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March 12, 2019

Jリーグ第3節 マリノスvsフロンターレ川崎、王者との一戦

●さて、ポステコグルー監督率いるマリノスの第3節は王者川崎が相手。なぜか開幕2連勝できたマリノスだが、高い技術を持つ川崎相手のこのゲームが試金石となる。マリノスは左サイドバックが高野ではなく、タイ代表のティーラトンがリーグ戦初先発。また中盤は三好が契約上の理由で出場できず、大津が先発。三好は札幌から移籍してきた選手だが、札幌でもマリノスでも扱いはローンで、所属は川崎。所属先の川崎相手の試合では出場できないという契約のよう。一方、川崎はウィークデイにACLがあったため、主力選手を何人かローテーションさせている。
●お互いに攻撃的、お互いに前線からプレスをかけるチーム同士であり、ダイナミックな試合になるとは思ったが、前半4分にいきなりキーパー飯倉のパスミスから失点。マリノス相手にはどのチームも飯倉のリスキーなパスを狙ってくる。その狙い通りに、レアンドロ・ダミアンに軽々と決められてしまった。どう見ても、キーパーからのパスがつながったことでゴールが生まれる確率よりも、キーパーがパスをミスして失点する確率のほうが高そうなものだが、ポステコグルー監督はここのところで譲歩するつもりはないようだ。先に戦術ありきなので。
●一方、マリノスは前半24分に見事な同点ゴール。右サイドを抜け出した仲川が深い位置から折り返して、逆サイドのマルコス・ジュニオールがゴール。これは練習通りの形のようで、仲川が突破したときに逆サイドのマルコス・ジュニオールがペナルティエリア内まで入ってくるという約束事がある模様(逆に守備時はマルコス・ジュニオールはしっかり戻ってくる)。ポステコグルー監督の高笑いが聞こえてきそう。マルコス・ジュニオールはゴールセレブレーションとしてブラジルでも披露していた「かめはめ波」を仲川、エジガル・ジュニオと並んで3人一緒にやってくれた。よかったね、本場ニッポンでかめはめ波ができて。だが、ワタシの心のなかでのアテレコは「波動拳!」だ(指に昇竜拳ダコができたストII派としては)。
●互いにオープンに攻め合う展開が続き、終盤に試合が動く。後半43分、川崎は長谷川のアーリークロスにファーサイドで小林が競り勝って頭で中に落とし、マークを振り切ったレアンドロ・ダミアンが頭で決めて2点目。これで勝負あったかと思ったが、アディショナルタイムの後半50分、マリノスは飯倉を前線に上げて天野のコーナーキック。これに途中交代の扇原が田中碧に競り勝って頭で豪快に決めて同点ゴール。ゴールが決まったところで笛。2対2。終わってみればボール支配率も枠内シュートもパス成功率もほぼ互角。妥当な結果だが、川崎は勝点2を失ったという意識だろう。
●さて、これでマリノスは2勝1分。劇的同点ゴールでうやむやになった気もするが、最初の失点のように、キーパーからのビルドアップで不用意なパスをさらわれて失点するという展開は相変わらず。昨シーズンは、対戦相手が口々に「今年のマリノスさんは強いですねえ」とほめたたえて、気がついたら泥沼の残留争いをしていたという奇妙なほめ殺し展開にハマっていったのだが、はたして。