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July 29, 2016

ラウタヴァーラ、中村紘子さん逝去

●訃報がふたつ続いた。フィンランドの作曲家エイノユハニ・ラウタヴァーラが世を去った。87歳。今年のラ・フォル・ジュルネで、鳥と管弦楽のための協奏曲「カントゥス・アルクティクス」が話題を呼んだことが記憶に新しい。交響曲第7番「光の天使」ほかの管弦楽作品、室内楽曲、独奏曲、オペラ、合唱曲など、録音には恵まれている。交響曲は第8番「旅」(1999)が最後だったのだろうか。近作ではアン・アキコ・マイヤーズのために書いたヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲(2015)の初演が2017年3月に予定される。
●もうひとつは中村紘子さん。7、8年前だったか、全国各地でのリサイタルを前に情報誌用にインタビューでご自宅に伺ったことを思い出す。そのときの話でいちばん印象に残っているのは「演奏会は一期一会だ」ということ。演奏する側はツアーであちこちを回って同じプログラムを何回も演奏するが、お客さまのほうは自分が足を運んだ一回きりの公演がすべてなのだから、一回一回のために決して準備を怠ってはいけないといったことをおっしゃっていた。なにしろ大御所、しかもご自宅ということで、こちらは滝に打たれる覚悟で出向いたのだが、会ってみるとまったく尊大ではなく、むしろこちらを気遣ってくれる方だったので感激した覚えがある。
●謹んでご冥福をお祈りいたします。

July 28, 2016

スナホ・ゲーム解放区

●ポケモンGOにはひとたび遊びだしたら自分が底なし沼にハマって生活が破綻するんじゃないかという危険な香りを感じて、手出し無用だと思ってるんだけど(もともとゲーム大好き人間だし)、いい話だな~と思ったからメモっておく。
●「鳥取砂丘で87カ所ポータル申請 Pokemon GO 解放区のきっかけに」(ITmediaニュース)。なんにもない鳥取砂丘に大量のポケストップが集中していて、どうしてかなと思ったらそれはひとりのIngressプレーヤーのおかげだったという話。Ingressというのは同じ米Niantic開発によるポケモンGOの兄貴分みたいなゲームで、このプレーヤーが砂丘を歩いて大量のポータルを申請したのだとか。で、そのポータルがポケモンGOでポケストップに転用されたので、鳥取砂丘はがぜんポケモンGOで注目を集めるようになった。鳥取県は「鳥取砂丘スナホ・ゲーム解放区宣言」を発表して、観光客誘致に力を入れている。
●これってホントにカッコいい。ひとりで砂漠を緑化した男、みたいなイメージ(砂漠じゃなくて砂丘だけど)。家庭用ゲーム機やアーケードゲームの全盛期にもネットとかパソコン通信(死語)を通じて個人の力で裏技やらチートが共有されて、ゲームの世界に広がりを感じたものだけど、それらはしょせん開発者の作った世界の内側の話。こっちは外側に向けて開いているというか。
●ポケモンGOもさることながら、その次の展開が楽しみな感じ。これってまだファミコン時代でいえばドラクエIIくらいがリリースされたあたりの黎明期なんだろうし。

