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July 26, 2024

パリ・オリンピック 男子サッカー ニッポンU23対パラグアイU23

ニッポン!●あんまり関心ないなー、オリンピックのサッカーは……とボヤキながらも、結果が大勝だっので、NHKプラスの見逃し配信で試合の様子を見てみた、男子サッカーのニッポンU23対パラグアイU23。オンデマンド配信があるからと思って、テレビ中継の録画はしていなかったのだが、配信で観戦できるのはありがたいことである……。
●が、画質がよろしくない。先日のWOWOWのEURO2024もそうだったけど、テレビのほうが画質がいい。これに比べると、DAZNの画質はやっぱりいいんだなと思う(ベルリン・フィルのDCHもよい)。どうしてそうなるのか。
●で、試合は5対0でニッポンU23が圧勝したのである。パラグアイU23は南米1位。実は前半にパラグアイに退場者が出たため大差が付いたのだが、退場者が出る前の試合展開だけを見てもニッポンが相手を上回っていたのはまちがいない。キーパーとディフェンスラインからのビルドアップが非常に巧みで、美しいボール回しに見惚れてしまうほど。とくに中距離のグラウンダーのパスにスピードがあって正確。キーパーの小久保玲央ブライアンの冷静さが頼もしい。中盤の底でチームの中心となっているのが藤田譲瑠チマ(元マリノス、現在はベルギーのシントトロイデン)。視野が広く、足元がうまい。一方のパラグアイはハードタックルが身上のようなのだが、序盤から冷や冷やするほど激しいプレイが多く、前半25分にワイルダー・ビエラが平河悠への危険なチャージで一発レッド。ボールを離した後の平河に対して、軸足の足首を踏んでおり、かなりひねったようだが大きなケガでないことを願う。平河はしばらくプレイを続行したが、やはり無理なようで交代に。とにかくパラグアイのプレイは荒かった。
●ニッポンの先制点はパラグアイに退場者が出る前で、斉藤光毅のスルーパスを大畑歩夢がマイナス方向に折り返して、これを受けた三戸舜介が正確なシュートを決めた。相手に退場者が出た後はむしろ試合が停滞して、後半の序盤にはパラグアイが攻勢に出る場面もあったが、相手の動きが落ちてくると後半18分からゴールショーに。三戸舜介、山本理仁、藤尾翔太、藤尾翔太と次々と得点して5対0。藤尾は途中交代で大活躍。どれも技術を感じさせるゴールだったが、三戸の2点目をアシストした斉藤の華麗な個人技が最大の見せ場。
●ゴールシーンのハイライト映像をここに貼りたいなと思ったが、オリンピックの動画はあれこれ制限があって、そう簡単に貼れないのだ。検索するとスパム動画や違法動画がやたらとひっかかり、今どきそれでいいのかIOCと思わなくもない。NHKプラスの試合動画はこちら(8/1 午前4:15まで)

July 25, 2024

ダン・エッティンガー指揮東京フィルのブルックナー

●24日は東京オペラシティでダン・エッティンガー指揮東フィル。プログラムはモーツァルトのピアノ協奏曲第20番(阪田知樹)、ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」。生誕200年でなくともブルックナーは毎年大人気だが、エッティンガーがブルックナーを振るのはやや意外。エッティンガーはかつての常任指揮者、現在の桂冠指揮者。定期演奏会には10年ぶりの登場だとか。
●モーツァルトの協奏曲からエッティンガーはオーケストラを丹念に彫琢して、明快な響きとしっかりとしたダイナミクスによるスケールの大きな表現。格調高い阪田知樹のソロとともに、一歩一歩踏みしめるように進むモーツァルト。短調作品ということもあるが、重量感あり。ソリスト・アンコールにマルチェッロのオーボエ協奏曲にもとづくバッハのアダージョBWV974。切々として情感豊か。
●前半がたっぷりめだったので、休憩が終わって後半のブルックナーに入る時点で20時を過ぎていた。エッティンガーのブルックナーは、近年聴いたこの作曲家の交響曲のなかではもっとも輝かしい演奏。新たにブルックナーに取り組む指揮者には多かれ少なかれブルックナー像を再構築しようとする傾向があると思うが、伝統に束縛されない作曲家像を築くという点でエッティンガーは成功を収めていたのでは。もともと東フィルは暗く重厚というよりは明るく華やかなサウンドに持ち味があると思うが、さらにエッティンガーは曖昧なところのないくっきりとした輪郭をもった響きを引き出す。表からも裏からも光を当てたかのような燦然たるブルックナー。宗教的な恍惚感でもドイツの深い森でもない、都市の祝祭とでもいうべき鮮烈なスペクタクルがくりひろげられた。
●曲が終わった後、客席に完全な沈黙。終演が遅めになったので、カーテンコールの途中で早々に帰る人が多かったのはしかたがない。
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●パリ・オリンピックの男子サッカーが始まった。本日の午前2時から初戦のニッポンU23vsパラグアイがあったのだが、試合を見ないまま結果を知ってしまった。男子サッカーにとって、オリンピックはU23のようなU23でもないような、世界大会のような世界大会ともいえないような不思議な大会だ。欧州からの参加国は開催国フランス以外にウクライナ、スペイン、イスラエルのみ。もともとヨーロッパは3枠しかないのだ。アジアとアフリカがそれぞれ3.5枠。南米は2枠だがブラジルはいない。日本がメダルを狙えるのはたしか。

