July 19, 2011

なでしこ、読響温泉、N響「夏」

●三連休最大の話題はたぶん「なでしこジャパン」。W杯決勝でアメリカをPK戦で下して優勝。準決勝に勝った段階で、報道で「メダル確定!」と言っていたので、女子W杯はカップではなくてメダルなのかなと思っていたら、ちゃんとカップが贈られた。男子のカップをよりエレガントでモダンな感じにしたようなデザイン。
●なでしこはまったく見ていなかったので、せめて決勝くらいはと午前中の再放送で見ようと思ったら、テレビのスイッチを入れるのが10秒ほど早すぎたらしく、いきなり「BSニュース」のテロップでまさかの結果バレ。すっかりテンションが下がってしまった。あの試合を生で見ていたらずいぶん興奮したはず。
●月曜の「海の日」は下野竜也指揮読響へ(オペラシティ)。前半がヒンデミットの「下手くそな宮廷楽団が朝7時に湯治場で初見をした『さまよえるオランダ人』序曲」(下野竜也編・弦楽合奏版、世界初演)、ヒンデミット「管弦楽のための協奏曲」(日本初演とはびっくり)、後半にブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」。今日も同じ公演がサントリーであるので詳細は控えるが、会場に入ったらいきなり「読響温泉」で、演出付き「湯治場オランダ人」だった。笑う。いちばんおもしろかったのは「管弦楽のための協奏曲」。すごくいい曲。同名の作品ではバルトークが抜群に有名かつ傑作だと思うが、他にも数多くの作曲家が「管弦楽のための協奏曲」を書いている。コダーイ、ルトスワフスキ、ロジャー・セッションズ、スクロヴァチェフスキ等。読響の巧緻さもあってか、ヒンデミットはバルトークに次いで楽しめる作品と感じた……というか、似てないか? 特に第2楽章あるいは第1楽章を聴いて、バルトークの同名作を思い起こさないほうが難しい……いや、これはヒンデミットのほうが元祖なのでこの言い方はヘンか。後半の「ロマンティック」は強烈な音圧のマッチョなブルックナー。盛んにブラボーが飛んだ。
●15日(金)はNHKホールでN響「夏」2011。夏の名曲コンサート的な位置づけの演奏会だが、なんと指揮台にスザンナ・マルッキが立った。アンサンブル・アンテルコンタンポラン音楽監督を務めるフィンランドの女性指揮者。現代音楽の人という印象があるが、以前ネットラジオで聴いたどこかのオケ(失念)とのベートーヴェンの4番は、先鋭かつアグレッシブで驚いた記憶あり。この日はベートーヴェンの第5番。思ったよりオーソドックスなベートーヴェンだったが、明快でダイナミックな好演。棒を持たず、全身を使った指揮。一見華奢だけど、男前。アンコールにシベリウスの「悲しきワルツ」。前半、ラロのスペイン交響曲はベルリン・フィルのコンサートマスター、樫本大進がソロ。ソリストへのブラボーがすごかった。

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