛烈パワフルなキックがユーゴのディフェンスに当たってゴール。ここで一気に流れが変わってドイツの逆襲が始まる。ゴール前への放り込み主体の攻撃は相変わらずだが、こぼれ球を拾うのはほとんどがドイツ。ユーゴスラヴィアの美しい攻撃はまったく見られない。80分、コーナーキックからビアホフが驚異的な高さのヘディングでついに同点ゴール! な、なんということをしてくれるか、ビアホフよ(この頃、心はすっかりイラン人)。恐るべし、不屈のゲルマン魂。

 残り時間がないこともあって、ここからはお互い無理せずあっさり引き分けて終了(お互い決勝トーナメントに進むためには平和的な決着)。終了間際にクリンスマンが負傷退場したのが心配。大会的には今大会随一のストロング・ヘッダー、ビアホフのゴールが生まれた上に、あまりにもドイツ的な同点劇で大盛り上がりでしょう。好ゲームなり。これで、イランはドイツに勝たねばならなくなってしまった(もちろんアメリカに負けてはダメ)。

ドイツ 2−2 ユーゴスラヴィア
至福度 ★★
面白度 ★★★★
劇的度 ★★★★
(06/22)


屈辱的大敗。アジア弱し。
韓国 vs オランダ

 日本戦の後なのでこちらとしてももう一つ気合いが入らないんだが(メキシコvsベルギーも観たんだけど、正直、心ここにあらずで何も書けん)、同じアジア勢を全面的に応援する方針なので、韓国の健闘を祈りつつブラウン管に見入る。

 韓国は決して守備を固めるでもなく果敢に戦い、チャンスも何度か作ってたんだが、技術、スピード、パワーすべてにおいてオランダが何枚も上手。アジアで無敵の走力もここではほとんど通用しない。ソジョンウォンが爆走してキーパーと1対1になるなどの場面もあったが、シュートが打てず。決定力のなさは日本と同様。

 結果的に次々と失点を重ね大敗となったんだが、ポイントは前半終了間際の2点目の失点。前半を38分のコキュのゴールだけで乗り切れれば、まだ後半に可能性を託することができた。しかしゴール前のフリーキックのチャンスに、韓国は7人もの選手を前線に上げるギャンブルに。フリーキックは壁に跳ね返され、一気にオランダのカウンター、人数が3対2ともなりゃ、オランダは見逃さない。オフェルマウスに決められてしまう。もしここで失点を1点に抑えるというゲーム・プランを頭に描いていれば……って、「もし」は禁物だな。後半は中盤で選手をフリーにしてしまい、守備組織が大崩壊。

 それにしてもアジアの4カ国はここまで全敗。2002年を控えているというのに、この弱さ。悲しいっす。4年前はサウジアラビアがベスト16進出を果たしたというのに。

韓国 0−5 オランダ
至福度 ★★
面白度 ★★★
屈辱度 ★★★★★
(06/22)


得点欠乏症。
日本vsクロアチア

 中山のシュートは惜しかったよなあ、いいプレイだったんだが。

 われらがニッポン代表の第2戦、先発メンバーはアルゼンチン戦同様、川口−井原、中西、秋田−相馬、名良橋、山口、名波、中田−城、中山。クロアチアは中盤の要ボバンが怪我で欠場。

 欧州の有力クラブで活躍する選手を数多く擁したタレント軍団に対して、日本は五分五分のボール支配を見せ、何度となくチャンスをつかむ。と同時に、イージー・ミスから何度もピンチを迎える。後半は、日本がクロアチアを上回る攻撃機を得る。正直言って、クロアチア相手にここまで攻められるとは思っていなかったんだが……。それにしても、最後のツメがうまくいかない。france98.comにも書かれてたんだが、恐ろしく正確性を欠く、つうこと。アルゼンチン戦に比べればプレッシャーは少なかったのにもかかわらず、今日の日本代表はミスが多く、クロアチアの中盤が機能していないのに(結構ロングボールを放り込んできた)、自らのミスで次々とピンチを招く。77分、中田の不用意なミスパスから攻撃機を与え、ついにスーケルに決められてしまう。岡野、ロペス、森島を投入するが、そのままタイムアップ。またも1点も入れられず。

