October 14, 2007

マラ9@バレンボイム指揮ベルリン・シュターツカペレ

バレンボイムのマーラー9番●二日連続でバレンボイムを聴く。サントリーホールでダニエル・バレンボイム指揮ベルリン・シュターツカペレ、演目はマーラーの交響曲第9番。昨日の「トリスタンとイゾルデ」は休憩入れると5時間だか6時間だか、もう感覚的には半日聴いてたくらいのボリュームだったんすよ。それに比べるとマーラー9番は一瞬。もう、「あっ」と思ったらコンサート終わってる。休憩なし、1時間半。と、軽く光陰矢の如し感に浸ってみたが、実際にバレンボイムのテンポも速めだった。もともと自分がこの曲をカラヤンやバーンスタインで刷り込まれているからなんだろうけど、第4楽章なんか特に。でも第4楽章の例の鳥肌ポイントではちゃんと鳥肌立つ。このオケ、ホントにすばらしくて、弦楽器の深々とした響きを耳にして感じるのは、こんなオケがウチから半径100km圏内を本拠にしてくれたらなあ!という意味レスな羨望。猛速で定期会員になる。近頃ホームタウンベースで物事を見るのが脳内流行なので、「アウェイのクラブがホームスタジアムに来てくれるのだけを喜びとして生きていくのは寂しい」という命題を思い起こす。物欲しげな目線で舞台を眺める、ヨダレ垂らしながら。
●それにしても、二日続けて「死」っすよ。「トリスタンとイゾルデ」で愛と死、マーラーの9番でまた「死に絶えるように」だ。来週のシェーンベルクの「モーゼとアロン」はどんなオペラなんだっけ?まあクラシック音楽は「愛」と「死」なくして成立しないからしょうがないか。逆説的にこれだけ短期間にオペラとコンサートを次々こなすバレンボイムは鉄人。
●余韻を味わう曲だから大変すばらしいことであるが、サントリーホールのお客さんは最後の一音が鳴り終わってもだれ一人拍手をしなかった。昨日の「トリスタン」では終わって間髪いれずに失敗ブラボが入ってしまって惜しかったが、この日は完璧、そう思った。だれも拍手しない。バレンボイムが手を下ろした。まだだれも拍手をしない(笑)。5秒、10秒……。慌て気味の(?)バレンボイムが譜面台の楽譜を閉じて、ようやく拍手。お客さんはもっと余韻を楽しみたかったかもしれない。「指揮者が棒をおろしてから拍手しよう」ってのはよく言うけど、そのうち「指揮者はお客が拍手をはじめてから棒をおろすように」って言い出す人が出てくるに16777216マッカ。

トラックバック(0)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.classicajapan.com/mtmt/m--toraba.cgi/906

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「「トリスタンとイゾルデ」ベルリン国立歌劇場」です。

次の記事は「募集。秋のカルチャー・セミナー「クラシック音楽入門」」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ

国内盤は日本語で、輸入盤は欧文で検索。