October 23, 2006

勝者に屈辱、敗者に栄光

●最近すっかり野球を見なくなってしまった。離れてしまうとよくわかるんだけど、野球ってサッカーと違って歴史的に新しいスポーツだから、いろんな面でモダンって気がする。個人的に野球がスゴいなと思う三大特徴。
●その1。「選手の能力差は統計的にしかわからない(フツーは)」。たとえば打率.320なら超一流の打者だろうし、打率.295なら「まあまあ」くらいなんだろうけど、それってヒットの確率がわずか2.5%しか違わんわけでしょ。そんな差、非野球ファンから見れば「肉眼で認識不可能」だと思う。でも筋金入りの野球ファンはわかるっぽい。打率を見るんじゃなくて、バットの振り方とか、打球の質、ボールの見送り方で、その打者が超一流かどうかを判定できるのかも。それって超人だな。サッカーはわかりやすいっすよ。ロナウジーニョとスペインリーグの平均的選手の技術の差は一目瞭然。子どもでもわかる。
●その2。「ファンといえども試合をほとんど観戦しない(できない)」。なぜなら試合数が多すぎるから。ホームゲームだけでも年間70試合以上あるみたいなんだが、毎試合4時間もかかるものを70試合観戦できる人はめったにいない。フツーの社会生活を送ってたら、半分だって難しい。それでもファンがチーム状態をきちんと把握できるのは、スコア以外に試合内容を伝える方法が発達しているからなのかも。
●その3。「勝者といえども、やたらと負ける」。だいたい全試合の60%程度を勝つと優勝できるようだが、ということは40%は負けているんである! 優勝するほど強いチームのファンでも40%もの確率で屈辱を味わうことになるっていうのは、ずいぶん辛辣なスポーツなんじゃないだろか。逆に言えば弱小チームでも40%の確率で甘美な思いをすることができるんだから、気前がいいとも言える。
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●明日は80%くらいの確率で当欄の更新を休みます。

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