September 14, 2021

アーティゾン美術館 STEPS AHEAD展 新収蔵作品展示 その3

●(その1その2より続く)アーティゾン美術館STEPS AHEAD展の音楽関連作品として、前回はギュスターヴ・カイユボットの「ピアノを弾く若い男」とジーノ・セヴェリーニの「金管奏者(路上演奏者)」をとりあげた。引き続いて2作品をご紹介。
ジョゼフ・コーネル 「ペニー・アーケイド(ランナー・ワルツ)」
●まずは、ジョゼフ・コーネルの「ペニー・アーケイド(ランナー・ワルツ)」(1964-66頃、コラージュ)。このタイトルは謎めいている。ここでいうランナーとはウィンナ・ワルツの作曲家、ヨーゼフ・ランナーを指すのだとか。しかし、なぜこの絵柄でランナーなのか。モチーフとなっているのは星、人形、星座。星でワルツと来たら、まっさきに連想するのはヨーゼフ・シュトラウスのワルツ「天体の音楽だ」だろう。それなのにヨーゼフ・ランナーとは。ヨーゼフ・ランナーに星を題材にした曲があればと思って軽く探したが、それらしいものは見つからず(ワルツ「宵の明星」があるが、この絵にそぐわない)。ペニー・アーケイドとはコインを投入して遊ぶゲームセンターのことだと思うが、1960年代なのでビデオゲーム以前のアナログなタイプのゲームや占いを置いた遊技場を指すのだろう。ひょっとすると、そこにジュークボックスみたいなものが置かれていて、ヨーゼフ・ランナーのワルツが聞こえてきたのだろうか?
カンディンスキー 「響き」
●こちらはカンディンスキーの「響き」(1913)。音をテーマとした挿絵入書籍で、詩と木版画で構成されている。新収蔵資料。目で見る音。絵画でも彫刻でもなく、本が展示されているというシチュエーションにグッとくる。ミュンヘンのビーバー社がしぶしぶ刊行したものなのだそうだが、出版から2年以上経っても販売部数は120部に満たなかったという。価格は知らないがロマンを感じる。
アーティゾン美術館 STEPS AHEAD展

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