July 24, 2024

ガルシア=マルケス「百年の孤独」再読 その4 年金を待つ人

●(承前)えっ、またその本の話? そう、またその本の話だ。ガルシア=マルケス「百年の孤独」(新潮文庫)だ。再読には初読とは違った味わい方がある。マコンドという蜃気楼のような町で生きるブエンディア一族のなかで、唯一、国家の行方を左右するような並外れた軍事的才能を発揮したのが、アウレリャノ・ブエンディア大佐。だが、大佐は老年期に入るとすべてに幻滅し、世捨て人のようになって、ただひたすら仕事場で魚の金細工を作り続ける。

大佐が戦争と関係のある問題に最後にかかわったのは、約束ばかりでいっこうに実現しない終身年金を承認させるため、両派の旧兵士らがそろって大佐の援助を求めてきたときである。「その件は、あきらめたらどうかな」と大佐は答えた。「みんなも知っているように、わしが年金を断ったのも、じりじりしながら死ぬまで待たされるのがいやだったからだ」

●この一節で思い出すのが、ガルシア=マルケスの初期の代表作である短篇「大佐に手紙は来ない」。以前、「ガルシア=マルケス中短篇傑作選」で紹介したが、これは年金開始の手紙を待っている、ある退役した大佐の物語なのだ。かつて名を馳せた闘士が世間から忘れ去られ、もう食べ物に困るほど困窮し、ただ毎週金曜日になると郵便局に足を運び、年金開始の手紙が届いていないかを確かめる。手紙など来るはずがないのに。かつてガルシア=マルケスは、「大佐に手紙は来ない」を読んでもらうために「百年の孤独」を書かなければならなかったと言ったとか。報われないとわかりながら「いつまでも待ち続ける」というのは、ガルシア=マルケスの小説にしばしば登場するテーマだ。
●「百年の孤独」、初読では読み終えて頭が真っ白になるような衝撃があったが、再読してみると前半はわりと覚えているのに、終盤になるとぜんぜん覚えていないことに気づく。特にフェルナンダと、その子供たちの代は印象が薄い。なぜなのか。
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●宣伝を。ONTOMOの連載「おとぎの国のクラシック」第12話「眠れる森の美女」が公開中。12回シリーズなので、これが最終回。ご笑覧ください。

July 23, 2024

Windows 11 の「ファイルシステムのエラーです -1073741792」

●ふだんは機嫌よくビュンビュンと動いていても、あるとき突然、思い通りにならなくなるのがパソコンだ。先日、Windows 11が(おそらくはWindows Updateを機に)、挙動がおかしくなった。現象としては、権利者権限が求められるツールやコマンドを受け付けてもらえなくなった。つまり、ふつうのアプリは動作する。だが、たとえばタスクマネージャーを起動しようとすると、

