December 24, 2007

立った、立った、ジョージが立った

●メリー・クリスマス。
●といえばヘンデル「メサイア」。第2部終曲の「ハレルヤ・コーラス」では、ロンドンでの初演時に国王ジョージ2世が感極まって起立し、これがきっかけで聴衆が起立するという習慣が生まれた。ってのは、スゴく有名な逸話である。実際には国王が起立したという事実があったのかどうかも定かではないそうなんだが、こういったものは事実より断然物語。
●BCJの演奏会で鈴木雅明氏が話してたんだけど、「イギリスだと今でも起立する人も多いけど、オランダだと皮肉な人が多くて、だれか立つと『あら、あの人まだあんな古い伝統にしがみついてるわ』みたいな目線を投げかけたりします(笑)。起立したい方は起立すればよいですし、したくない方はしなくてよいでしょう」ってのが可笑しかった。ワタシらにとっては起立するのが地続きの伝統じゃないから、立ってる人を古臭い人と見る視点を持ちようがないのが悔しい(笑)。ともあれ現象的には立つ人と立たない人が混在している状態がまったく自然かつ健全な感じがするのであって、全員が立つというようなスタイルはワタシは苦手だし、全員が座ってるのも寂しい気がする。ここで全員一致を求める理由なんかあるわけない。
●この世でもっとも皮肉な人の態度はこうだろう。第1曲からいきなり起立する。立ちっぱなしで聴いて、「ハレルヤ・コーラス」が始まるところで着席する逆ジョージ2世。いやそんな人いないけど、確実に。

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