June 16, 2020

無観客試合とバーチャル観客試合

無人のスタジアム
●ようやくDAZNでサッカー中継が再開された。いったい何か月ぶりの試合なのか。ドイツ、スペインの試合から、いくつかオンデマンドでハイライト視聴する。DAZNはブンデスリーガの放映権を失ってしまったので、ドイツはリーグ戦ではなく、カップ戦DFBポカールの準決勝、バイエルン・ミュンヘン対フランクフルト。フランクフルトには大ベテランとなった長谷部がいるが、最近は鎌田大地が活躍中。この日は途中出場ながらゴールに向かうプレイを何度か見せ、個の力でチャンスを作り出して見事なアシストを披露した。
●ただ、これは中断前の無観客試合でも感じたことだが、いくらこれが公式戦と言われても、練習試合にしか見えない。観客の不在がここまで試合の価値を毀損するとは。すごいプレイが飛び出しても、スタンドが無反応だとぜんぜん興奮しない。こういった中継を見て「サッカー選手になりたい」と憧れる少年がいるだろうか。あるスペインの選手が「たとえ300人でもいいからスタジアムに客を入れてほしい」と語っていたが、それはよくわかる。無人のスタジアムにパッションは生まれない。
●で、欧州の試合をいくつかハイライトで見た後で、不思議な試合が掲載されているのに気付いた。「トレーニングマッチ 磐田vs沼津 リモート応援システム」。ん、なんだこれは? 再生してみると、なんと、無観客なのにサポーターたちのチャントが聞こえるんである! はっ?
●実はこれはYAMAHAの開発するリモート応援システム Remote Cheerer powered by SoundUD を活用したもので、サポーターはスマホアプリを通して会場各所に設置されたスピーカーに応援を届ける。「歓声」とか「激励」とか「拍手」といったボタンをタップすればいいというお手軽さ。声援量はホーム7割、アウェイ3割でコントロールされるんだとか。ずいぶん人工的にも思えるが、選手たちの反応は好意的だったようで、サポータの反応もいい。なにより自分自身が、磐田vs沼津の練習試合のほうが、DFBポカールの準決勝バイエルンvsフランクフルトよりもよほど「本物の試合」らしいと感じてしまった。たとえ疑似的であっても、選手と観客の交感がなければ試合は試合にならないのだと痛感する。

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