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July 3, 2025

東京都現代美術館 岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here

岡﨑乾二郎 而今而後
●東京都現代美術館で開催中の「岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」(~7/21)へ。1980年代の初期作品を含めつつ、20年代以降の新作がドカンつ集められた展覧会。会場に入るとまずは壁に上の写真のような立体作品がたくさん展示されている。「あかさかみつけ」とか「おかちまち」とか「そとかんだ」というタイトルで、「あかさかみつけ」にも色違いがいっぱいある。

岡﨑乾二郎 而今而後
●こんなふうに、わりと間隔広めでずらりと。「あかさかみつけ」という題から、もしかして地下鉄の赤坂見附駅の構造が簡略化、抽象化されているのかなと思ったんだけど、ぜんぜん違うっぽい。そもそも外神田って駅はないし。

岡﨑乾二郎 而今而後
●展示の中心となるのは20年代の新作。これがすごい迫力なのだ。上の写真が典型的なスタイルなんだけど、視覚的な情報量に加えて、作品タイトルがめちゃくちゃ長くて、とんでもないことになっている。たとえば上の左の絵は「おサカナたちは成長してゆくご自分の姿などにはお気づきにならない、だからこそは思う壶。誘いの水が水なのだから(地理には明るい)。海の下だろうと雪の中だろうと違わない(魂は舞いはじめ先へ急ぐ)、もう目覚めることもないだろう。」というタイトル。マジで。右は「淡水水産物つまりおサカナ、といっても人の放流したアユやニジマスを穫って暮らしている。水面から水の裏を見透す(背後に食客三千)。水を飲み、氷を食べる暮らしと違わない(水は凍って大きく膨らむ)、だからサカナたちから税を奪う。」と題されている、絵のタイトルがすでに詩みたいな?

岡﨑乾二郎 而今而後

岡﨑乾二郎 而今而後

岡﨑乾二郎 而今而後
●作品の量がすさまじくて、しかも一作一作にそんな長いタイトルが付いていて(ものによって英語の長文だったりする)、だんだんこちらの感覚が麻痺してくるような饒舌さ。量によって伝わるなにかがあるという発見。