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August 31, 2023

サッカー界、今シーズンの移籍状況備忘録

●欧州サッカー界の移籍期限は9月1日まで。滑り込みで大型移籍があるかもしれないが、備忘録として今季の移籍状況について振り返っておこう。
●日本人選手で最大のサプライズは遠藤航がシュツットガルトからリヴァプールに電撃移籍したこと。30歳の年齢でビッグクラブへのステップアップがあるとは予想していなかった。ドイツの「デュエルキング」(一対一の勝利数トップ)が、プレミアリーグでどれだけ活躍できるのか。ひとまず途中出場1試合、先発1試合とスタートは上出来。
●一時はACミラン行きが確実視されていた鎌田大地は紆余曲折あってラツィオに。ここの監督は元銀行員の戦術家マウリツィオ・サッリ。開幕から2試合連続先発したが2連敗で、いきなり雲行きが怪しくなってきた。あとはオランダの名門フェイエノールトに移った上田綺世、フランスのスタッド・ランスで伊東純也の同僚になった中村敬斗あたりが目立ったところ。ベテラン吉田麻也はアメリカのLAギャラクシーへ。
●世界に目を向けると、とんでもないことになっているのがサウジアラビア・リーグで、欧州のビッグクラブから一流選手を爆買いしている。パリ・サンジェルマンからネイマール、チェルシーからエンゴロ・カンテ、エドゥアール・メンディ、カリドゥ・クリバリ、マンチェスター・シティからリヤド・マフレズ、アイメリク・ラポルテ、マンチェスター・ユナイテッドからアレックス・テレス、リヴァプールからロベルト・フィルミーノ、ファビーニョ、ジョーダン・ヘンダーソン、バルセロナからフランク・ケシエ、レアル・マドリーからカリム・ベンゼマ、バイエルンからサディオ・マネ……等々、もう数が多すぎて把握できない。昨季のクリスティアーノ・ロナウドに続いて大挙してサウジアラビアに移籍してしまった。ネイマールの推定年俸は約239億円だとか。無茶苦茶なマネーパワーで、豪華メンバーが集う自国リーグを作り上げてしまった。ってことは、われわれJリーグ勢はアジア・チャンピオンズ・リーグでこれらの選手たちと対戦する可能性があるということなのか。サウジ勢はもともと強いけど、これでさらに強くなるかといえば、そこは微妙な気も……。
●で、この話のいちばん奇妙なところは、サウジアラビアの政府系ファンドがアル・ナスル、アル・ヒラル、アル・イテハド、アル・アハリの4クラブを傘下に収めて、それぞれにスター選手を分配しているって言うんすよね。実質、政府が強豪クラブ4つをコントロールしている状態で、そんな人工的なライバル関係ってありうるんだろうか。各クラブのファンやサウジアラビア国籍の選手からはどう見えているんだろう。