April 24, 2007

KVとはなにか

君のいちばん好きな番号を引いてあげよう●KV、すなわちケッヘル目録(Köchel-Verzeichnis)の略。モーツァルトの作品番号として使用されているケッヘル番号はこの目録に拠っている。ケッヘル目録はBreitkopfから発売されてて、今でもフツーに買える(ドイツ語だけど)。1000ページ超の大部なハードカバーということもあって大変重い。凶器になりうる。ケッヘル番号をどう表記するかというのはいつも悩みどころであって、「K.488」あたりが日本の印刷物では標準形だと思うんだけど、ウェブだとこの「.」が少し非効率でヤだ。ワタシは「K488」派。なかにはケッヘル目録がKVだから「KV488」とか「Kv488」と書く人もいる。冗長な気がする、でも「K.V.488」としない分だけマシか。K.361(370a)とかいうのもある。これはケッヘル第3版では361という番号だったんだけど、後に大幅に改訂された第6版で370aという新しい番号が付け直されたことを意味する(ちなみに361は「グラン・パルティータ」)。これ、痛恨の一撃っていうかな、abcまで含めて4桁あるから新旧併記すると7桁でしかも別途カッコも必要という冗長さで、より効率的な新しい番号の与え方があったんじゃないかとワタシなんかは疑うんだけど、済んだことはしょうがない。最新のケッヘル目録は第8版まで来ているそうだが、番号の付け方は基本的に第6版と変わっていないと信じる。
●KV、すなわちKurt Vonnegut カート・ヴォネガット(・ジュニア)。先日、84歳で亡くなったアメリカの作家。「スローターハウス5」は70年代に映画化されていて、音楽ファンにはグレン・グールドがゴルトベルク変奏曲を弾いていることでも知られている。爆笑問題の太田が「タイタンの妖女」を薦めていたっけ。他に「母なる夜」、「猫のゆりかご」など。しかしワタシはほとんど読んでいないんだな、なんか読むべきタイミングを逸してしまってて。ある翻訳書で「スローターハウス5」からの一節が引用されてたんだが、訳者はヴォネガットがわかんなかったらしくて、クルト・フォンネグート著「第五屠殺場」みたいなヤンチャな訳をしていた。Google時代の今、もう翻訳家はこんなミスを決して犯さない。すばらしい。
●KV、すなわちキロボルト。電圧の単位。

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