July 8, 2019

PCオーディオ、ABXテスト、ハイレゾについての覚書き

●PCオーディオについて、気になるサイトをいくつか備忘録的にリンク。ぜんぜん新しいサイトじゃないけど、むしろ今こそ有効かも。
●まずはABXテストについて。音質の違いを客観的に比較するにはダブル・ブラインド・テスト(二重盲検法)が欠かせないが、シンプルにAかBかを答えるのがこのテスト。たとえば、mp3ornot.comの Do you hear the difference? では、短い同一音源を320kbpsと128kbpsで聴き比べて、次に再生される音源がどちらかを当てさせる。でたらめに答えても平均で50%正答するし、運の助けだけでも70%くらいは正答してしまうこともあるだろう。でも、15回テストを行って12回以上正しく答えられるなら、たぶん、音の違いを区別できている。このサイトを紹介している、「なぜABXテストは必要か?」(音風景ブログ)も、とてもためになる。
●もうひとつ「なぜハイレゾは『バカげている』のか」。これは Xiph.org の 24/192 Music Downloads...and why they make no sense を要約しつつ、説明を加えたもの。原文のほうの How to [inadvertently] screw up a listening comparison の項で、著者がこれまでにもっとも耳にした言葉、「だって、現にハイレゾは明らかにいい音がしているんだ。私の耳が信用できないっていうのか?」に対する返答がふるっている。「もちろん、あなたは自分の耳を信用していい。だまされやすいのは脳のほうだ。人間はそういうふうにできている」。続いて、確証バイアス、プラセボ効果についての話が続く。これを読んで、少し腑に落ちたところがある。医療分野でのプラセボ効果については、サイモン・シンの「代替医療解剖」で問題点が指摘されていたのを思い出すが、音楽を楽しむ上ではどうだろうか。脳をだまして体験の質を高められるのなら、場合によってはそれを有効活用できるかもしれない。そもそも音楽の感動体験は、多分にその種の要素に(も)支えられていると自覚しているので。

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