 アルゼンチン戦は0−1でも善戦として納得できたけど、この敗戦はホントに悔しい。内容ではやや押し気味、しかし不用意なミスからの失点、そして決定力のなさ。スーケルに決められた失点場面も井原によれば「事前に研究していた通りの動きをされたのに、決められたのが悔しい」ってことで、ベンチはちゃんと準備もできていたし、チームも機能していた。左サイドの相馬をうまく使ってチャンスもいくつも作れた。一対一での弱さをカバーするためのチーム戦術を磨き、強豪相手にも互角に戦えるところまでは来た。しかし、引き分けることもできなかった。監督の選手起用云々ってのもあるのかもしれないが(ワタシゃ分かりません)、それ以前にもう少し個々の選手に正確性と決定力がなければゴールは遠い。

 ところで、自国の代表がワールドカップに出場してるっていうワクワク感もワタシらにとっては初めてだったんだが(これは本当にすばらしい)、同時に当然のことながら自国の代表の敗退が(事実上)決まった後でなおもワールドカップが続くってのも初めての体験。すっかり意気消沈してしまうが、一方でピッチの上に目を向ければ4年に一度の祭典がさらに盛り上がりを見せているではないか。多くの中堅国にとって、程度の差こそあれ早い段階で自国の代表が姿を消してしまうのは当然のこと。勝負の場であると同時に、お祭りであるのも真実。ここから先は別の種類の(おなじみの)ワクワク感でテレビに噛り付くのだ。至福の瞬間を求めて……。

 あれ、もう一試合残ってるんだったっけ、ニッポン(笑)。せめてこれは勝ってくれよ。

日本 0−1 クロアチア
至福度 ★
興奮度 ★★★★★
落胆度 ★★★★★
(06/21)


死闘の後に笑う者は? 屈指の好ゲーム。
スペインvsパラグアイ

 地上波でも放映してくれたので、観た人も多いはず。1試合を終えて勝点0のスペインと勝点1のブルガリアという、ともに背水の陣。激しい試合に。

 スペインはとにかく勝って3点が欲しい。フォワードに高さのあるピッスィとエチェベリアのツートップを起用し、サイドからクロスをどんどん放り込むという、らしからぬシンプルさ。一方、堅守で南米予選を勝ち上がってきたパラグアイも真っ向から堂々と渡り合う、締まった好ゲームに。攻守ともに見応え大あり。0−0ながら、前半はあっという間に終ってしまう。気力大充実。

 後半はスペインが爆発的な攻撃に出る。しかしパラグアイは偉いよ。GKチラベルトをはじめ気迫の守備で守り、そこからスピードあふれる鋭いカウンターを連発。このカウンターがヘボヘボなら単に守備的なつまらんチームなんだが、これがとにかく速くて、どちらに先取点が入るかまったく予想もつかない。チラベルト、スピサレッタの両GKのファイン・セーブのおかげで、0−0のまま時間が過ぎてゆく。スペインはピッスィ、不調ラウール(スタミナ不足なのか?)に見切りを付け、モリエンテス、キコを投入し、さらに攻撃的な布陣へ。あくまでも勝点3を狙う。死力の限りを尽くした攻防は徐々に選手の体力を奪い、後半30分すぎからはお互いに中盤を省略したサッカーに。攻めるがどうしてもゴールを割れず、焦るスペイン。ロスタイムは4分の表示。後半49分にペナルティエリア直前でスペインがフリーキックを獲得。しかしこのチャンスも厚いディフェンスの壁に阻まれて、終了の笛。28本のシュートに耐え切ったチラベルトは、力強くガッツポーズ。スペインのイレブンはがっくりと肩を落とす。

 2試合を終えてわずか勝点1。スペインのこれほどの苦戦を誰が予想したか。同組のナイジェリアはすでに勝点6で勝ち上がりを決めたが、残り3チームにはどこにもチャンスがある。次節のナイジェリア(勝点6)vsパラグアイ(勝点2)、スペイン(勝点1)vsブルガリア(勝点1)は絶対に見逃せない。

