July 2, 2016

EURO 2016 準々決勝 ポーランド対ポルトガル。運命の「ポ」対決

ポルトガル●さて、二日間の休息を経て準々決勝に突入したEURO 2016。ここからは一日一試合ペース。まず第一戦はポーランド対ポルトガルの「ポ」対決。前に書いたように、この勝者が日程的に有利なので優勝候補とにらんでいたのだが……。
●中盤の形は若干違うが4-4-2対決となったこの試合、前半2分にいきなり試合が動く。左サイド奥まで侵入したグロシツキが中央にクロスを入れると、中でレヴァンドフスキが足で合わせてポーランドが先制! 今大会不発のエースが待望のゴール。これでおもしろくなった。一方、ポルトガルは18歳のレナト・サンチェスが躍動。中に切れ込んで思い切りシュートを打つと、相手ディフェンスにあたってコースが変化して、ゴールに吸い込まれる。同点!
●が、おもしろかったのはそこまでだ。そこから次第に両者積極性を欠き、「ミス待ちサッカー」に徹するようになる。虎視眈々とカウンターを狙ってワナを仕掛けるが、どっちもワナを仕掛ける側でちっとも獲物がやってこない。膠着状態が続く。これを打開できるのはクリスチャーノ・ロナウドのスーパープレイ、と言いたいところだが、彼にボールが集まりすぎるがゆえにポルトガルの攻撃が単調になっている感も。あらゆる好機をクリスチャーノ・ロナウドのシュートで終わらせなければならないという呪縛が、ポルトガル代表から創造性を奪っている(同じことがイブラヒモヴィッチとスウェーデン代表についてもいえると思う)。
●後半32分あたりかな、退屈した(?)スタンドから、クリスチャーノ・ロナウドに「メッシ、メッシ」のメッシ・コールが。大笑い。失礼すぎるけど、これはすごくわかる。クリスチャーノ・ロナウドにメッシ・コールはあっても、その逆は決してない。世界最高のプレーヤーでなければならないという呪いを己にかけた男。
●90分で決着つかず。実のところポルトガルは今大会、これで全試合が90分内では引き分けである。そのまま延長戦に入っても、「PK戦でいいや」のムードは濃くなるばかり。延長後半4分にはピッチ上に客が乱入。しまらない雰囲気のなかでPK戦に突入。ポルトガルは一番手のクリスチャーノ・ロナウドから五番手のクアレスマまで、全員が決めた。ポーランドは4人目のブワシュチコフスキが止められた。これでポルトガルが勝ち進んだわけだが、日程の有利さは延長戦続きによる疲弊と相殺されてしまった感もある。依然、有力な優勝候補だとは思っているものの、このままでは魅力的なチームとはいいがたい。
●ポーランドがコイントスで勝ちながらPK戦で後攻を選んだことが解せない。過去の統計によるとPK戦の勝率は先攻が6に対して後攻が4(十分な母数による調査結果でそうなっている)。圧倒的に先攻が有利。にもかかわらず、後攻を選ぶ理由がなにかあったのだろうか。ポーランド 1 (3PK5) 1ポルトガル

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