September 10, 2019

山田和樹指揮日本フィルのフランス&日本音楽プログラム

●6日夜はサントリーホールで山田和樹指揮日本フィル。プログラムが魅力的。前半にサン=サーンスの「サムソンとデリラ」より「バッカナール」、間宮芳生のヴァイオリン協奏曲第1番(日本フィル・シリーズ第2作)、大島ミチルの Beyond the point of no return(世界初演/日本フィル・シリーズ第42作)、ルーセルのバレエ音楽「バッカスとアリアーヌ」第1・第2組曲。フランスの作曲家によるバッカスの音楽に、日本フィルの新旧委嘱作がサンドイッチされるという構成。外側はフランスパン、中身はあんこみたいなハイブリッド感が吉。外はサクッ、中はふわっ、みたいな。
●最初の「バッカナール」は終盤で煽りに煽っていきなりやってくるクライマックス。自分の聴く限り、サントリーホールでいちばん大きな音を出すオーケストラが日フィル。一方、響きの彩度は控えめ。間宮芳生作品ではコンサートマスターに就任した田野倉雅秋が渾身の演奏。このヴァイオリン協奏曲第1番、日本フィルが1959年に委嘱した作品なんだそう。新作委嘱はオーケストラの財産になるのだと改めて痛感。そして初演とは違ったハードルの高さがある再演を、こうして別の初演曲といっしょに実現するというアイディアは秀逸。名演が名曲を作り出すもの。主にプロコフィエフ、ときにバルトークを連想させつつも、随所で独自の音色に彩られた作品。演奏後、客席から90歳の作曲者がステージにのぼり、盛大な喝采を浴びた。レジェンドの醸し出すオーラ。大島ミチル新作は変拍子で突き進む推進力にあふれた快作。たまたまなんだろうけど、ここにもバッカス的な熱狂があるかも。聴きやすく、映画やアニメの一場面風でもあり。こちらも作曲者臨席。最後のルーセルは山田和樹がスイス・ロマンド管弦楽団とPentaToneレーベルに録音している曲。華麗なオーケストレーションを楽しむ。フィナーレの執拗な熱狂が快感。

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