スペイン 0−0 パラグアイ
至福度 ★★★
面白度 ★★★★
激闘度 ★★★★★
(06/20b)


底知れぬ強さなり。
ナイジェリアvsブルガリア

 もう大変なもんである→ナイジェリア。カヌは相変わらず出てこないが(後半に途中出場)、ホントにすごいチームっす。パスは強くて正確、サイドチェンジもうまい。ドリブルは速くてスキルフル、いくらでも突破可能(のように見える)。シュートは強烈。そして圧倒的な身体能力の高さ。さらになんと組織力もあって、サイドに揺さぶりをかけて、ガンガンと波状攻撃をしかけてくる。一人一人の選手の視野も広い。前の試合ではスペイン相手に逆転勝利を収めてる。もう言うことなしでしょう。

 当然のごとく完全にナイジェリアがゲームを支配。前半26分、ゴール前の速いパスワークから、イクペバがゴール。前半が1−0に終ったのは、むしろブルガリアとしては善戦か。ブルガリアが翻弄されたって印象強し。

 ああ、やっぱりアトランタ・オリンピックの衝撃を思い出すよ、こりゃ。今日の充実したナイジェリアを見るに、ブラジルやイタリアだってこのチームに勝てるとは思えないっす、マジで。

 ただし、後半になるとなぜかナイジェリアがペースダウン。ブルガリアは10番のバラコフを中心に攻撃を組み立て、五分で中盤を戦うが、ゴール前ではパワー負け。ストイチコフも影が薄い(怒りっぷりだけは相変わらず)。終了間際にコスタディノフがバー直撃の惜しいシュートを放ったんだが、結局そのままタイムアップ。ナイジェリアがこのままD組を1位で抜けると、決勝トーナメント1回戦でたぶんデンマークを破って、その次にブラジルと当たるはず。こりゃーアトランタ同様、大変な試合になるかもよ。

ナイジェリア 1−0 ブルガリア
至福度 ★★
面白度 ★★★
脅威度 ★★★★(ナイジェリア)
(06/20)


ファンタジーか現実か。向かい合うのは混沌。
イタリアvsカメルーン

 第1戦チリ戦をやっとのことで引き分けたイタリア。一方のカメルーンもオーストリア戦に痛い引き分け。このイタリアvsカメルーンはおもしろい試合になる。そう確信して、人様からビデオを借り、なんとか試合結果を知らない状態で翌日に観ることができた(大変だったっすよ)。注目点は2つ。

 まず、何といってもイタリアのフォワードに誰を起用するか。緒戦はケガのデルピエロの控えとしてバッジョが登場し、イタリアを救う活躍を見せた。しかしデルピエロは回復したというではないか。フォワードの一人は高くてパワフルな点取り屋、ヴィエリの指定席。で、その相棒をバッジョにするかデルピエロにするかはイタリア国内では大問題になってるらしくて、プロディ首相まで「二人を同時に使うべきだ」というコメントを寄せている。世論調査によると、「二人とも使え」が8割強、「二人を交代で使え」が1割未満(笑)。そりゃ、そうだ。誰だって二人のファンタジーあふれる選手を同時に見たい。優れたフォワードがたくさんいるなら3トップの攻撃的な華やかなチームを見たい。こんな魅力的なスーパースターが二人いるのに、なぜ一人を外さなきゃならんのだっ! ここまでがファンタジー。しかし現実を見よ。二人を同時に使えば守備力は落ちる、運動量も心配だ、薄い中盤で守り切れるのか? 夢見るような美しいフットボールを選ぶか、勝点3を得る確率を少しでも高めるほうを選ぶのか。スポーツが内包する根源的問題なり。

 マルディーニ監督が選んだのは、やはり現実的なもの。バッジョを先発させて途中からデルピエロに交代させました。実際、見事に機能。1点目はショートコーナーからバッジョが正確なセンタリングをあげ、中央でフリーで待つディビアージョが頭で合わせたもの。2点目はデルピエロからのパスに抜け出たヴィエリがループ気味に決める。3点目もデルピエロとヴィエリのコンビから、相手ディフェンダーとGKのミスを誘ってヴィエリが突っ込んでゴール。守備も完璧でカメルーンに決定機をほとんど与えず。

