July 2, 2019

「ヴ」問題

ヴァヴィヴヴェヴォ●しばらく前に「国名表記から『ヴ』消える」といったニュースがあった。「ヴ」すなわち「ウ濁」。この改正案以前からもともとベトナムなどは「ハ濁」だったわけで、どちらかといえば世の中、「ウ濁」から「ハ濁」へ流れが向かっていると感じる。とはいえ、クラシック音楽ファンで、ヴィヴァルディとかヴェルディ、パーヴォ・ヤルヴィのような固有名詞における「ウ濁」を「ハ濁」に直そうという人はあまりいないはず。「ボーン・ウィリアムズ」なんて、違和感ありすぎ。
●なのでウ濁は積極的に使っていきたい派なのだが、だからと言って一般名詞にまでウ濁を使いだすと、いろいろと困ったことになる。仮に「ライヴ」とか「インタヴュー」が許容範囲だったとしても、「ヴェテラン」とか「レヴェル」とか書くと、自分の気難しさをアピールするようで落ち着かない。だいたいビニール袋はどうするのか。「ヴィニール袋」と書くのか。それとも「ヴァイナル袋」、はたまた「ヴァイニル袋」なのか。「ヴァレーボールで、サーヴをレシーヴする」とか、かなりエキセントリックな感じ。もう日本語に定着した語は「ハ濁」でいいかな、と。
●そこで、自分はこんな原則を定めている。固有名詞と音楽用語(楽器名も音楽用語の一種とする)は「ウ濁」、日常的な外来語は「ハ濁」。「パーヴォ・ヤルヴィのインタビュー」といったように「ウ濁」と「ハ濁」が混在しても無問題。ヴィニール袋やヴァレーボールを採用するよりは自然なので。もっとも、仕事上の原稿では自分がどんなふうに書こうが、編集者が媒体側のルールに統一してくれるのだが。

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