July 27, 2016

ズーラシアンブラス+弦うさぎ「音楽の絵本」

ズーラシアンブラス+弦うさぎ「音楽の絵本」●24日は所沢市民文化センターMUSEのマーキーホールで、ズーラシアンブラス+弦うさぎ「音楽の絵本」親子で楽しむクラシックコンサート。ズーラシアンブラスは子供たちに大人気の動物たちによる金管五重奏。クールでカッコいいインドライオンのトランペット、愛嬌のあるドゥクラングールのトランペット、のんびり屋のマレーバクのホルン、お調子者のスマトラトラのトロンボーン、沈着冷静なホッキョクグマのテューバの五重奏に、しっかり者のリーダーであるオカピが指揮者として加わる。この日はうさぎたちの四人姉妹による弦うさぎも加わり、カッコいい系のブラスとかわいい系の弦楽四重奏の両方があって、男子も女子も楽しめる構成になっていた。
●一曲目はワーグナーの「ローエングリン」第3幕への前奏曲をブラスの演奏で。コーダが「禁問の動機」入りバージョンになっていて、動物たちもワーグナーには一家言ある様子。ヨハン・シュトラウス「皇帝円舞曲」やプッチーニ「だれも寝てはならぬ」といったクラシックの名曲から、久石譲「となりのトトロ」、渡辺茂「ふしぎなポケット」、八木節、ロンドンデリーの歌など、曲目は多彩。後半で演奏された「弦うさぎの一日」は、うさぎさんたちの一日の過ごし方を名曲メドレーでたどったもので、グリーグの「朝」、ヨハン・シュトラウス「トリッチ・トラッチ・ポルカ」、キューピー3分クッキングのテーマ、ベートーヴェンの「田園」第1楽章、ドヴォルザーク「新世界より」第2楽章、チャイコフスキー「眠りの森の美女」ワルツ、あともう一曲最後に超有名なピアノ曲が続いたんだけど、えーと、なんだっけ、シューマン「トロイメライ」だったっけ?(記憶違ってるかも)。
●ブラスの5人がものすごく上手い(特にインドライオンさん、何者ですか)。あ、動物だから5人じゃなくて5体? ケダモノ界の人材豊富さをうかがわせる。編曲もいい。で、すばらしいなと思ったのは司会のお姉さんも含めてショーとしての完成度が高く、子供たちを本気で喜ばせていたところ。「いい音楽さえ聴かせれば子供たちは喜ぶ」なんてワタシはぜんぜん信じない。やっぱり子供に正面から向き合った練った演出が必要なんだなと痛感した。たとえば、それぞれの動物にキャラ設定があるわけっすよ。ホルンのマレーバクはぼんやりして、うっかりすると演奏中に昼寝なんかしちゃうという設定。最初のほうでお姉さんが、眠ってしまったマレーバクに向けて、会場の子供たちに「起きて―!」って言わせる。で、一回それをやっておくと、後半で「だれも寝てはならぬ」を演奏中にマレーバクがウトウトすると、子供たちは自発的に大きな声で「起きて―!」って大喜びしながら声を出してくれる。こういうのって、だれでもできる(=台本を書ける)ものじゃない。よくできているし、ずいぶん試行錯誤を重ねたのかなって思う。
●最初にお姉さんが会場に「ズーラシアン・ブラスに今まで会ったことのある人!」って尋ねたら、たくさん手が挙がっていた。リピーターが多いのも納得のクォリティ。

July 26, 2016

フェスタサマーミューザKAWASAKI 2016開幕、ジョナサン・ノット&東響

●今年もフェスタサマーミューザKAWASAKIが開幕。ミューザ川崎を舞台に首都圏のオーケストラが続々と登場する。23日はその開幕公演であるジョナサン・ノット指揮東京交響楽団の公演へ。いつも東響はこの音楽祭のホスト・オーケストラとして開幕公演と閉幕公演の両方に登場するのだが、ノットが同音楽祭に出演するのは初めて。やはり音楽監督が指揮台に立ってくれると期待度はあがる。
●基本的にこの音楽祭は名曲中心のプログラムで、チケット価格もぐっと抑えられているフレンドリー路線なのだが、さすがにノットは興味深いプログラムを組んでくれた。前半にヴィラ=ロボスの「ニューヨーク・スカイライン・メロディ」というごくごく短い小品と、アイヴズの「ニューイングランドの3つの場所」、後半にベートーヴェンの交響曲第6番「田園」。おもしろい。メイン・プログラムに「田園」を据えるにしても、その前に20世紀のニューヨークやボストン等の景色を配置することで、プログラムが時空を超えたひとつの旅のように思えてくる。都市と田舎、新大陸と旧大陸、20世紀と19世紀。
●ヴィラ=ロボスにこんな曲があることすら知らなかった。もともとはピアノ曲で、マンハッタンの摩天楼の稜線を方眼紙に書き取って、それを五線譜に置き換えたものということらしいのだが、じゃあケージばりにランダムに生成された容赦ない不協和音が響くかといえばぜんぜんそうではなく、すっかりヴィラ=ロボスの音楽語法に収まっている感。ここからノットとしては拍手なしでアイヴズにつなげたかったようだが、少しの拍手をはさんでアイヴズへ。並べて聴くと断然アイヴズのほうがヤンチャしてる。
●後半は「田園」(休憩なしで3曲続けても大した長さにはならなかったはずだが、客層も考えてか、休憩あり)。ノットのベートーヴェンは豊潤でふくよか。緊張感に貫かれたまったくルーティーンではない「田園」で、しなやかなフレージングが印象的。大活躍する木管群のソロも精彩に富んでいた。
●「田園」の1楽章が終わったところでパラパラと拍手が沸き起こった。首都圏ではめったに出会えない光景なのだが、これは着実に新しいお客さんを呼べている証拠でもあって、頼もしいかぎり。初めて聴いた「田園」がこれだったとすると、幸福な出会いというほかない。

