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News: 2007年7月アーカイブ

July 31, 2007

フェスタサマーミューザKAWASAKI2007開催中

●夜、ミューザ川崎へ。現在、フェスタサマーミューザKAWASAKI2007開催中。手ごろなチケット料金、70分ほどの短いコンサート、平日は勤め帰りにも間に合う遅めの開演時間といったコンセプトを掲げた、首都圏のオーケストラによる音楽祭。
●ミューザ川崎はとてもいいホールなのだが(特に内側のグルグルうずまき感のラヴリーさかげんが最強!←行ったことがないと意味不明)、残念なことにウチからだと交通の便がよくなくて、かなり時間的な余裕がないと厳しい。が、今回は音楽祭のプログラムでお手伝いさせていただいたことでもあるので、アルミンク指揮新日フィルへ。プログラムは直前の定期演奏会でもやっているエルガーのチェロ協奏曲(独奏:ソル・ガベッタ)とベートーヴェンの4番。間にソル・ガベッタのアンコールでヴァスクスの「チェロのための本」から(これがすばらしく美しい曲なのだ)。聴きたいものを聴けて大満足。ベートーヴェンの交響曲の緩徐楽章でどれかひとつ選べって言われたら、光速で4番の2楽章って答える。
●で、なんか普通のコンサートより気分がよくなってる気がするぞ、と帰り道につらつら思ったんだけど、この2曲のみのプログラムだと休憩がないんすよ。休憩なしで短め。これも大きいのかなと。いや休憩なるものそれ自体はワタシは大好きで、得意技は休憩というくらいの休憩愛好者なんだけど、このサックリ終わる感じって新鮮。疲れないってことか。お尻とか。革靴の中の足とか。ていうか虚弱だな、自分。

> フェスタサマーミューザKAWASAKI2007
> チケットぴあ~クラシック音楽

July 23, 2007

ゴールドバグ変奏曲

アメリカ文学のレッスン●もう7年も前に出た本で、今はカバーのデザインがやたらシンプルなアレに差し替えられているんだが、講談社現代新書の「アメリカ文学のレッスン」(柴田元幸)を読んでいて、「おおっ」とのけぞった。エピローグの現代アメリカの作家リチャード・パワーズについて書かれている部分。これまでに翻訳されているリチャード・パワーズの長編は、「舞踏会へ向かう三人の農夫」「ガラテイア2.2」、そして最近出た「囚人のジレンマ」。で、未訳の作品である第3作「黄金虫変奏曲」(1991)というのが紹介されている。カンの鋭い人はすぐ気づくと思うけど、原題は The Gold Bug Variations なのだ! そう、「ゴルトベルク変奏曲」ならぬ「ゴールドバグ変奏曲」(爆笑)。バグというのは、プログラミングなどでいう「バグ」のことを指しているのだろうか。というのも上記の柴田本にこう紹介されている。以下引用。

第三作にあたる大作「黄金虫変奏曲」では、対象はDNA、言語、暗号、音楽(特にバッハの「ゴルトベルク変奏曲」)と多岐にわたる。そこではもはや、人間が情報を解読するだけではない。DNAのレベルからはじまって文学テキストにいたるまで、人間そのものが、解読すべき情報で出来ているのだ。そしてここでも、解読に正解はない。この小説の鍵言葉を使えば、すべては「翻訳」だ。いうまでもなく、あらゆる翻訳は誤訳である。だがその誤訳が、DNAについていえば世代間の変異を生じさせ進化を生み出し、……(以下略)

 ワクワクさせられるじゃないですか。それにしてもGold Bug Variationsって。前にご紹介したクリストファー・ミラーの「ピアニストは二度死ぬ」に出てきた、自称天才作曲家による「BABBAGE置換曲」を思い出す(シューマンの「アベッグ変奏曲」に対する悲惨なオマージュ? 笑えます)。
●トマス・ピンチョンの「競売ナンバー49の叫び」にはヴィヴァルディのカズー協奏曲が出てきたんじゃなかったっけ。カズーは管の一部に薄い膜を張って、口にくわえて声を共鳴させて、ビリビリした音に変質させる楽器(あるいはオモチャというべきか)。もちろんヴィヴァルディにそんな曲はない。ポスト・モダニズム作家による架空クラシック音楽作品一覧とか作れるかも。

