April 20, 2016

レスターの奇跡まで、あと4節

●いよいよプレミアリーグで岡崎慎司所属のレスター・シティが優勝する可能性が高まってきた。どう見ても降格争いをすると思われていた小さなクラブが、マンチェスター・ユナイテッドやマンチェスター・シティ、アーセナル、チェルシーといったビッグクラブがひしめくイングランドで優勝する。これはおとぎ話だろう。開幕前、ブックメーカーのオッズではレスターの優勝は5000倍だったとか。もしそこに1万円でも賭けていたら……いやいや、あなた、千円だって絶対賭けなかったでしょうが、レスターに。ありえないもの。
●落ち着いて順位表を眺めてみよう。残すところあと4試合。レスターはスウォンジー(ホーム)、マンチェスター・ユナイテッド(アウェイ)、エヴァートン(ホーム)、チェルシー(アウェイ)と戦う。マンUとチェルシーの両アウェイ戦を残しているという点で、実はなかなか厳しい。前節、ウェストハム・ユナイテッドと引き分けた際に絶対的エースのヴァーディがレッドカードをもらってしまったのもかなり痛い。
●レスターを勝点5の差で追うのはトッテナム・ホットスパー。これも予想外の大健闘で、レスターがこんなことになっていなければ、トッテナムの大躍進が話題になっていたはず。トッテナムには韓国のソン・フンミンもいる。トッテナムの対戦相手は、WBA(ホーム)、チェルシー(アウェイ)、サウザンプトン(ホーム)、ニューカッスル(ホーム)。うーん、こっちもアウェイのチェルシー戦があるとは。いや、チェルシーにしてみれば目標を失った終盤で、優勝争いをする2チームと対戦しなければいけないわけで、しんどいのはチェルシーのほうかも。勝点5差は小さくないものの、いくらかトッテナムのほうが対戦相手に恵まれているだろうか。レスターが連敗してトッテナムが連勝すれば、わずか2節で逆転してしまうのだから、これだけレスター旋風が吹き荒れた結果、最後の最後でトッテナムが笑っているという展開だってぜんぜんありうる。
●実際、トッテナムは優勝にふさわしい。得失点差は+39で、これは続くシティの+28をぶっちぎりで引き離してリーグ1位。普通だったら文句なしで優勝だろう。レスターは+26。ほとんどの試合でボール支配率で相手を下回るが、疲れ知らずのプレスをかけ続け、高速カウンターアタックで相手を仕留めるパターンが多いという印象だ。内容的にはまるで魅力的ではないのだが、それでもレスターに優勝してほしいと思えるのは、予算の小さなクラブが奇跡を起こすところを見たいということと、岡崎慎司がなんとかポジションを獲って奮闘しているからということに尽きる。

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