Books: 2003年6月アーカイブ

June 13, 2003

「怪しい日本語研究室」

●文庫化されていた「怪しい日本語研究室」(イアン・アーシー著/新潮文庫)を読む。カナダ人翻訳家の著者が、ガイジンの視点から見た「日本語」のおもしろさについて日本語で書いたエッセイ集。で、ユーモアの質もよく、鋭い指摘ありで大いに楽しめるのだが、とにかく日本語の巧さには舌を巻いた。日本語が母国語ではないとは到底思えない。ワタシよりもずっと日本語の語彙も表現も豊かである(苦笑)。ここまで知性とセンスの良さを見せつけられるとかえって引いてしまうところもあるが、げらげら笑いながら読んでしまった時点でワタシゃ完敗している。(06/13)

June 3, 2003

「趣都の誕生 萌える都市アキハバラ」

●遅ればせながら読んだ、「趣都の誕生 萌える都市アキハバラ」(森川嘉一郎著/幻冬舎)、これはおもしろかった。東京・秋葉原に焦点を当てた都市論で、かつての電気街がパソコン街に変わり、さらにはオタクの街へと変貌していった現象を、都市の「オタクの個室化」と解釈し、趣味が都市を変える力を持つに至ったことを明らかにする。「萌える」ってのはわかるっすよね? クラシック・ファンもフツーに使うもんな。「アンジェラ・ヒューイットのバッハ萌え~♪」とか。え、なんか違うか。ま、いいや。
●なるほどと唸らされたのは秋葉原と渋谷との対比で、渋谷という街が欧米人モデルの広告、欧文の名前で埋め尽くされていく海外志向が見えるのに対して、秋葉原には日本語の宣伝文が満ち溢れ、看板は赤と白を基調に塗られる(←たとえば「石丸電気」を思い出すべし)といった日本志向があるという指摘。な、なるほど。街を埋め尽くすアニメ・キャラは国産ブランドだもんなあ。
●ちなみに東京・中野もこの5、6年の間に急速にオタクの街と化している。北口のブロードウェイなんて大変なことになってるっすよ。(06/03)

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