November 13, 2018

ジャナンドレア・ノセダ指揮N響のプロコフィエフ

●先週末の演奏会はもうひとつ、NHKホールでジャナンドレア・ノセダ指揮NHK交響楽団。前半にラヴェルのピアノ協奏曲(アリス・紗良・オット)、後半にノセダ独自選曲によるプロコフィエフのバレエ組曲「ロメオとジュリエット」抜粋。アリス・紗良・オット、最初に浜離宮朝日ホールで聴いたリサイタル以来、けっこうな回数を聴いていることになる。どんどん垢抜けたおねえさん風に。裸足で登場。クールなラヴェルのあとに、アンコールでねっとり濃厚なサティ「グノシエンヌ」を弾いて、強烈なコントラスト。あの世でサティが地団駄を踏んで悔しがってそうな気もするが、これも再現芸術のおもしろさか。
●後半のプロコフィエフはノセダの面目躍如たる凄演。垂直方向に高速往復運動する棒からエネルギーが噴出する。以前、カセルラの交響曲を指揮してくれたときにも感じたけど、このテンションが高さが最初から最後までまったく弛緩せず続くのがすごい。しかし響きのバランスは保たれていて明瞭。改めてこの曲におけるプロコフィエフの才気煥発ぶりに感じ入る。これだけキャッチーな曲を書けて、しかもオーケストレーションが鮮烈。チャイコフスキーの「くるみ割り人形」級のバレエ音楽の傑作だと思う。
●「野瀬田と申します」「夫です」。なわけない。

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