October 27, 2017

エッシェンバッハ指揮N響のブラームス

●26日はサントリーホールでエッシェンバッハ指揮N響。当初予定されていたプログラムは、モーツァルトのピアノ協奏曲第12番の弾き振りとブラームスの交響曲第1番。ところがエッシェンバッハの左手小指の不調により、モーツァルトがブラームスの交響曲第4番に変更に。別プログラムでブラームスの交響曲第2番と第3番の日があったので、結果的にブラームス交響曲チクルスが完成した。コンサートマスターはライナー・キュッヒル。
●ブラームスの第4番と第1番、どちらもメインプログラムになる曲だけに順番はどうするのかと思えば、第4番が先。普段のN響サウンドとはぜんぜん違った音が聞こえてくる。エッシェンバッハの音楽は古風なくらいに重厚なんだけど、サウンドとしてはむしろ明るい。特に弦楽器が重心高めで華やか。パーヴォが振ったときの筋肉質で前へ前へと進む音楽とはほとんど正反対で、ぐっとタメを入れてからエネルギーを解放するといった緊張と弛緩のサイクルを積み重ねながら大きな音楽を作りだす巨匠テイスト。やっぱりこれがブラームスの真髄なのかと思わされる。
●キュッヒルの音がグイグイと飛んでくる感じ。ソロの場面じゃなくても、ときどき浮き上がって聞こえてくるほど。
●ブラームスの交響曲を好きな順に並べるとしたら、最初が4で最後が1は決まりとして、途中を2,3にするか3,2にするかで迷う。どちらかといえば、4,3,2,1か。

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「よいしょ」です。

次の記事は「プッチーニ「トスカ」 河瀨直美演出」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