July 18, 2007

7月21日(土)に「ロストロポーヴィチを偲ぶ会」

●7月21日(土)18時30分より、すみだトリフォニーホール大ホールにて「ロストロポーヴィチを偲ぶ会~スラヴァよ永遠に~」が開催される。4月27日に亡くなったムスティスラフ・ロストロポーヴィチを追悼するための会ということで、故人ゆかりの方々およびご家族も参加するとのこと。ファンのみなさんにもぜひ出席してほしいということなので、ご案内を。入場無料、予約も不要で当日ふらりと参加してかまわないそうだが、はたしてどれくらいの人が集まるのか、見当も付かない。
●主催は新日本フィル、サイトウ・キネン財団、ジャパン・アーツで、小澤征爾の呼びかけで実現した会であるとのこと。詳細&問い合わせは新日本フィルのサイトのこちらのページまで。
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●先日iTunes Storeでゲットしたアーノンクールのベートーヴェン・セット、少しずつ聴いて満喫しているのだが、ヘッドフォンを液晶モニタの端子に突っ込んで聴くというのがさすがにラフすぎるかなという気になって、USBオーディオ・インターフェイスの導入を検討中。問題はこれは機種によって明確な音質の違いがあるのかないのかがよくわからんってことだな(再生専用で使う場合に)。非オーディオ者なので、デジタル音響機器に関しては「デジタルなんだからどれも一緒」みたいな超乱暴な持論を持っているのだが、いざ目の前にいろいろなタイプの製品が並んでいるのを目にすると悩む。

July 11, 2007

レッツゴー!クラヲくん2007 モンスターペアレンツ編

●連続不条理ドラマ「レッツゴー!クラヲくん」第11回 モンスターペアレンツ編

クラ父: 「もしもし、あー、キミかね、音楽教師の山田というのは。あのね、キミの授業について一言いわせてもらいたいんだ。昨日の音楽鑑賞だがね、息子の蔵夫に『運命』のアバド盤を聴かせたそうじゃないか。どうしてフルトヴェングラー盤にしないのかね。けしからんよ。明日にでもフルトヴェングラーを聴かせてやりなさい。なに? アバド盤も良いだと。ほう……それじゃあ、芸術音盤社の『至高の名盤デラックス』で荒栗紺鰤雄先生が五つ星をつけておるか、今書庫に行って確かめてみるから、待っておりなさい!!」

July 5, 2007

ネットで聴けるシカゴ響

●今日から4日間、東京国際ブックフェア@東京ビッグサイト。行くかもしれない、でも行かないかもしれない。近けりゃ毎年行ってもいいんだけど、行くとなると丸一日費やすことになるので二の足を踏む。行けば行っただけのことはあるんだけど。
ハイティンクのマーラー3番●前に少し触れたシカゴ交響楽団自主レーベルのマーラーの3番、これがあまりにすばらしくて、おお、ショルティはまだ生きているっ!いやハイティンクだけど、と歓喜し、このレーベルCSO Resoundの第2弾はなにが予定されているのだろうかとシカゴ響のサイトを確認してみた。で、次のリリース予定は発表されてなかったけど、Recordings and Broadcastsのコーナーで、期間限定とはいえ気前よくいくつもライヴ音源が聴けるようになっていることに気づく。たとえば7月2日から16日まで、ウワサのグスタヴォ・ドゥダメル指揮でマーラーの交響曲第1番「巨人」他を聴けるぞ。聴くしか。

Chicago Symphony Orchestra - BP CSO Radio Broadcasts

July 2, 2007

だれか「エクソシスト」をオペラ化してフリードキンに演出させたらどうだろう

●クラシック音楽系ニュースをいくつか備忘録的に。
●まず東芝EMIが株式会社EMIミュージック・ジャパンに社名変更。なんとなく口語では「東芝」といったら国内盤を出している東芝EMI、EMIといったら輸入盤のほうのEMIレーベル、みたいな使い分けをしてたような気がする。しばらく「東芝」ってつい言ってしまいそうだ。リンク先等、今週のうちに訂正しておかねば。新しいURLは http://www.emimusic.jp/
シドニーのオペラハウスも世界遺産に。えっ、こんな最近っぽい建築物でも世界遺産になれるんだ。このニュースの「も」っていうのは石見銀山のニュースを受けてのことなのか。知床なんかも世界遺産だっけ。毎年のように日本のあちこちが世界遺産になったっていうニュースを耳にしているような印象があるんだけど、実際にはどうなんだろう、と調べればすぐにわかるような疑問を思いついたまま、あえて調べずそっとしておく作戦。
コンサート・エージェンシー・ムジカが破産申し立て。サイトは現在403 Forbiddenに。http://www.musica.co.jp/
オペラキャストさんのページで知ったニュース。ロサンジェルス・オペラの08/09開幕はプッチーニの三部作で、「ジャンニ・スキッキ」の演出はウディ・アレン、「外套」と「修道女アンジェリカ」はウィリアム・フリードキン(映画「エクソシスト」の監督)だとか。ウディ・アレンは近作「マッチポイント」がオペラ・アリアを全面的に用いた、オペラ的な物語だったわけだけど、本当にオペラの演出をやることになるとは。71歳にしてオペラ初挑戦。ウィリアム・フリードキンのほうは前にミュンヘンで「サロメ」を演出したというニュースがあったっけ。「エクソシスト」→首ぐるぐる、「サロメ」→首ごろり、みたいな連想が働いた。今度のも「外套」なんておしまいのシーンはホントにホラー並の怖さだからなあ、と色眼鏡で見るのはよくないが、「ジョルジェッタかアンジェリカがスパイダーウォークをしてくれたら」と考えてしまう、「エクソシスト」ラブな自分。

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