May 9, 2004

審判のスライディング・タックル

●ナイキのCMって毎回ホントにスゴい。今放映しているブラジル代表vsポルトガル代表バージョン、見たですか。こりゃ、サッカー・ファンの夢だよね。選手入場直前、両チームの選手が入場待ちしているところで、ロナウド、ロベルト・カルロス、フィーゴがふざけてお互いを挑発したら、そのままボールの奪いっこに熱くなって、ロナウジーニョやらみんな超絶技巧見せまくりの全員サッカー小僧化。ボールがスタジアムの外に出たら、なぜかそこにトッティがいて、ボールをリフティングした後で蹴り返してくれたりするのも気が利いている。で、そのままの勢いで本気でピッチ上でじゃれあっていたら、審判がスライディング・タックルを食らわして(笑)、試合開始を促すと。
●国歌斉唱の頃にはロナウドもロベルト・カルロスも顔がすでにあざだらけになってて、これぞサッカーの原点みたいなファンタジーがある。逆に言えば、マーケティング主導で徹底的にビジネス化された現代サッカーの世界で、スターたちが無邪気なサッカー小僧に立ち返ることなどあり得ないことをみんな承知しているわけで(しかもそのスポーツ・ビジネスの先端にあるのが当のナイキ)、失われたものを失わせた側が虚構で描いているという複雑な味わいがある。
●それにしても「審判のスライディング・タックル」なんて絵を思いついたこの映像作家は天才っすね。

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