 もう一つの注目点だったのはエムボマが10番を背負うカメルーンの躍動感あふれるプレイ……と思ったんだが、これがねえ。スピードもパワーもあるし、シュート力もあるんだろうが、なんとパス・ミスだらけで試合がしまらない。しかも組織力皆無、11人の(後に10人の)混沌。みんなで勝手に自分売り込み用の(?)無謀なドリブルを繰り返して自滅。同じアフリカでもナイジェリアとは天と地ほどの差で、脅威度ゼロ。さらに乱暴。一発レッドでカーラ・ンコンゴが退場したけど、その前にヌジャンカがバッジョに悪質なバック・チャージをかけてて、あれにレッドカードが出なかったのが不思議。不可解なチーム事情でエムボマが(予選ではチーム得点王なのに)守備的MFを渋々やってるんだが、これが見るからに前線に出たがっててダメダメ。大体あんなに歩いてる守備的MFはいないよ(笑)。そんなわけで今大会一の期待ハズレチームだったっすよ。

 オーストリアが執念でロスタイムにチリと引き分けまで持っていったため、相変わらずB組は4チームとも決勝トーナメントへの可能性あり。チリvsカメルーンではぜひチリに勝って欲しいなあ。いいチームだから、チリは。オーストリアはイタリアに勝たなきゃほぼダメなので非常に困難。

イタリア 3−0 カメルーン
至福度 ★★
面白度 ★★
失望度 ★★★★★(カメルーンに)
(06/19)


ロナウドの大会になれ。
ブラジルvsモロッコ

 やっぱりブラジルは観ていて楽しい。守備的なチームかもしれんし、チームのコンビネーションはイマイチかもしれん。しかし、それでも楽しい。ってことで、人様からビデオを借りて観戦。

 上のリンク先のメンバー表を見ても分かるように、中盤のジオヴァンニに代えて本来左のレオナルドを右サイドで起用。攻撃的MFがリヴァウドとレオナルド、守備的MFがドゥンガとサンパイオのJリーガー・コンビつうセット。ドゥンガが後方からゲームを組み立てて、両サイドのロベルト・カルロス、カフーがガンガン上がる。

 試合は予想通りブラジルが圧倒。モロッコは果敢にディフェンス・ラインを浅く保つが、9分に後方からの浮かせたパスにラインぎりぎりからロナウドが飛び出してゴール。足をあわせるために細かいステップを素早く一歩踏んできれいに右足でボレー。うーん、美しい。その後はモロッコも攻撃機会を得るが、堅い守備に次々跳ね返される。

 前半ロスタイムのゴールもきれい。中盤からベベトがレオナルドとのワンツーで上がって、右サイドを走り込んだカフーへ。カフーは中央に正確に折り返して、リヴァウドが合わせてゴール。流れるようなパスワーク。圧巻は50分のロナウド。相手右サイドバックのミスからボールを奪うと、残っていたストッパーを得意の右足での超高速またぎフェイント→左足でタテに突破、あとは中で待つベベットにパスを送って決めてもらうだけ。うーん、速い。速すぎる。

 3−0になってからは、あとは凡戦モードへ(笑)。退屈で眠くなってしまうようなゲーム展開で、逆の意味で盛り上げてくれたのがベベットに代わって登場したエジムンド。もう散々なデキ。ライン際でボールをキープ、前に立つディフェンダーをどうやってかわそうとしたのか知らないが、右足で蹴ったボールを自分の左足の踵にあててタッチを割ってしまうという珍プレー(爆笑)。お客がウェーブしたり歌をうたったりしても、そのままのペースでゲームをだらだらと続けて、そのまま試合終了。まあ、もうブラジルは十分だからこれでいいのか。勝点6で早々と一位で勝ち抜け決定。

 問題は引き分け好きなノルウェー、スコットランド、モロッコの2位争い。A組2位は今のところ3チームのいずれにもチャンスはあるけど、ブラジル戦を残したノルウェーが一番厳しいという意外な展開へ。勝点2で3チームが並ぶっていう超低ポイントでの争いになる可能性もあり。