「ファイルシステムのエラーです -1073741792」

というエラーメッセージが表示される。システム関係のツールには軒並みこのエラーが出る。コマンドラインやパワーシェルは管理者権限なしなら起動するが、管理者権限ありだとやはり同様のエラーが出る。どうやら管理者権限が必要な機能はすべてエラーになるっぽい。これが事態を複雑にした。
●うーん、この状態でもひとまず仕事はできるから、このまま使い続けちゃおうかな~と一瞬思ったが、それで無事に済むはずがない。復元ポイントを使ってWindows Update前に戻そうと思っても、失敗してしまう。そこで、あれこれ検索して、システムファイルチェッカーを使うことに。システムファイルの整合性をチェックし、破損があった場合に修復してくれる。コマンドライン(cmd)から

sfc /scannow

を実行すればよい。しかし、そのコマンドラインを起動できないのだ。そこで、「設定 > システム > 回復 > PCの起動をカスタマイズする」を使って再起動する。回復環境からコマンドラインを起動すればよいと考えた。

windows 11 回復環境

ブルーの画面の回復環境が起動したら、そこから「トラブルシューティング > 詳細オプション > コマンドプロンプト」を選ぶと、コマンドラインが使えた。ここで sfc /scannow を使えばいいのだが、回復環境から起動すると起動ドライブ名はX:になるので、Windowsの存在するドライブ名を明示的に指定する必要がある。コマンドラインから dirコマンド等でWindowsのドライブ名を確認したところ、ウチの環境では D:だったので、こうする。

sfc /scannow /offbootdir=D:¥ /offwindir=D:¥windows

すると、

Windows リソース保護により、破損したファイルが見つかりましたが、それらの一部は修復できませんでした。

と言われてしまった。む、ダメであったか。実際、Windowsを起動すると直っていない。
●で、ここから思いっきり迷走して、よくわからないままに修復系のdismコマンドを試したり、chkdskを試したりするが直らない。回復ドライブからの復旧も失敗してしまう。Windows 11の再インストールまで考えたのだが、なにしろ管理者権限を必要とする機能が効かないので、OS上からはできないわけで、なかなか難儀なこと。もしかしてとUEFIのセキュリティ周りの設定を疑ったり、同じエラーメッセージが出て困っている人を海外サイトまで広げて検索したりしたのだが、解決への道筋が見えず、もう本当にクリーンインストールしかないのかもと困り果てたところで、ダメ元でもう一度、sfcコマンドを試してみた。とくに意味もなく、今回はWindowsをセーフモードで起動してみようと思い、回復環境から「トラブルシューティング > 詳細オプション > スタートアップ設定 > 再起動」から「セーフモードとコマンドプロンプトを有効にする」を選んで起動して、そこから

sfc /scannow

を実行した。このやり方ならドライブ名の指定は不要になるので、最初からこの方法でもよかったかも。しばらく待つと、

Windows リソース保護により、破損したファイルが見つかりましたが、それらは正常に修復されました。

と出た! お、さっきは修復できなかったのに、今回はできたのか。
●恐る恐る再起動すると、なんと、直っていた! タスクマネージャーを起動すると、最初だけUACが出て、ふつうに起動した。コマンドラインもデバイスマネージャーもディスクの管理も立ち上がる。どうやら本当に直ったようだ。sfcをセーフモードから実行したのがよかったのか、それとも2回やったことがよかったのか、あるいはdismをしてからでsfcをやったのがよかったのが、なにが効いたのか判然としないのだが、同じエラーで困っている人がいるかもしれないので、ここに顛末を記録しておく。以下、sfcおよびdismコマンドについて、参考にしたURLを貼り付けておこう。

https://support.hp.com/jp-ja/document/c03438733
https://jp.minitool.com/backup-tips/repair-windows-11-10-using-command-prompt.html
https://faq.tsukumo.co.jp/index.php?solution_id=1393

July 22, 2024

エリアス・グランディ指揮読響のブラームス他

●19日はサントリーホールでエリアス・グランディ指揮読響。ウェーバーの「魔弾の射手」序曲、ショパンのピアノ協奏曲第1番(マリー=アンジュ・グッチ)、ブラームスの交響曲第4番という本格名曲プログラム。エリアス・グランディは今年、札幌のPMFに客演しており、札響の次期首席指揮者でもある。今回、初めて聴くことに。ミュンヘン生まれで両親はドイツ人と日本人。実年齢より若く見える。全身を使ったダイナミックな指揮ぶり。ウェーバーもブラームスもドイツ音楽にふさわしい重量感。大まかな造形はオーソドックスで、ときおり強弱の表現に工夫がある。キレキレでも鮮烈でもないのだが、安心して身をゆだねることができるブラームス。
●マリー=アンジュ・グッチのショパンは弱音表現が特徴的。洗練された華麗さという方向性とは少し違って、常套的ではなく、一から吟味して作り上げた詩的表現といった印象。ソリスト・アンコールにラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲のおしまいの部分をピアノのみで。グッチはラ・フォル・ジュルネでも同じ曲をアンコールで弾いていたような。こうなると全曲を聴きたくなる。
●ブラームスの交響曲第4番の第1楽章が終わる直前に、ティンパニのほうからバチン!と妙な音が聞こえた。どうやらティンパニが破れたみたいで、楽章間に破れた1台を横に動かして、残りの3台を使用。
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●宣伝を。大阪の住友生命いずみホールの情報誌 Jupiter の拙連載「あなたは何番がお好き? 作曲家別交響曲ランキング」の第2回はブラームス。紙版に加えて、オンライン版でも公開されている。主要作曲家たちの交響曲について、レコーディングと演奏会の両面で人気ランキングを比較するという連載。ご笑覧ください。