July 25, 2016

兵庫県立芸術文化センターのブリテン「夏の夜の夢」

●22日は兵庫県立芸術文化センターへ。この日、東京は肌寒いほど涼しかったのに関西はカンカン照りで猛暑。最高気温が10度ほど違っていた。佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2016として取りあげられたのは、なんとブリテンの「夏の夜の夢」。この日が初日だったが、それにしてもこの演目で6回も上演されるとは。感嘆するしか。これは貴重な機会だと思い新幹線に乗ってはるばる訪れたわけだが、いざ現地に着いてから「実はブリテンじゃなくてメンデルスゾーンだったらどうしよう」と急に自分の勘違いが怖くなって(まさか)ポスターかなにかを見たら、小さくBrittenって書いてあって安堵。
●演出・美術はアントニー・マクドナルド。オーベロン役のみダブルキャストでこの日は彌勒忠史(2公演のみ藤木大地)。森谷真理(ティターニア)、森雅史(シーシアス)、清水華澄(ヒポリタ)、クレア・プレスランド(ハーミア)、イーファ・ミスケリー(ヘレナ)、ピーター・カーク(ライサンダー)、チャールズ・ライス(ディミートリアス)、塩谷南(パック:語り役)、アラン・ユーイング(ボトム)、アンドリュー・ディッキンソン(フルート)他の歌手陣、佐渡裕指揮兵庫芸術文化センター管弦楽団、ひょうごプロデュースオペラ児童合唱団。舞台は私たちが「妖精譚」と聞いてまっさきに思い浮かべるような、幻想的で装飾的なもの。とても美しい。3面の回り舞台を駆使。おもしろかったのは、妖精たちは日本語で歌い、人間たちは英語で歌うというアイディア。これは昨年の野田秀樹演出の「フィガロの結婚」を思い出させる。外国人歌手に日本語で歌わせるのは難しいが、日本人歌手はどちらでも歌えるという言語の非対称性が背景にあるにしても、作品内世界で筋が通った言語の使い分けになっている。人間たちの言葉である英語から見れば、日本語は超自然的な言語に聞こえるのかも。日本語歌唱に対しても、字幕は付く。この仕組みだと堂々とパックに日本語で語らせることができるのが効果的。歌手陣は歌えてなおかつ役柄にもあっている人たちがそろっていて、オペラにつきものの脳内置き換えをしなくても、ちゃんと若い恋人たちは若い恋人たちに見える。すばらしい。
●で、歌手、オーケストラ、舞台美術といずれもワタシは満喫したんだけど、ひとつ根本的なところで自分のなかで消化できていないのは、「夏の夜の夢」という物語そのものなので、以下、思いつくままに記しておこう。この話そのものはメンデルスゾーンの音楽もあるし、決してなじみのないものではないが、一筋縄ではいかない。妖精の王様と女王様がケンカして、人間の恋人たちをめぐるドタバタがあって、職人たちのヘッポコ劇団が出てきて、最後はみんな仲良くなってハッピーエンド。それだけのふわふわとしたラブコメだったら、ブリテンはオペラにしようなんて考えないだろう。つまるところ、なにがおもしろいのか。