ブラジル 3−0 モロッコ
至福度 ★★★
面白度 ★★
退屈度 ★★★★(50分以降)
(06/18)


ライバル視察。
ジャマイカvsクロアチア

 衛星から一日遅れで地上波で放映。ニッポンと同組の2チーム同士の対戦ってことで、わたしらとしては非常に関心高い試合のはず……なんだが試合結果を知ってしまってるってこともあって割と流して観てしまった。

 ボクシッチ抜きでもやっぱりクロアチアは強いっす。技術が高くて運動量も豊富。2点目のプロシネツキのシュートなんて今大会有数の超絶技巧キックでしょう。ただ守備のハードさって点ではアルゼンチンほどじゃないかも。ジャマイカはウワサ通り、個人の身体能力、キープ力、スピードは高い。が、ミスも多い。同点に追い付くと盛り上がりまくり、2点リードされると足が止まりまくりって感じでメンタル面のプレイへの影響大の模様。たぶんニッポンとは五分五分くらいだと思うんだが、ジャマイカは展開次第で強いチームにも弱いチームにもなりそう。

 にしてもクロアチアが2点差を付けて完勝ってのは、ニッポンの決勝トーナメント進出を考えると残念(前評判通りの結果ではあるが)。もし引き分けてくれればニッポンは勝点4で決勝トーナメント進出できる可能性が大だったのになあ。ジャマイカがアルゼンチンから勝ち点を奪うのは相当困難。だとするとアルゼンチンは当確、で、世間で皮算用されているように(笑)、もしニッポンがクロアチアに健闘して引き分けて、ジャマイカに勝ったとしても、勝点4。クロアチアはニッポンに引き分けたとしても、その時点で勝点4、最後にアルゼンチンと戦う頃には、すでにアルゼンチンは勝ち抜けを決めてるわけで、お互いムリしません系の試合になって、引き分けて勝点5まで届く可能性がすごく高そう。ってことは、クロアチア戦では勝たなきゃいかんってことだな、ニッポンは。うーむ。

ジャマイカ 1−3 クロアチア
至福度 ★
面白度 ★★
落胆度 ★★★★(ニッポンから見て結果が)
(06/16)


優勝候補対決。
スペインvsナイジェリア

 一次リーグ最強最大の好カードはこれでせう。すっかり結果を知ってしまってからだけど、人様からビデオを借りて観る。一言でいえば「恐れていたことが起きてしまった」(笑)って感じっす。

 ナイジェリアと言えば思い出すのはアトランタ五輪。次々とスーパーなプレイを繰り出すアルゼンチン、本気で金メダルを狙ってきたブラジルという両大国を、爆発的な攻撃力でねじ伏せてしまった。金メダルを勝ち取っての、あのクネクネとしたアフリカンなダンスに、世界のフットボール・ヒエラルキー崩壊の始まりを予感してしまったのだよ(笑)。今やどんな大国であってもナイジェリアは脅威ではないかと。

 で、この試合、ナイジェリアはカヌとアモカチ不在でフォワード不足、試合開始からスペインが押し気味。21分にイエロのフリーキックでスペインが先制して、試合が落ち着くかと思ったら、始まりましたよ、アトランタを彷彿させる「どつき合い」が。直後にコーナーからアデポジュが頭で合わせて同点。47分に後方のイエロからのパスに不調が伝えられていたラウールがきれいにボレーで合わせて再びスペインがリード。しかし73分、78分と立て続けにナイジェリアがゴールを決めて逆転。終盤にスペインが猛攻をしかけ、さすがのナイジェリアもディフェンスが混乱するがそれでも耐え切った。

 ため息が出るような柔らかいタッチのドリブル、身体能力の高さ。どちらも強豪クラブに所属するスター軍団でありながら、勝ったのはエースのカヌ不在のナイジェリア。ワタシ的には優勝常連国(ドイツ、ブラジル、イタリア、アルゼンチン)以外でワールドカップを手にする国があるとするとここしかないんではないかって気になっとります。

