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バックナンバー 6 ●1999-1



  小澤征爾、ボストン響を去りウィーン国立歌劇場へ!!!……さらに、ベルリン・フィルではアバドの後任にサイモン・ラトルが!
 6月23日はワールドワイドにクラシック音楽ファンは驚天動地の日!! なんと、小澤征爾が2002年のシーズンをもってボストン響音楽監督を辞任、そしてウィーン国立歌劇場に行くというではないかっ!!! さすがにこのビッグ・ニュース、爆速で巷に伝わり、国内メディアでも昨日中に伝わったので、ここを読んでらっしゃる方も24日となった時点ではご存知の方が多いはず。ニューヨーク・タイムズの記事(←無料だが要登録)で確認するまではデマかと思ったほど意外な人選。夜のNHKニュースでも報道されていた。ウィーン国立歌劇場に小澤とは……。
 NYタイムズの記事ではコロンビア・アーティストのロナルド・ウィルフォードに電話取材してたが、特に中身のあるコメントはなし。まったくこの決定に至るまでどんな背景があったことやら。それにこのニュースを見てまっさきに思ったのは、その小澤征爾のウィーン国立歌劇場でのポストってのはどういう権限を持ったポストなのかってこと。NYタイムズの記事ではどうもはっきりとしない。夜のNHKニュースでははっきりと「音楽監督」と言っていたが……? このあたりは続報待ちか(#その後の報道で、GMD、音楽監督と判明)
 しかし、それにしてもウィーンの「歌劇場」に小澤とは。今後は要注目、って言わなくてもみんな注目するに決まってるか(笑)。

 と、びっくりしたわけだが、その驚きに浸る間もなく次のビッグ・ニュースが飛び込んできた。先に挙げたNYタイムズの記事では「ベルリン・フィルではクラウディオ・アバドの後任に、ダニエル・バレンボイムまたはサイモン・ラトルが投票によって選ばれる」といった内容のことが書かれているのだが、同日、こちらの結果も明らかになった。楽団員の投票によって選ばれたのは、ラトルである(ソースはBBC News。こちらも2002年から)。伝統的巨匠志向のバレンボイムと、若く、音楽的にも斬新で柔軟なラトル。投票のプロセスまでは明らかにされていないが、こちらは時代の必然とでもいうべきか。

 とまあ、どちらもクラシック音楽ファンには大きなニュースなわけなんだが、ワタシ的には(別種の話になるけど)ネットでの情報の伝達速度ってのに感慨深かったり。フツーの人たちが同じ日に国内の新聞よりもTVのニュースよりも速く知っちゃうわけだからなあ。しかも情報ソースがネット上にある場合、それを明確にリンクでポイントできるところがいいっすね。信頼度の評価って点で。(06/24/99)



  CD-ROM版「マリア・カラス@ジュリアード」
 1971年から72年にかけて、大歌手マリア・カラスがジュリアード音楽院でマスタークラスを行ったことは、J・アードインの著作もあり(「マリア・カラス オペラの歌い方」音楽之友社刊)よく知られているが、なんとそのCD-ROM版が登場した。40時間にわたるマスタークラスの模様を1枚のCD-ROMに収めているのだから驚き。国内にもいくらか入荷しているようだが、オンラインでは発売元のLegato Classicsのサイトに情報が掲載されている。購入もできるようだが、国外への送料は記されていないので、まずは問い合わせか。(05/27/99)


  ネットで読響を聴けるぞ
 エーリッヒ・ビンダー指揮読売交響楽団の浜離宮朝日ホールでのライヴの模様を、YOMIURI NEWS Stream特集に発見。J・シュトラウス、クライスラーの小品4曲。RealPlayerがあればオッケー、コマかくかくだが絵まで付いてるのだ。絵のほうはきつめだが、十分楽しめる。お試しあれ。(05/27/99)


  カザルスホールはどこへ行く?
 すでに新聞等のメディアで伝えられているように、カザルスホールが存続の危機に瀕している(4/11現在、公式サイトではこの件についての記述はない)。東京においてクラシック音楽専用の中規模ホールとして、87年より多くの室内楽・リサイタルの名演を聴かせてきた同ホールだが、親会社の主婦の友社のリストラにより、2000年3月までで自主公演中止の方針が打ち出されているという。主催公演を企画してきた「アウフタクト」、ホール支援を目的に設立された「カザルスホール倶楽部」も来年3月で解散となる。
 では、自主公演を止めた後のカザルスホールはどうなるのか。企業の文化事業と採算性という点で、東京在住でなくともクラシック音楽ファンにはその行方が気になるところであるが、この問題を同ホール独自の文化に共感するファンの立場から、「カザルスホール2000年問題」として取り上げ、情報収集・提供しているサイトがあるので、リンクを張っておきたい。新聞での報道以後も、事態は動いている。(04/12/99)

カザルスホール2000年問題を考える(Katchinさん運営)


  さらにMIDI系クラシック。「MOZ@RT 1999」
 以前、この欄で「DTMスーパー・クラシックス」をご紹介したが、同じくMIDI演奏によるクラシック音楽作品を収録したCDをもう一枚。タイトルは「MOZ@RT 1999」、演奏するのはXGフィルハーモニー管弦楽団なる柳澤哲哉(YANA)さんによるMIDIオーケストラ(Eyes EYS105)。音源にはヤマハのMU100を用いている。収録曲は、モーツァルトの交響曲第38番「プラハ」、序曲「フィガロの結婚」。MIDIにとっては音色、音楽の表情といった点で、古典派の音楽は「難曲」と言えるだろう。が、このディスク、聴かせてもらった印象からすると、音楽の生き生きとした表情の自然さではこれまで聞いた中では最強レベル、音色的にも優れている。この分野の先端を聴きたいという方はぜひ。なお、オーディオ・トラックとは別にパソコン用にMIDIデータも収められている。(04/12/99)


  チェチーリア・バルトリのAOL Live-Chat、その後
 先日What's New!欄でもご案内したように、3月10日にチェチーリア・バルトリがAOL Live-Chat に登場したのだが、そのChatの模様がDECCAのサイトに掲載されている。同レーベルからリリースされている、ヴィチェンツァでのライヴ「バルトリ・ライヴ・イン・イタリー」や「お手をどうぞ〜バルトリ&ターフェル・デュエット」などで充実した歌唱を聴かせ、いまやメゾ・ソプラノのスターとなったバルトリは、その3月10日当日にチューリッヒ・オペラの「ドン・ジョヴァンニ」でドンナ・エルヴィーラを歌い、その後でこのChatに出演してくれた。
 Chatのログを見たところ、内容自体はあたりさわりのない質問と回答に終始してしまった感もあるが、まずはクラシック系スター歌手がライヴでChatに参加してくれたところに意義あり。その時、その場にいるというリアリティは、Chatならではのものだっただろう。
 ネット上で求められるのは、ユーザ側にとってはおもしろみや新鮮さ(あるいはもちろん便利さ)があって、なおかつレコード会社やマネージメント側にとってはプロモーション効果があるという、両者がともに満足できる接点、ってことっすね。(04/12/99)


 
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