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September 1, 2017

ニッポン対オーストラリア代表@ワールドカップ2018最終予選

ニッポン!●祝! ニッポン代表、ワールドカップ2018ロシア大会出場決定。さいたまにオーストラリアを迎えたこの試合、試合終了後にしみじみと振り返りたくなるような好ゲームだった。2対0。これだけ狙い通りの完勝はめったにないのでは。
●まず、このゲームの前日に波乱があった。サウジアラビアがアウェイのUAE戦でまさかの逆転負け。先制するもUAEのスーパーゴールが飛び出して個の力に屈した形。これは予想外の展開で、ニッポンにもオーストラリアにも追い風となった。
●で、ニッポン代表の先発。GK:川島-DF:酒井宏樹、吉田、昌子、長友-MF:長谷部、井手口、山口-浅野(→久保)、乾(→原口)-FW:大迫(→岡崎)。交代はいずれも終盤。ここのところ両サイドの攻撃を担ってきたのは久保と原口だったが、所属チームでの調子も見て浅野と乾に。浅野はスピード、乾はテクニックが高い選手だが、高さのない選手が多くなった。現在のオーストラリアが高さの勝負を挑んでこないという前提あっての選考なんだろう。一方で中盤は長谷部、井手口、山口というボールを奪うための布陣。結果的に香川、本田、岡崎がすべて先発から外れるという世代交代が印象付けられる形になった。ハリルホジッチ監督の狙い通りにチームが機能して、オーストラリアにボールを持たせて、前線からプレスをかけて、ボールを奪ったら縦に速い攻撃をするという、いかにも今風のサッカーに。伝統的にポゼッション重視だったニッポンが、ホームでオーストラリアに6割のポゼッションを許したのだから、変われば変わるもの。
●もっとも、これはニッポンが変わった以上に、オーストラリアが変わったからこそ実現した戦術なのだろう。本来、勝点の状況を見れば、オーストラリアにとって「負けなければOK」という試合。たとえ引分けでも次のホームでのタイ戦で勝利すれば(まず勝てる相手)、最終節のサウジアラビア対ニッポンの結果のいかんにかかわらずワールドカップ出場が決まる。多くの監督はこの状況で堅守速攻の低リスク戦略をとるはず。フィジカルの強さで守って、相手のゴール前にロングボールを供給して高さで勝負でいい。にもかかわらず、オーストラリアは今の「自分たちのサッカー」、つまりゴールキーパーからパスをつないで、ボールをキープして、すばやくボールを回すスタイルにこだわった。アンジェ・ポステコグルー監督の鉄の意志を感じる。これはおそらく正しい。オーストラリアは高さ勝負の東アジア専用戦術を磨いたところで、世界に出れば高さなど武器にならない。速いボール回しで自分たちが主導権を握るサッカーを築かない限り未来は開けないと考えて現行戦術を突き通している。目先の結果だけが求められる外国人監督にはできないことだろう。
●おかげでニッポンの戦術はぴたりと噛み合った。なにしろ相手はゴールキーパーからボールをつなぐのに、キーパーの足元は不安定。前線からの守備が効きまくっていた。涼しい気温も味方に。井手口の走力は驚異的。終盤になってもがんがんスプリント可能。おまけに中に切れ込んでゴールという2点目まで奪って、文句なしのマン・オブ・ザ・マッチ。乾は技術は抜群なのだが、ゴールに結びつけるための実効性が低いのが難点。しかし守備ではかなり奮闘した。酒井宏樹の強さも頼りになる。長谷部は珍しく前半でボールをロストしまくって冷や汗。所属チームでディフェンスラインの真ん中を務めているためか、中盤でのプレイスタイルを忘れたかのような不出来。大迫は屈強なディフェンスを相手にしてもボールを足元に収められる。ドイツでポストプレイに一段と磨きがかかったようで、あれだけ収まるなら岡崎の先発はなくなる。前半の先制点は長友の完璧なクロスから、ラインの裏に飛び出た浅野がフリーで足で合わせてゴール。なぜかスピラノヴィッチが試合後にあれを「ラッキーゴール」と呼んでいたのだが、どう見てもニッポンの狙い通りの形だし、ディフェンスが浅野を見失ったのが失点の原因だと思う。
●さて、これで現時点の順位は1位ニッポン(勝点20)、2位サウジアラビア(勝点16)、3位オーストラリア(勝点16)。サウジは得失点差で2ゴール分、オーストラリアをリードしている。前にも書いたように、最終節も同時キックオフではなく、先にオーストラリア対タイの試合が行われるので、サウジはその結果を見てからニッポン戦に臨める。これは少し居心地の悪い日程だ。オーストラリアは、サウジがニッポンに勝った場合に備えて、タイ相手になるべく点差をつけて勝ちたい。ニッポンはサウジ相手に勝点が取れれば、オーストラリアにアシストを決めてあげることができるわけだが、周りの状況など考えず、強豪との貴重な強化試合として選手や戦術をテストすることになるのだろう。

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