 唯一スペインにとって幸運なのは同組のパラグアイvsブルガリアが引き分けてくれたってことか(決勝トーナメント進出への勝点勘定すると)。

スペイン 2−3 ナイジェリア
至福度 ★★
面白度 ★★★★
脅威度 ★★★★(ナイジェリアが)
(06/16)


無力なり。
日本vsアルゼンチン

 結果を見れば0−1の最少得点差。ピッチに立った選手たちはベストを尽くし、終了間際には何度も惜しいチャンスを作り出した。右サイドで中西がアルゼンチンDF二人の間を割って突破、中央のロペスに合わせた瞬間が最大の決定機。ホントにがんばった。しかし、内容的には得点よりもはるかに大きな差が。分かり切ったこととは言え、こうして力の差を見せつけられると悔しいというよりは無力感にとらわれてしまう。アルゼンチンは余裕をもって中盤でボールをキープできるし、ドリブル突破もガンガンできる。われらがニッポン代表は、中田を除くと、ボールを奪われる危険から逃れるためにムリめのダイレクト・パスを狙ったり、長いパスを放り込んだりと、確率の低い攻撃の選択肢を選ばざるをえない。判断の速度もパスの精度もキープ力も決定力もパワーもファールのもらい方も(苦笑)すべてにおいて負けているという厳しい現実。ああ、なんだか切ないっす。

 それでもアメリカ大会予選時よりははるかにパワーアップしているのは確か。世界最強国の一角を相手に攻守にわたりクォリティの高いプレイを見せた中田はやっぱりすごい。技術、運動量、体力、視野の広さ、判断の速さ……。欧州合格ではないかと。秋田もバティストゥータ相手に健闘、川口も何度もファインセーブ。国外メディア的には「アルゼンチンはバティのゴールで屈辱を免れた」みたいな感じだし(しかも自分的にはあの時、名波の足に当たったボールがバティの方向に飛ばなければ、みたいな悔しさもあり)、きっとニッポン善戦(確かにそうではある)って報道も多いだろうけど、渋々ながらも正直に言えば、ここまでワタシがTVで観た試合の中では開幕のブラジルvsスコットランド戦と並んで、もっとも対戦国間の力の差を感じたゲーム。

 そんなわけで、なんだか哀しい気分になってしまうんだが、しかし実はそう落胆することもないだよな、考えてみりゃ。もともとこの試合が一番勝点をゲットするのが困難な試合であることは覚悟してたわけで、むしろ得失点差−1で済んだのが効いてくる可能性もあり(勝点4で複数チームが並ぶケースにおいて)。もっとも重要なのは次のクロアチア戦。これに勝てばぐっと決勝トーナメント進出の可能性が高まるし、負ければおしまい。引き分けた場合でもジャマイカに勝てば可能性はなくはない(まあ、最後にクロアチアvsアルゼンチンで予定調和的引き分け試合をやられるとちょっと厳しいけど)。←なお、クロアチアvsジャマイカ戦の結果はこれ書いてる時点ではまだ分かってないっす。

 ああ、ロスタイム平野のコーナーキックの場面で、せがた三四郎が選手交代してくれてればなあ(す、すまぬ、おちゃらけてしもうた)。

日本 0−1 アルゼンチン
至福度 ★
興奮度 ★★★★★
中田依存度 ★★★★
(06/15)


悲願の一勝ならず。
韓国vsメキシコ

 これまで善戦はするもののいまだに本大会での一勝をあげられない韓国。今回は同組にオランダ、ベルギー、メキシコ。一見、きつい組合わせのようではあるが、メキシコ、ベルギーは決して勝てない相手ではない上、簡単に勝点3をプレゼントするような国も見当たらないので(引き分けが多くなって)混戦になる可能性大。特に北中米最終予選で終盤ピリッとしなかったメキシコとの対戦は最大のチャンス。

