September 3, 2006

スーパーマン・リターンズ(ブライアン・シンガー監督)

superman.gif●劇場公開中の映画「スーパーマン・リターンズ」。なんの予備知識も持ってなかったので意表を突かれたんだけど、これは78年と80年のクリストファー・リーヴ版「スーパー・マン」の直接的な続編になってる。スーパーマンのリメイクはもっと前にもいくつもあるだろうけど、あくまでリーヴ版2作の続き。だからオープニングがアレなのだ。78年版のプレCG時代に観客を驚かせた、立体的なゴシック体の欧文が宇宙空間で彗星のごとく尾をひいて流れるオープニング。そして音楽がジョン・オットマンとクレジットされているのに、オープニング・テーマはヒットしたジョン・ウィリアムズ作曲のテーマ(同時期にさらにヒットしていた「スター・ウォーズ」の自己複製みたいなヤツね)、さらにロイス・レインのテーマ(愛のテーマ)も同じ! 懐かしすぎる。これは80年代ノスタルジー映画なんじゃないだろか。そろそろまた夜空を飛んでもいいかなエヴリバディ!て感じ? リーヴ版を知らない世代の人にはウケない気がする。
●じゃあリーヴ版を知ってる世代の人にはウケるかというと、やっぱりウケないかも。ネタを割れないので言えないが、あの物語設定は超人ヒーローの冒険譚とは相容れないものがあるし、なぜか78年版ほど「オレも赤パン履いたら空を飛べるかも!」っていう気になれない。これは自分が年を取ったってのと違って、CGでなんでも描ける時代ゆえの難しさなんじゃないだろか。ただ小ネタの部分、クスリと笑わせるところはかなり秀逸。笑えるってのはいい。
●ところで「スーパーマン」といえば思い出すのがBBCのコメディ「モンティ・パイソン」の「バイシクル・リペアマン」(自転車修理人)ネタ。舞台は全員がスーパーマンの国(だからクリプトン星なのか)。みんな胸にSをつけてマントをなびかせてる。で、あるスーパーマンが自転車に乗ってたら転ぶ。自転車が壊れる。スーパーマンたちはうろたえて困る。ああ、自転車が壊れてしまった、こんなときにバイシクル・リペアマンがいてくれたらなあ……。そこであるスーパーマンが電話ボックスに駆け込む(笑)。そう、彼は日頃ただのスーパーマンのようにふるまっているが、実はバイシクル・リペアマンだったのだ。自転車修理工の格好をして出てくる。「あれは誰だ?」「株のブローカーか?」「測量技師か?」「教区委員か?」「いや」「バイシクル・リペアマンだ!!」。彼は自転車を修理しては颯爽と去っていくヒーローだったのだ。
●やっぱり「スーパーマン・リターンズ」より「バイシクル・リペアマン」のほうが盛り上がれる、断然。

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