August 10, 2018

フェスタサマーミューザ2018 反田恭平、藤岡幸夫指揮日本フィル

ミューザ川崎
●9日はミューザ川崎へ。フェスタサマーミューザ2018で、藤岡幸夫指揮日本フィル。反田恭平がラフマニノフ~ヴァレンベルク編曲のピアノ協奏曲第5番(交響曲第2番の編曲)を日本初演するとあって、全席完売の盛況ぶり。ファミリー層、反田さんファン、魔改造マニア等、いろんな客席が渾然一体となっていい雰囲気。
●ラフマニノフ~ヴァレンベルク編曲のピアノ協奏曲第5番、すでに録音も複数リリースされているが、ここで初めて聴いた。ワクワク。交響曲第2番の編曲なんだけど、想像以上に「協奏曲化」されていてびっくり。なにしろ4楽章の交響曲が3楽章になっているし、カデンツァまで用意されている。3楽章になっているのは、原曲の第2楽章と第3楽章をひとつにまとめているからで、緩徐楽章のなかにスケルツォを置くという考え方はロシアのスタイルとしてありうるとは思う。長大な原曲をかなり短縮化して協奏曲にふさわしい長さに収めているのも吉。もちろん、無理は承知の編曲だとは思う。未完成作品を補筆したとか、ヴァイオリン曲をピアノ曲に編曲したとかいうのとはわけが違って、なんの不足もない完成品の交響曲をいったん分解して、わざわざ別の要素を加えてピアノ協奏曲に再構築しているわけで、たとえば終楽章の第1主題みたいなあんまりピアニスティックじゃない主題まで独奏ピアノにも割り振らないといけないという苦しさも感じる。完成品をもういちど別の完成品に作り直すためになにを付加すればいいのか。その回答として強烈なヴィルトゥオジティがあって、厚みのある管弦楽との格闘も含めて、独奏者の負担は相当なもの。反田さんの輝かしいソロがなければ成立しない野心作だった。今後、別のピアニストで演奏を聴くチャンスはなかなかないかも。オーケストラも一段明るめのサウンドで好演。
●これで後半がラフマニノフの交響曲第2番だったら完璧だが、そんなわけない。シベリウスの交響曲第1番。7曲すべてが異なる顔を持つシベリウスの交響曲にあって、第1番はロシア的というかチャイコフスキー的な香りが魅力。シベリウスも最初の交響曲ではシンバルを打ち鳴らしていたのだなあ。アンコールにエルガーの「夕べの歌」。清冽。

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