 立ち上がり、韓国は中盤をスピーディにパスでつないでくる。五分五分の展開から、前半28分にハ・ソクジュが先制点をゲットとした時点で、悲願の初勝利への期待が膨らむ。ところが、わずが2分後、そのハ・ソクジュがまったく必要もない場面で後方からのスライディングでレッドカード。この時間までにもすでに何度もバックチャージでファールをとられていた韓国に、ついに審判もレッドカードを出さざるを得なかった。まだゴールから遠い上にサイドライン際、しかもゴールに背を向けているという危険度の低い選手に対して、なぜバックチャージを? 信じられないような運動量で前半は1−0のリードを保った韓国だが、ハ・ソクジュの大失態が最後に効いてくる。

 後半になるとメキシコの11番ブランコが好き放題に左サイドをドリブル突破(←何だ、あの両足でボールを挟んでピョンと飛び上がる曲芸プレイは。しかもあれが効果的だから困ったもんだ)。51分に追い付かれると韓国の足が止まり出し、ストライカーのエルナンデスにさらに2点を奪われて、終わってみれば1−3。メキシコの突破力、パスワークが目立ったものの、なにせ11人対10人。同じ条件で90分を戦えば十分に勝利を狙える相手だっただけに、悔しすぎ。コ・ジョンスは何度かいいプレイを見せていて、今後ニッポン代表にとっても脅威になること確実。

韓国 1−3 メキシコ
至福度 ★
面白度 ★★★
後悔度 ★★★★★(韓国寄り)
(06/14b)


開催国の快勝に一安心。
フランスvs南アフリカ

 この試合、TVでW杯放映中の近所のイタリアンなバール&ピッツェリアでメシ食いながら見たってこともあって(パリパリのピザが旨いのだ)、ワタシ的にはちゃんと集中していないんだが、フランスが勝つべくして勝ったという試合。もっとも77分まではデュガリーの1点だけだったので、勝負強いとは言いがたい開催国がこのまま勝てるかどうか、ハラハラ度は結構あった。しかし自殺点で2点目をゲットしてからは、相手が萎えてしまって楽勝ムード。

 フォワードの決定力に難ありと言われるフランス、1点目は途中交代で入ったデュガリー。代表では活躍できてないけど、それでも招集されたのはひとえにジダンとの仲のよさ(ピッチの中でも外でも)なんだそうだが、ジダンのコーナーキックがきれいにデュガリーの頭に。中盤の傑出したオールラウンド・プレイヤーが、なかなか結果の出せない親友ストライカーの頭にドンピシャリっていう仲良しホットラインの構図は、どこかで見たような光景かも。4年前に本大会出場を逃したロスタイムの悲劇って点でも共通してるわけで、われわれもあやかりたいもんです。

フランス 3−0 南アフリカ
至福度 ★
面白度 ★★
安心度 ★★★★
(06/14)


イタリアを救ったのは控えFWバッジョ。
イタリアvsチリ

 試合の翌日にビデオで観戦。結果を知らずに観たのでおもしろかったっす。

 優秀なフォワードが山盛りのイタリア、しかしデルピエロは代表には入っているもののケガ、ラヴァネッリはケガで代表から外れた。が、それでもバッジョ、ヴィエリ(この二人が先発)、インザーギ、キエーザがいるんだから、まったくすごいもんだよ、この国は(呼ばれてないけどゾラもいる)。開始早々はチリが中盤を支配するものの、バッジョの技巧的なパスにヴィエリが合わせてイタリア先制。この後、完全に主導権がイタリアに移ってしまうが、分からんもんです。ウワサの若きエース、マルセロ・サラスが前半ロスタイムに同点弾。これで後半になると、チリが異様なまでにノリはじめる。戦術でもパワーでもプレイの確実さでもイタリアが勝ってるんだけど、チリは創造的なパスワークで対抗、「何もそんな難しいことしなくても」と思わせるようなパスを連発、またそれが通るからすごい。勝つことよりも凝ったプレーを見せることが目標であるかのような、今時ヨソではなかなか見られないサッカー(ちょっと感動ものです)。しかしサモラノとサラスの2トップは強力、なんと後半には再びサラスがゴール、イタリア相手に逆転に成功ときたもんだ。実は90分間で、チリがゴール枠に飛ばしたシュートって、この2本だけだったりする(公式記録によれば)。

