July 2, 2013

ブラジルvsスペイン@コンフェデレーションズ・カップ ブラジル2013

ブラジル●ドタバタしているうちにもう終わってしまったコンフェデ杯。決勝戦はブラジル 3-0 スペイン。ブラジルがスペインを一蹴した。スペイン代表がコテンパ(死語)にやられたのを見たのはいつ以来なんだろか。2008年ユーロ優勝、2010年W杯優勝、2012年ユーロ優勝。主要国際大会3連覇を果たしたスペイン代表だが、盛者必衰、彼らのウイイレ名人みたいなショート・パスサッカーもついに限界なのか……。
●とは思わなかった、ぜんぜん。ていうか決勝戦はコンディションの差が大きすぎ。中三日でホームで戦うブラジルに対し、スペインは移動ありで中二日、しかも前の試合は延長PK戦。開始早々わずか2分にゴール前の混戦からフレッジに押し込まれて失点し、あっという間に勝負が決まった感じ。ニッポンがイタリア相手にゲームを支配した試合もこちらの中三日に対して相手は中二日だった。コンフェデはそういう大会。
●しかもどうやらブラジルの気候は各地でずいぶん違うみたいで、次回のワールドカップは消耗戦になりそうな気配。日程・移動すべてが有利なA組1位の優位は大きい(通常は開催国がシードされる)。その次に有利なのが(前回同様の日程なら)B組1位か。「ブラジル優勝」以外はあり得ないという空気の大会になることはまちがいないわけで、それはそれでスコラーリや選手たちが気の毒でもある。「クリアして当たり前」のハードルが、やたら高い。
●しかしブラジルvsスペインというみんな見たかったカードが実現したのは吉。実のところ、コンフェデ杯は近年のワールドカップやユーロよりおもしろかったんでは。ゴールもたくさん入ったし。スペインの主要三大会連続優勝も、最初は「芸術的サッカーの勝利」としてみんな歓迎していたと思うんだけど(フィジカルの強さとハードワークばかりのサッカーなんて!)、最近は「守備のためのパス回し」というか、リスクをとらずにボールを保持するためにパス技術が駆使されていて、楽しいサッカーからは少しずつ遠ざかってきていた感あり。で、やっぱり、ブラジルって楽しいよね。そう溜飲を下げたのが今回の大会。
●しかしブラジルのような国で大規模なW杯反対デモが起きるというのはなかなか衝撃的。報道によればデモの主体は中産階級で、「立派なスタジアムの建設より福祉や教育を」という主張。日本のサッカー・ファンが何十年も前から繰り返し聞かされてきた「ブラジル人はサッカー命。セレソンが強ければみんなハッピー。だからブラジルは強い」という物語の賞味期限は切れている。

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