December 5, 2016

ツエーゲン金沢、残留決定

金沢駅前の鼓門●この週末、Jリーグは各カテゴリーのプレイオフが一斉に行われた。J1のチャンピオンシップ、J2からJ1への昇格プレイオフ決勝戦、そしてJ2とJ3の入れ替え戦。このなかで、最初の二者は本来不要な「プレイオフのためのプレイオフ」だと思うが、J2とJ3の入れ替え戦はガチなプレイオフ。こちらをスカパーの中継で観戦。J2で下から2番目の成績だったツエーゲン金沢と、J3で2位だった栃木SCが入れ替え戦を戦った。前週にすでに栃木ホームの第1戦が行われ、金沢が1対0で勝利している。で、第2戦は金沢ホームとなるはずだが、なんと、富山で開催されることに。金沢が芝の張替えのためだというのだが、最後の最後に訪れたもっとも重要なホームゲームを隣県で戦うことになるとは。
●で、試合だ。金沢にはなじみ深い選手がいる。センターバックで定位置を確保している太田康介。彼は横河武蔵野FCから町田ゼルビアを経て金沢に移った選手。横河武蔵野時代になんどもJFLでの試合で見ていた選手で、当時は中盤の底、6番のポジションを務めて、チームの大黒柱になっていた。JFLからJ2に昇っていく選手は非常に少ないと思うので、こうして活躍している姿を見ると感慨深いものがある。それと、今季から加わった中盤の熊谷アンドリューはマリノスの生え抜き選手で、現在はローンで金沢に在籍中。来季の所属が気になるところ。
●ともに4-4-2のフォーメーション。立ち上がりは栃木が攻める展開に。栃木はしっかり鍛えられたチームで、個の力の差はほとんど感じないし、体格面ではむしろ栃木のほうが勝っていた感も。もちろん、金沢は第1戦で1点のリードがあるうえに、先に失点しまうとアウェイゴール優先のルールで栃木の優位ができかねないので、どうしても堅い試合になる。栃木がボールをつなぎ、金沢がカウンターを狙う。好機の少ない展開だったが、前半32分、金沢の中美慶哉がペナルティエリア内で倒されて、PK。これを中美自身が蹴ってゴール。思い切り蹴ったもののコースがかなり甘く、止められなかったのが不思議なくらいだったが……。これで通算で金沢が2対0。ここから徐々に金沢が攻める時間帯が多くなっていく。
●後半8分、金沢は山崎雅人がゴール前でフリーの決定機を迎えるも、キーパー正面に蹴ってしまい決まらず。後半10分、栃木は廣瀬に代えて昨季まで金沢にいたジャーン・モーゼルを投入。しかし流れは変わらない。後半24分、金沢は右サイドを馬渡が崩して山崎へ、山崎からゴール前でフリーの中美につながり、これを難なく決めて2点目。これで通算3対0、直後に栃木の宮崎がファウルで一発レッドで退場し、試合は決まった。金沢の狙い通りの形にはまった試合だった。金沢はJ2残留、栃木は来季もJ3で戦うことに。
●金沢は功労者の森下仁之監督が今季で退任する。5シーズンにわたってチームを率い、J2昇格にまで導いた。来季はどこで指揮を執るのだろうか。金沢は残留したとはいえ、ローンの選手も多く、次期監督の選定と選手の獲得とで、シーズンオフの戦いが熱い。

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