ドミノ・ピザ
September 14, 2016

「ズートピア」(ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ)

●ストリーム配信でなにがありがたいかといえば、映画をウチで簡単に見られること。レンタルショップに出かけなくてもいいし、長大な予告編や「映画泥棒」も目にしなくて済む。以前、サイモン・ラトルがベルリン・フィルと来日したときの記者会見で「映画をインターネットで見るようになったのと同じように、蛇口をひねれば音楽が流れてくる時代になったよね」みたいなことを言ってたっけ。
●で、評判のディズニー「ズートピア」をようやく見る(Amazonビデオを使ってみた)。基本舞台設定として、ズートピアなる動物たちにとっての理想都市があって、そこでは草食動物も肉食動物も仲良く暮らしている(動物たちは擬人化されているので、スマホも使うし、クルマも運転する)。主人公であるウサギのジュディは、ウサギ界初の警官になるという夢を叶えるべく、田舎のニンジン農場からズートピアにやってくる。晴れて警官になったジュディだが、成績優秀にもかかわらず、命じられたのは駐車違反の取り締まり。しょせん、小さなウサギにはそんな役割しか回ってこないのか。ジュディはキツネの詐欺師ニックに出会い、やがて謎の連続行方不明事件に巻き込まれる……。
●さすがにディズニー、ストーリーから舞台設定、アニメーションなど、すべてにおいてよくできている。核となるテーマは差別と偏見。ズートピアには肉食動物も草食動物も平等に暮らしているといいつつも、草食動物は肉食動物に対して不信感を拭いきれていない。ズートピアは高度に文明化された社会であり、野蛮な捕食関係などもはや絶えて久しいのだが、やっぱりフィジカルな強さは怖いんである。ところが、この社会で圧倒的に多数派をなすのは草食動物のほう。実は社会的により恵まれ、権力を持ち、上位階層にあるのは草食動物側なんである。強いと弱いの関係とは裏返しになった差別と被差別の関係がある。物語が進むにつれて、主人公も含めて登場人物のほとんどすべてが、なんらかの偏見にとらわれていることがわかってくる。人種や所属コミュニティのちがいを動物のカテゴリーに置き換えた物語になっているわけだが、人間社会の縮図を描きながらも決して告発の姿勢に傾かず、ユーモアがふんだんに盛り込まれて子供たちが素直に楽しめる作品になっているところがすばらしい。
●「アナと雪の女王」を見たときも感じたけど、ディズニーはどんどん古典的なストーリーを現代向けに正しくバージョンアップしている感じ。その正しさから決して外れることができないというのはクリエーターにとってどうなのかなということもチラッと頭をかすめる。「スターウォーズ」の続編はどうなるんすかねー(そこか、気になるのは)。

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