January 10, 2011

ニッポンvsヨルダン@アジア・カップ2011カタール

ヨルダン●ああ……、この既視感。あまりに見慣れたアジア・カップの光景。そしてザッケローニ監督初めての公式戦。これはまるでジーコ・ジャパンの再来。ニッポンvsヨルダン
●注目の先発。相手が引いてくることを見越して(その通りだったが)非常に攻撃的な布陣になった。4-2-3-1。GK:川島-DF:内田、吉田麻也(デビュー)、今野、長友-MF:遠藤、長谷部-松井(→岡崎)、本田(→藤本)、香川-FW:前田(→李)。中盤は中に本田で左右に香川と松井、底に遠藤と長谷部とずらりと巧い選手を並べた。しかもサイドバックは両方攻撃に持ち味あり。そうそう、これで巧くいくと思ったんだよな……昔は。
●ダメなんである。チームにならない。新チームなんだから選手間の連動性が不足するのはある程度当然としても、ハードワークする選手が少なすぎる。なんかジーコ・ジャパンの黄金の中盤を思い出したなあ、ナカタ、中村俊輔、小野、稲本だったっけ?(うろ覚えスマソ)。あれはぜんぜん機能しなかったわけだ。その後、オシムがやってきてわれわれは学んだ。「水を運ぶ役の選手が必要なのです」。香川とか、うまいんよ、さすがボルシア・ドルトムントのスター選手。やりたいようにプレイしてる。でも周りでだれかが献身しないと、セルフィッシュなプレイになってしまう。ああ、オシム以前に戻ってしまったのか。もう一回オシム語録引っ張り出すぞ。「ライオンに襲われた野ウサギが逃げるときにコンタクトレンズがズレるでしょうか?」→内田。
●ヨルダンは前を向いてプレイしていた。ベタ引きでも球際の激しさでニッポンを上回っていたし、カウンターは効果的に発動した。前半45分にハサンがゴール。ゴール前で遠藤がスライディングする神風ディフェンスをしたところを軽く交わされ、打ったシュートは吉田の足に当たってニッポンのゴールへ。吉田は序盤に代表デビューで初ゴールか思わせるシュートがあったがオフサイドで取り消された。その後にオウンゴールが待っていようとは。ついてない。でもニッポンの守備はまずかった。
●ザックは思い切って早めに選手交代した。目立ったプレイのなかった前田を前半であきらめて李忠成。この布陣で李を中央に入れてくるのか……。後半13分に松井を下げて岡崎を入れると、交代が機能しはじめた。岡崎によってチームはダイナミズムを回復。フェイントで相手を交わしてクロスを入れたりするんすよ、岡崎が。ただ、それでも決定機の数はそれほど多くもなく、一方ヨルダンは何度かカウンターでニッポン・ゴールを脅かした(これもニッポンの守備のミスが多かったと思う)。万事休すと思われた後半47分ロスタイム、ショートコーナーから長谷部のクロスに吉田が頭で決めて1-1。最後はヨルダンの足が止まった。これならもう一点取れるのではと思ったが、残り2分、攻め切るまでは至らず引き分け。うーん、アジア・カップで最後の最後に追いつくところもジーコ・ジャパン風味?
●今日は吉田デイ。オフサイドで取り消された一点。自陣への一点。相手ゴールへの一点。一人で全部のゴールを決めた(笑)。いや、それでなくても最大の収穫が吉田。まだ若いと思うんだけど、非常に落ち着いたディフェンスで頼もしい。フィードもいいようで、この前線への供給力は魅力。いつもこれくらいできるなら(今日はいなかったが)槇野といっしょに代表レギュラー定着可。中澤&トゥーリオ時代は終わったか。
●このヨルダンの戦いぶりはシリアにもサウジアラビアにも参考になったはず。次、ザッケローニは布陣をいじってくるのかどうか。

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