July 19, 2024

ガルシア=マルケス「百年の孤独」再読 その3 くりかえされる名前

●(承前)しつこく、ガルシア=マルケスの「百年の孤独」(新潮文庫)について。ゆっくりと再読を進めていたが、さすがにもう読み終えた。よく言われることだが、この小説は同じような名前の登場人物がなんども出てきて混乱しやすい。一族で名前を引き継いでいくので、どうしてもそうなる。そこで役に立つのが「百年の孤独」読み解き支援キット(池澤夏樹監修)。ウェブページで見てもいいが、PDF版がダウンロードできるので、そちらのほうが高密度で便利かもしれない。家系図とともに、だれがどうしたという一族の歴史が順を追って記されている。これは最後まで読んでしまうと結末を知ってしまうので、読んだところまでを確認用に目を通すのが吉。自分は再読なのに、わざわざ先を読まないように気を付けた。
●マコンドの町を作り出したブエンディア一族の祖は、ホセ・アルカディオ・ブエンディア。その息子にはホセ・アルカディオとアウレリャノ(大佐)がいる。一族の男子はおおむねホセ・アルカディオかアウレリャノの名前を受け継いでいる。半分近くまで来たところで、一族の祖ホセ・アルカディオの妻ウルスラはこう考える。

長い一家の歴史で似たような名前が執拗にくりかえされてきたという事実から、彼女はこれだけは確実だと思われる結論を得ていたのだ。アウレリャノを名のる者は内向的だが頭がいい。一方、ホセ・アルカディオを名のる者は衝動的で度胸はいいが、悲劇の影がつきまとう。どちらとも言えないのは、ホセ・アルカディオ・セグンドとアウレリャノ・セグンドのふたりの場合に限られていた。

このふたりは双子の兄弟で、子どもの頃はそっくりで見分けがつかなかった。ときどき、お互いが入れ替わって周囲の人間をだましたりした。しかし時が経ち、成長するとそれぞれはまったく違った男になった。アウレリャノ・セグンドが祖父ホセ・アルカディオに似た巨漢になり、ホセ・アルカディオ・セグンドはアウレリャノ(大佐)にそっくりのやせすぎな男に成長した。この名前と風貌の交錯を見て、ウルスラは双子が子どもの頃に入れ替わっているうちに、どこかでまちがいを犯して、入れ替わったまま大人になったのではないかと疑う。
●双子の兄弟はまったく別の人生を歩んだ後、同じ日の同じ時刻に世を去る。遺体は瓜二つで、棺桶を埋める際にどちらがどちらかわからなくなってしまい、まちがった穴に埋められることになる。ウルスラが疑ったように、ふたりは子ども時代のどこかで入れ替わっていたにちがいない。
●それで思い出したのだが、ワタシの知人の双子の兄弟も、子どもの頃に入れ替わって大人をだまして遊んでいたと言っていた。これは双子にとって定番の遊びなのだろう。実際に、入れ替わったまま大人になってしまった双子がいるのかもしれない……。(つづく