●たとえば、物語の発端のひとつに、オーベロンとティターニアがインドの小姓を奪い合うというのがある。なんでそんなインドの小姓ごときで話が大事になるのか。オペラで小姓といえばケルビーノ。ケルビーノみたいな美しい少年だとすると、ティターニアがかわいがるのはわかるが、どうしてオーベロンが欲しがるのか。そのあたり、自分なりにでもなにか答えがないとこの話は厳しいんじゃないだろうか。ここで小姓とされているものは、ケルビーノの小姓とは意味が違っているはずで、この子はChangeling、「とりかえ子」と呼ばれることも多いようだ。とりかえ子とは人間側から見ると、本来の子供が妖精などにさらわれて、その代わりに置いていかれる妖精の子供のことで、ときには醜かったり発育不全だったりする。人の側からすると「この子は、本当は化け物の子で、本物のわが子は連れ去られたのだ」的な都合のいい解釈ができる存在なのだと思うが、妖精側からするとさらってきた完全で健やかな子供のほうが「インドの小姓」になっている(そしてインドには醜い子供が身代わりになっているはず)。で、だったらどうなんだってことではあるのだが……。
●シェイクスピアの「夏の夜の夢」が結婚式のために書かれたものだとすると、この話は結婚を祝う以上に、今でいえば「結婚式の二次会」みたいなものへの期待を煽っている。奔放な性愛をテーマとした話なので。目が覚めた時に初めて見た者を好きになる秘薬というのは媚薬そのもの。ティターニアはロバ頭に変身させられた職人に求愛する。このロバを性的な旺盛さのシンボルとする見方もある。そうでなくても4人の若者たちでカップルの組合せがゆらぐというのは(モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」のカップル入れ替えの話もそうだけど)、放埓でドキッとさせる話。しかもヘレナとハーミアが女学生的な結束を確認する場面なんかも、なんだかきわどい要素をはらんでいる。
●第1幕の頭から登場する弦楽器のポルタメントを使って、妖精たちの異世界を表現するところが、なんだか「ニャ~ン」って猫が鳴いているみたいでかわいい。妖精の表現としては、メンデルスゾーンが弦楽器をちらちらとピクシーが飛翔するみたいにせわしなく扱うのが得意だけど、別の方法でやるとするとこんな感じか。第3幕、職人たちの劇中劇の場面で、ブリテンは遊びまくっている。イタリア・オペラのパロディ調。しかし、イマイチ笑えないギャグに付き合わされている感も。ピーター・ピアーズが職人フルートの役を歌っていたというのが興味深い。いちばん最後にパックの有名な口上が出てくる。「お気に召さなければ、これは夢だと思ってお許しを」みたいな言葉。オペラだとなんだか危険な口上にも聞こえるのはなんでだろう。レオンカヴァッロ「道化師」の幕切れを連想する。あちらはリアリズムの手法でファンタジーを描いているけど、こっちはファンタジーのタッチでリアルを描いているのかも。

