April 8, 2004

失意のチャンピオンズ・リーグ

AS Monaco●「人生とは失望の連続体である」。でもそんなの耐え難いなあ、だからサッカーだ、チャンピオンズ・リーグを観ようと期待して、こうしてASモナコのエンブレムまで用意してワクワクしてたら(つまりレアル・マドリッドがモナコを打ち破るのを楽しみにしていたら)、フジテレビは予定されていたモナコvsレアル・マドリッドの代わりに、アーセナルvsチェルシーを中継しやがる。一瞬、まあ、いいかなと思ったよ。これも名勝負だろうよ。
●だけど待てよ、それはレアル・マドリッドのベッカム様が本日出場停止で出れないだけという冒涜的な理由じゃないのか>フジテレビ。もしレアル・マドリッドが0-0の凡戦で勝ち抜けたというのなら話はわかるが、そう、今ワタシは悲痛な思いで知ってしまった。レアル・マドリッドは負けたのだ。熱狂的なサポーターが256人くらいしかいないモナコのアウェイ戦で、なぜか1-3で負けた。アーセナルvsチェルシーに文句はない。この事件を中継しなかったフジテレビのバカ編成を罵倒する気もない(確かにチェルシーも事件だから)。ただただ、レアル・マドリッドのチャンピオンズ・リーグがもう終わってしまったことに失望した。やっぱりこれも「失望の連続体」の一部じゃないか。そもそも、いつの間にこんなにワタシはレアル・マドリッドに魅了されてしまったのか。
●マドリッドでの第1戦、当ページ「レアル・マドリッドvsモナコ(チャンピオンズ・リーグ)」にて書いたように、モナコはレアル・マドリッドを追放されたモリエンテスの復讐劇によって、可能性を残した。でもさ、本気じゃなかったよ。あの日、マドリッドのサポーターもかつての英雄モリエンテスのゴールに対して、立ち上がって拍手していた。あいつらもモナコに可能性なんかないって思ってたから拍手したんだって。それが、終わってみればアウェイ・ゴール優先ルールのために、あのオマケのモリエンテスの一発で、レアル・マドリッドは敗退してしまったわけだ。どんな顔をして冷笑すればいいのか。あのとき拍手してたマドリッドの人々は、今日は藁人形にモリエンテスって名づけて五寸釘を打ち付けていると思うね、絶対。
●ホントにヤになっちゃうよね。サッカーの基本は「失望」だ。でもJEFのオシム監督が言ってたっけ。「サッカーは人生、人生からは逃げられない」って。アスリートたちが集って描き出す「アーセナルvsチェルシー」という流線型の未来図がちっとも魅力的ではないだけに、太っちょで走らないロナウドの神業ゴールが、無意味だが観客の悦びのためにマルセイユ・ルーレットを見せてくれるジダンの超絶技巧が、ひたすら恋しい。

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