June 6, 2019

クス・クァルテット ベートーヴェン・サイクルII ~ サントリーホール チェンバーミュージックガーデン2019

●5日はサントリーホールのブルーローズでクス・クァルテットによるベートーヴェン・サイクルII。チェンバーミュージックガーデン恒例のベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲シリーズで、今年はクス・クァルテットが登場。クス・クァルテットは第一ヴァイオリンのヤーナ・クスの姓にちなんでのネーミング。91年から活動しているそうなのでキャリアは長い。プロフィール欄によればヴィオラとチェロは途中でメンバー交代があった模様。今回のシリーズではパガニーニが所有していたという4台のストラディヴァリウス「パガニーニ・クァルテット」のセットが日本音楽財団から短期貸与されている。
●ベートーヴェンの四重奏曲を各回にどう振り分けるかはクァルテットによってまちまち。クス・クァルテットは作曲順に忠実に並べるというポリシーを貫いていて、初日はop.18の全6曲を一回で演奏したのだとか。なので、第2回の今回は「ラズモフスキー」の第1番から第3番をまとめて。初日ほどではないにしても、これも相当なボリューム感。第1番と第2番の前半が終わった時点ですでに20時25分。これまでこのシリーズでしばしば耳にしたキレッキレのエクストリーム・ベートーヴェンとは趣きが違っていて、鮮烈度よりもディテールの表現を大切にした演奏。安定感を欠いたところもあったものの、全体としては意欲的で、「ラズモフスキー」の3曲が持つ雄大さや革新性がよく伝わってくる。第1ヴァイオリンがもうひとつ楽器が鳴っていない気がするのだが、これはこの日のコンディションなのかどうか。4人のなかではチェロがもっとも雄弁で、異彩を放っていた。
●作曲順に聴くということは、どの日であれ同種の曲をまとめて聴くことになりがちで、「ラズモフスキー」だと3曲だけでもマラソン感あり。もちろん、アンコールはなし。充足。

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