December 25, 2017

バッハ・コレギウム・ジャパン「メサイア」~サントリーホールクリスマスコンサート2017

クリスマスのサントリーホール●23日はサントリーホールで鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンのヘンデル「メサイア」。森麻季のソプラノ、テリー・ウェイのアルト(カウンターテナー)、櫻田亮のテノール、ドミニク・ヴェルナーのバス。BCJの「メサイア」はこれまでにもなんどか聴いているのだが、年末にまた聴けるという喜び。全席完売、当日券なしの盛況。
●「メサイア」、全編にわたって名曲ぞろいだけど、やっぱり第2部が盛り上がる。特に好きなのは、All we like sheep... の合唱。思いきりハジけて、羊みたいに道を外れて自分の道へ向かうんだよっ!ウヒョ~!って感じで喜んでたのに、後半で一瞬にして雰囲気が変わって And the Lord hath laid on Him... 主は私たちすべての者の咎を彼に負わせた。このさっと影が差すところなんて、神がかっている。この後に決然としたレチタティーヴォをはさんだ後、合唱で He trusted in God that He would deliver Him...のフーガが続く展開も本当にカッコいい。
●もちろん、第2部の最後の「ハレルヤ・コーラス」は最高。使い古されてボロボロになっててもおかしくないくらい有名曲なのに、毎回新鮮な感動が訪れる。そして、ここで立つかどうか、という問題は自分的にはいまだ健在。サントリーホールのお客さんはほぼ立たない。危うくだれも立たないかもしれないくらい立たない。でも、立ったほうが楽しそうだ。立ちたい。でも立てない。だって、立ったら後ろからゾンビに噛みつかれるかもしれない問題があるじゃないすか、昨今は。でも立ったら勇者。立った、立った、ジョージが立った!くらいの勢いで。
●アンコールにトラディショナル(鈴木優人編)「いけるものすべて」。しみじみと余韻を味わう。
●それにしても、みんなでひとつの物語を共有しているって、すごい。仏教にだっていろんな物語はあるんだろうけど、ここまでのドラマ性はなかなか見当たらない。煩悩の数が108つあるから鐘を撞くみたいなのは共有されているのだが、個人のドラマじゃないからなあ……。ともあれ、メリークリスマス。

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「エッシェンバッハ指揮N響の「第九」」です。

次の記事は「働き者のAIアシスタント」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