May 29, 2019

キリル・ペトレンコとベルリン・フィルの2019/20年シーズン記者会見


●先日、ベルリンで開かれたキリル・ペトレンコとベルリン・フィルの2019/20年シーズン記者会見の模様が公開されている。ありがたいことに日本語字幕付き。新シーズン、さらには今後のプランについて、ペトレンコは雄弁に語っている。一昨年にバイエルン国立歌劇場とともに来日した際に記者会見で見せたシャイな様子とはぜんぜん違う。
●8月の就任記念演奏会のプログラムはベートーヴェン「第九」。日本でも2020年の生誕250周年に向けてベートーヴェンがとりあげられる機会が増えそうだが、もちろんベルリンだってそう。ペトレンコは「第九」「フィデリオ」「ミサ・ソレムニス」の3つの大作を指揮する。いわく、歓喜 Freude を表現した「第九」、自由 Freiheit を表現した「フィデリオ」、平和 Frieden を表現した「ミサ・ソレムニス」で、「3つのF」。これが今のわたしたちにとってアクチュアルなテーマだと語る。なんともキャッチー。
●ベートーヴェン以外では、東欧・ロシアの音楽に対する力の入れようが目をひいた。特にスークの音楽にはかねてより思い入れがあるようで、交響曲第2番「アスラエル」を振る。スーク作品があまり知られていないのは演奏が難しいから、でもベルリン・フィルなら大丈夫、といった話。ラフマニノフの「交響的舞曲」については作曲者の最高傑作であるとも。
●また、ペトレンコの日本語特設サイトが公開されており、ベートーヴェンの交響曲第7番や、チャイコフスキーの「悲愴」、エルガーの交響曲第2番など、ベルリン・フィル・デジタルコンサートホールで配信されている映像が無料で公開されている。これだけでもかなり聴きごたえがあって、気前がいい。

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