June 24, 2011

クウェートU22vsニッポンU22@ロンドン五輪アジア2次予選

クウェート●よくわからないうちに始まってる五輪予選、2次予選はホーム&アウェイの勝ち抜き戦でクウェートと対戦している。前の試合、このページではレポートしてないんだけど(途中からしか見れなかった)、ニッポンは3-1で勝利している。だから、アウェイゴール優先ルールを考えると、今回の敵地では一点差負けまではOK、しかし0-2だとクウェートの勝ち抜けになってしまう。
●この世代って「ツメが甘い」感は否めないっすよね。前の日本での試合だって、途中3-0になってたわけだ。この時点で「これはもう決まり」という雰囲気になってほしいところ。ところが、クウェートが1点を返してしまった。このアウェイ・ゴールの重み。3点差だったものが急に1.5点差になったような感じだ。だって、次は0-2だとクウェートが勝つんだから。いちばん大きなミスはこの余計な1失点だが、さらに4点目のチャンスをいくつもムダにしたのも痛かった。
●で、敵地での第2戦。夜の試合なのに気温39度。絶句。しかもピッチ・コンディションが酷い。ボールをどんどん回して疲れないサッカーをしたいところなのに、まるでボールが滑ってくれず、自陣深くでのグラウンダーのショートパスが危険な状態に。そのあたりは十分意識されてて、浮き球を多く使うことになった。これで主審がデタラメなら「いつものアジアのハンディマッチ」になるところだったが、この日のウズベキスタン主審は技術も高くてフェアーだったのが大きな救い。開始早々にクウェートの10番ジャゼアが仕掛けてきた「ペナルティ・エリア内転び技」を見事に見抜いてシミュレーションの判定。これが相手PKになるのがアジアのスタンダードなのだが、助かった。
●クウェートは17番のナセルが怖い。中東はどこにでもこういうスピード、強さ、技術に優れた攻撃の選手が最低一人はいる。
●前半21分、後方からの浮き球のパスに酒井宏樹が抜け出て、キーパーの鼻先でちょこんと浮かして、見事なループが決まった。1-0。もしクウェートが先制していれば、彼らは2-0でよかったのだが、ニッポンが先制した、つまりアウェイ・ゴールを奪取したことで、これで急にニッポンは楽になった。すでに1ゴール取ったのだから、仮に3失点して1-3になってもようやく同点、クウェートはリードのためにあと4点が必要。今度こそ「これはもう決まり」と思う。事実、前半はクウェートのシュートが1本のみ、それも可能性のない1本で実質ゼロだった。
●ところが後半になってゲームの雰囲気が一変する。後半5分、ゴール前のクロスから、ボールを落とされ、7番のアリがきれいなボレーを決めて同点。ニッポンの運動量、体のキレがなくなり、クウェートの選手を捕まえきれない。しばらくは耐えていたが、後半14分に鈴木がナセルをエリア内で倒してPK。ギリギリの攻防で、というのではなく、体が付いていけないから倒してしまったというPK。これを決められて1-2。合計スコアは4-3。次にクウェートが1点取れば、この悪条件で延長を戦うことになる。
●ニッポンは永井が先発に復帰していたが、Jリーグでの爆発的なスピードも気温39度では威力半減といったところ。後半は相手にすっかり主導権を奪われてしまった。ロスタイムもピンチの連続だったが、それでも耐え切れたのは、クウェートの選手の足が攣りだしたから。灼熱の中東での試合では何度も見た光景で、途中までニッポンが気候に苦しんでいても、最後は相手のほうが先に足が攣るんである。中東の国からすると、たぶん普段はこんなサッカーはやってないはずで、暑さを無視するかのごとく前線からプレスをかけてくるニッポンみたいなチームには「ふざけんな」と言いたいのでは。合計4-3でニッポンがかろうじて逃げ切り、最終予選への進出を果たした。
●しかしこのゲームでも圧倒的に有利になる先取点を獲得しておきながらこれだからなあ。順境に脆いチームだが、もしかするとその分、逆境に強かったりするんだろうか。3グループで1位勝ち抜けの最終予選では、おそらくオーストラリアと韓国、日本がそれぞれシードされるとすると(本来日本に代わってシード対象となるはずの中国は今日の2次予選で敗退した)、イラクあるいはサウジアラビアと同組になるグループが厳しい。第一シード以外の国はウズベキスタンとマレーシアを除くと、あとはすべて中東。したがって日本にとってイヤなパターンは日本1+中東3の組み分けになることで、その場合、日本だけがアウェイで大きな負担を強いられることになる。マレーシアと同組になれるかどうかが鍵か……。今回の2次予選だって、日本としては先にアウェイ、後にホームのほうが確実に有利だったはずだが、逆の日程になってしまったわけで、中東相手にはなかなか思うようには行かない。

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