ドミノ・ピザ
July 20, 2009

あの土地に住めるか

●長距離列車に乗って移動していると、「人はどこにでも住んでいる」ことに気づく。駅と駅を結んで線路が走っているわけだから、人が住んでいるから電車が走っているというべきかもしれないが、田んぼや畑の間にも、あるいは山と山の間にも、川と野原の間にも、住居があり集落がある。車窓の風景を眺めていると「あの家で自分は暮らせるだろうか」ということをよく考える。都市ならどこで暮らすこともできて当然として、たとえばあの田んぼの中の一軒家でも暮らせるのか、と。
●農業は自分にはできないだろう。クルマを運転しないから足がなくて生活ができないかもしれない。あ、あそこにショッピングセンターが一軒あった。あの店から徒歩20分圏内ならクルマなしでも住めるかもしれない。
●生のコンサートやオペラはあきらめるしかない、だが意外と音楽生活は充実するかもしれない。国内なら島でもなければどこにいても今と同じように通販でCDを購入できるし、ネットのおかげで情報格差もないし、ADSLがあればネットラジオも聴ける、ベルリン・フィル・デジタルコンサートホールにもアクセスできる、オーディオに凝るようになればある意味生演奏では聴けない豊かな再生音を楽しめるようになるかも。
●空想上のワタシは指名手配中の政治犯になる。公安から逃れるためにニセの身分証明書を携え、絶対に見つからない隠れ家を探しているのだ。自分とこれまでになんの地縁もない土地を選ばなければ。徒歩圏内にショッピングセンターがあってADSLが通ってて、賃貸住宅があるところ。たとえば、あのポツンと建っている一軒家が貸家だったりしないだろうか……いや、あの場所は大雨のときに土砂崩れに遭うかもしれない。あのステキなマンションはどうだろうか。しかし少し都会すぎるか、いやいや田舎によそ者が突然あらわれるほうがよっぽど怪しい、60歳過ぎなら「退職して移住しました」で済むが、いまならなんと自分の職業を説明すればいいのか、きっと本当になにか仕事を始めるしかないだろう、たとえばカフェを開店するとか、日本に真の革命を起こすまでのガマンだ、マスターになって自家焙煎のコーヒーを焼き、お客様に「いらっしゃいませ」と声を掛ける。常連さんができて、地元のタウン誌に「コーヒーのうまい店」みたいにとりあげられたりして、ちょっぴりそれが嬉しかったりする、いやいやダメだダメだそれでは公安に見つかるではないか。
●組織から「なるべく外出するな」という指令が下る。こうなるとスーパーにも足を運べなくなるので、米も醤油もamazonで買う。でも野菜はどうする、Oisixとかでいいのか。割高だが地下に潜伏している以上はしょうがない。「お取り寄せ」商品だらけで、意外と贅沢な食生活になるかもしれない、太り過ぎないように運動を始めなければ……。
●と果てしなく妄想しているうちに目的地に到着する。

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