February 21, 2002

「オープン・ユア・アイズ」

●映画「オープン・ユア・アイズ」を観た。邦題がなぜか英語だが、アレハンドロ・アメナーバル監督、エドゥアルド・ノリエガ主演のスペイン産のトンデモ系サイコ・スリラーである(原題がスペイン語なのにわざわざ英語の邦題がつけられてしまうとは……)。98年の映画だがなぜいま(ほんの)ちょっと話題になっているかというと、トム・クルーズがこの映画を「バニラ・スカイ」としてリメイクしたから。「オープン・ユア・アイズ」を見てトム・クルーズは惚れこんだというのだが、いったいどこの部分を気に入ったのかはかなり謎。
●物語のテーマは一見、「現実と夢、その境はどこにあるのか/なにが現実でなにが虚構なのか」というもので、こう書くとまるでP.K.ディックの小説のように思われるかもしれないが、ぜーんぜん違う。金持ちのハンサムな男(エドゥアルド・ノリエガ)が、事故で醜い顔となってしまう。強迫観念が男を狂わせ、悪夢を見る。しかし、その悪夢は実は現実だった……と思ったらそれも夢だった……と思ったらやっぱり現実だった……って、もうどっちでも好きにしてくれ、みたいな話。
●のけぞってしまうのは、(表面的には)一応のオチとなっている部分のトンデモさかげん(ネタバレなので書けないけど)。このトンデモさを、絶対にこの監督は本気で気に入っていたはずだ。大風呂敷をどんどん広げていって、収拾がつかなくなったあげくにワケのわからないオチをとってつけてしまうという、この感覚。ある、ある、そういうの。このお尻がムズムズするような落ち着かなさこそが、本作最大の魅力(?)とみた。(02/21)

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