July 18, 2024

マリノス、ハリー・キューウェル監督の契約を解除

9はキューウェルの9
●ヨーロッパがEURO2024で盛り上がっている間も、Jリーグは続いていた。マリノスは7月6日のアウェイ、ガンバ大阪戦で大敗して、16年ぶり(!)のリーグ戦4連敗を喫してしまった。さすがにこれはハリー・キューウェル監督の解任論が出てくるだろうとは思ったが、7月14日に鹿島相手に予想外の勝利を収めた。なんだか微妙なことになったわけだが、翌日、キューウェル監督の契約解除が発表された。暫定的にジョン・ハッチンソン ヘッドコーチがチームの指揮を執ることに。
●選手としてはスーパースターだが、監督としてはこれといった実績のなかったハリー・キューウェル。これまでのポステコグルー、ケヴィン・マスカット路線を引き継ぐといっても、オーストラリア人という共通項はあったものの、シーズン途中からどんどんスタイルがぶれてしまい、最近ではポステコグルーが築いた超攻撃的スタイルは影をひそめてしまっていた。むしろ耐えるサッカー。ワンボランチへの変更も謎。いや、スタイルが変わるのは悪くないんすよ。異なるプラン、異なるビジョンを掲げてチャレンジするのであれば。ポステコグルーだって、最初のシーズンはずいぶん負けた。でもキューウェルからは新しいビジョンが感じられなかった。尋常ではない過密日程だったので、監督がだれであれ苦戦必至のシーズンだったけど、キューウェルは今のマリノスにフィットする監督ではなかったんだと思う。
●で、ジョン・ハッチンソンは暫定監督だろうから、きっと今マリノスは次期監督を探しているはず。それは名波浩ではないかという説を見かけた(えー)。なぜなら、9ウェルから8ンソンと来たから、次はナナミ。いやー、名波浩はまったくマリノス向きじゃないと思うがなー。で、名波がすぐに去ることになるとしたら、次の次はだれか。はっ、元マリノスの六反勇治では? いやいや、六反勇治はまだ現役選手なのであった(FC琉球のゴールキーパー)。そうだ、呂比須ワグナーがいた! 9ウェル、8ンソン、7ミ、6比須。でも呂比須って新潟の監督時代の印象がよろしくない。うーん、だれなんだ、名波の次は。ていうか、次は名波じゃないし。

July 17, 2024

EURO2024 決勝 スペイン対イングランド

スペイン●ベルリンで開催されたEURO2024の決勝はスペイン対イングランド。ここまで全勝、圧倒的な完成度を見せてきたルイス・デラフエンテ監督のスペインと、3勝3分ながら勝負強さで勝ち上がってきたギャレス・サウスゲート監督のイングランド。好チーム同士の対戦と感じるのは、どちらも自分たちでボールを保持し、主導権を握ることを好むタイプのチームだからなのだろう。その点では前回大会のイタリア対イングランドも同様だった。
●試合が始まってみると、ボールを保持したのは圧倒的にスペイン。これは予想通りで、技術の高さではスペインの優位は疑いようがない。前半はお互いにミスの少ないタイトな展開で、ほぼ決定機なし。後半になると攻め合いに。後半2分、スペインは右サイドのラミン・ヤマル(17歳になった)から左サイドのニコ・ウィリアムズ(22歳になった)にボールが渡って先制。若者ホットラインでゴールを決めた。この後、スペインがティキタカでボールを回して逃げ切るかと思いきや、後半28分、イングランドはパーマーがここしかないという場所にミドルを蹴り込んで同点。後半41分、スペインは左サイドバックのククレジャがワンタッチで入れたグラウンダーのクロスに途中出場のオヤルサバルが右足で合わせて2点目。一瞬、オフサイドかと思ったが、VARでもオンサイド。あとはスペインが静かに試合を終わらせて、スペイン 2対1 イングランド。笛が鳴って喜びを爆発させるスペイン。対するイングランドは2大会連続の準優勝となり、エースのハリー・ケインの無冠が続くことに。なにしろバイエルン・ミュンヘンに移籍しても無冠だったのだから、「ケインの呪い」と呼ぶ人が出てくるのも不思議ではない。
●今大会は番狂わせが少なかった。最後もクオリティの高いチームが勝った。スペインは一時期、洗練されたパス回しであるティキタカを突きつめた結果、ゴールが遠い守備的なボール保持に陥ってしまったが、今のスペインはティキタカに両翼のニコ・ウィリアムズとラミン・ヤマルの突破力が融合して、見ていておもしろいチームになった。大会MVPは決勝戦で負傷のため前半で退いたロドリ。
●前回は優勝のセレモニーで、イタリアのボヌッチが「もっとパスタを食え!」と叫んでスタンド煽る場面があった。今大会、それに相当するほのぼのエピソードは、ヤマルが大会中にオンライン授業を受け、学校の宿題を済ませたということか。

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飯尾洋一(Yoichi Iio)

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