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February 7, 2024

山田和樹指揮読響のハイドン、カプースチン、ラヴェル他

山田和樹 読響
●3日は東京芸術劇場で山田和樹指揮読響。プログラムはグラズノフの演奏会用ワルツ第1番、ハイドンの交響曲第104番「ロンドン」、カプースチンのサクソフォン協奏曲(上野耕平)、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」。バラエティに富んだプログラムだが、ワルツに始まってワルツに終わるプロ。ハイドンのメヌエットやカプースチンのスウィングも含めればダンス・プロともいえる。異彩を放っていたのはハイドン。なんと、倍管編成。弦は16型かな、コントラバスが8台というジャイアント・ハイドン。すごく分厚いサウンドが聞こえてくる。各木管楽器が4人並ぶハイドンは壮観で、少しオルガン的な響き。編成が大きいだけではなく、スタイルもレトロ調で、第1楽章の主部が始まったときにはあまりのテンポの遅さに心配になったほど(でもすぐにテンポを速めてくれた)。第2楽章は主題のくりかえしを前列プルトのみで演奏。20世紀巨匠風ハイドンだったが、これも一種の歴史的スタイルの再現といえるのかも。
●カプースチンのサクソフォン協奏曲を聴いたのは初めて。カプースチンはジャズの語法をクラシックの様式に落とし込んだ人だと認識しているのだが、ピアノ曲以外はほとんど聴いたことがなかった。エレキギター、エレキベースも入り、オーケストラでもありジャズ・バンドでもあり。上野耕平のソロは縦横無尽。強弱のダイナミズムがすごい。ソリスト・アンコールがボノーの「ワルツ形式によるカプリス」。本編に合わせてワルツ成分を盛り込んでくれた。おしまいのラヴェル「ラ・ヴァルス」は快演。ていねいに磨かれた整然としたカタストロフ。この曲、ソヒエフ&N響、亀井&ユンチャンの2台ピアノ版とここのところ立て続けに聴くことになった。みんなテイストが違う。大いに満喫。