 イタリアはディビアージョ、キエーザ、インザーギと次々選手を交代するが、効果はイマイチ。こりゃもうダメかと思われた85分、右サイドでバッジョが中に入れようとしたボールがチリのディフェンダーの手に命中(?)、なんとこれにPKの判定。今回はデルピエロの控えとして代表に(ちょっと意外にも)呼ばれたバッジョが、落ち着いてPKを決めてかろうじて引き分けに持ち込めた。うーん、実に不運なり→チリ。勝者に相応しい美しいサッカーをしていたのになあ。ワタシゃイタリア寄りで観戦していたんだが、おもしろかったのは呆れるほどにファンタジー溢れるチリのパスワークのほう。それにしても、デルピエロのケガが治ったら、バッジョはベンチに座ることになるのか? 多分、座るんだろな、やっぱり。

イタリア 2−2 チリ
至福度 ★★★
面白度 ★★★
技巧度 ★★★★(チリのパスワークに)
(06/12)

後日談:あのハンドをとった主審はFIFAから叱られてワールドカップを去りました。やっぱそうだよな、あれは。


そう言えば4年前も開幕戦はドタバタだったよ。
ブラジルvsスコットランド

 ありがたいことに地上波で放映の開幕戦。
 開始早々にサンパイオがベベットのコーナーキックを叩き込んだ時はワンサイド・ゲームの予感。圧倒的な個人の能力の差によってボール支配率ではブラジルがはるかに上回り、スコットランドは攻撃を組み立てられない。この試合を見た限りでは、スコットランドは技術でも戦術でもニッポン代表よりはいくらか下かと。最近ニッポンと戦ったユーゴやチェコといった国よりは明らかにワンランク落ちる。ところが、だ。

 サンパイオのファールによってスコットランドがPKのチャンス。これをコリンズが決めて、1対1。もうスコットランドは大はしゃぎ。ここからがすごかった。個人技依存症にとりつかれたチグハグ系プレイに対し、スコットランドはけれん味のないシンプルなプレイで対抗、人数をかけた守りからボールを奪うと粘り強くゴール前を目指して放り込む。なんつうか、彼らは精神的にタフ。これはニッポン代表にはないものっすね。ブラジルに対しても全然びびらず。

 前半に一度、「これが決まればフランス大会最初の伝説プレイかっ!」つうロナウドのすごい突破→シュートが見れたものの、キーパーのレイトンがファイン・セーブ。この瞬間は確かにワクワク度最強に強まる「至福の時」の予感がしたんだがな……。

 後半にリヴァウドに代えてレオナルド投入。右サイドってことで、本来とは逆のポジションのためか、随所にいいプレイはあるもののイマイチ機能せず。さらに消えかけていたベベットに代えて若きドリブラー、デニウソンが入る。これまたすごいプレイをするが、どうしてもチームとしてはまとまらないブラジル。カフーのがんばりで、ややラッキーなオウン・ゴールを得て、ブラジルが2−1でリード、そのままなんとか無事試合は終了したが、いやー、これではブラジル・サポーターは絶対に満足できんでしょう。この先、どうやってザガロがチームをまとめていくんだろか。チームの調子が落ちてるっていう巷のウワサは本当だったんすね。

 逆にスコットランドは後半に何度もチャンスを作っていて、大健闘。相手ディフェンスを崩す見事なプレイはほとんどなくとも、果敢に戦い、ひょっとすると泥臭いゴールで同点に追い付くのではないかと思わせたほど。中堅国が世界最強レベルに挑む時、いかにハートの強さが大きな力となってくれることか。拍手せよ。

ブラジル 2−1 スコットランド
至福度 ★★★
面白度 ★★★
教訓度 ★★★★
(06/11)


決勝トーナメント / 一次リーグ第3戦 / 一次リーグ第1〜2戦

★は5点満点(って何だよそりゃ)
至福度:フットボールの醍醐味たるスーパーな個人技or
超モダンな組織プレイor壮絶な勝負の駆け引きなど
「至福の瞬間」の詰まり具合。
面白度:試合として自分的にどれくらい楽しめたか
っていう娯楽性の高さ。
あとは試合ごとにテキトーに。



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