July 22, 2016

第26回出光音楽賞受賞者ガラコンサート

●19日は東京オペラシティで第26回出光音楽賞受賞者ガラコンサート。今年の受賞者は川瀬賢太郎(指揮)、薮田翔一(作曲)、山根一仁(ヴァイオリン)の三氏。演奏に先立ってまずは授賞式がとりおこなわれた。司会は同賞選考委員でもある池辺晋一郎さんと、テレビ朝日アナウンサーの松尾由美子さん。
●セレモニーに続いて、川瀬さんが横浜シンフォニエッタを指揮してモーツァルトの「フィガロの結婚」序曲、シューマンの交響曲第3番「ライン」から第1楽章。ていねいで推進力のある演奏で続きも聴きたくなる。休憩後は薮田翔一作曲の演奏会用組曲「風神雷神」。これはもともとは歌舞伎役者の舞を伴った作品だが、今回のために演奏会用組曲として再構成したもの。オケに加えてピアノに萩原麻未、ソプラノに半田美和子というゴージャス仕様。たぶん、氏のほかの作品と比べると相当に明快な作風がとられた曲で、そのまま映画音楽などに使われてもおかしくないくらい。オーケストラ曲だが、打楽器アンサンブルや弦楽四重奏で演奏される部分もあり、きわめて色彩的で物語的。「尊敬する作曲家は?」と尋ねられて、司会の池辺さんを目の前に堂々と「池辺さんです」と答えてくれた(おふたりは旧知の間柄)。
●山根さんは「幼稚園の頃から大好きだった」というショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番から第3、第4楽章。これはもう恐るべきクォリティ。キレッキレの鋭さで、第3楽章の厳粛な長大なソロからクレイジーな第4楽章へと突入するコントラストの鮮やかさは鳥肌もの。ホント、全曲聴きたかった。
●さて、池辺さんの司会となれば、はたしてどんなダジャレが飛び出したかが気になるところであろう。しっかりメモって来ました!(なんでよ)。冒頭のセレモニーで松尾さんから「出光音楽賞の選考基準は?」と聞かれて、「やはり光を出している人ですね……出光だけに。あとはアブラの乗っている人」。ダジャレとは少し角度を変えた、授賞式にふさわしい狙い澄ましたジョークであった。
●公演の模様は「題名のない音楽会」で9月4日(テレビ朝日)に放映予定です。

July 21, 2016

結ばない靴紐

●最近、感動したのが「キャタピラン 結ばない靴紐」という商品。これは発明だと思った。伸縮性のある材質でできた靴紐で、スニーカーを履くときにひもを緩める必要がない。そして、ひもがほどけない(というか、もともと結んでない)。今までやたらとひもがほどけやすいスニーカーを履いていて、いったいどういうメカニズムでこんなものが自然にほどけるというのか、目に見えないイジワルな靴紐の精がいて、油断をした瞬間にひもを緩めているのかと訝しんでいたのだが、これでもう安心。ほどけない。そして緩めなくても履けて、快適にフィットする。
●映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で自動で靴紐を締める機能を持ったシューズが出てきたけど、先端テクノロジーを使わなくても靴紐問題はゴム+ナイロン製の材質でスマートに解決できたのであった。

July 20, 2016

N響「夏」2016

●15日(金)はNHKホールでN響「夏」2016。毎夏に開催される名曲コンサートで、今年はなんと、クリスチャン・アルミンクが指揮。新日フィル音楽監督時代にはたくさん聴く機会があったが、退任後はまったく機会がなく久々にアルミンクの姿を目にすることに。相変わらず若々しく男前。こんなに長身だったっけ。ソリストがポール・メイエだったので、舞台上がなかなか麗しい感じに。
●前半はモーツァルトで「魔笛」序曲とクラリネット協奏曲。クラリネット協奏曲が始まる前、メイエがなかなか登場せず袖で音出しをしているのが聞こえてくる。やっと姿を見せて曲が始まったのだが、オケのみの提示部の間もメイエはしきりと楽器のコンディションを気にして、なんどもオケに合わせてそっと音を重ねている。ようやくソロが始まったが本調子が出ず、しばらくすると演奏をストップして、袖に帰って予備の楽器と取り換えるという珍しいアクシデントがあった。なぜか不調の楽器を手渡されたアルミンクが機転を利かせたジェスチャーで客席を和ませ、微笑ましい雰囲気のなかで冒頭から演奏を再開。もちろん今度は何事もなく、流麗なソロが奏でられた。メイエは同じ曲を以前に聴いた時も感じたけど、快速テンポでよどみなく音楽が流れるのが爽快。アンコールにスティーヴン・ソンドハイムの「リトル・ナイト・ミュージック」より「センド・イン・ザ・クラウンズ」。後半はドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。こちらはさすがN響という引き締まったサウンドで、緊密堅牢。アンコールにドヴォルザークのスラヴ舞曲第10番。

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