October 1, 2008

オールタイムベスト100

●昨日のカズオ・イシグロ「わたしを離さないで」の帯に、「発表後ただちにタイム誌のオールタイムベスト100(1923~2005年発表の作品が対象)に選ばれる快挙を成し遂げただけではなく……」っていう宣伝文が載ってるんだけど、「オールタイムベスト」を選ぶのに1923年以降の作品を対象とするっていうのがおもしろいっすよね。
●1923年ってどういう基準なんだろ。ぱっと思いつかないけど、なにか明快な理由があるんだろう。時代の線引きがないと困るってのはわかる。現代小説とシェイクスピアとか同じ基準で比較するのはムリだろうし。日本でやるとしても源氏物語とか挙げられても困る。
●音楽のオールタイムベスト100もやってみても楽しいかも。1923年以降発表の作品に限る、とか。むしろクラシックは1923年以前の作品に限ったほうがウケがいいかもしれん(笑)。でもまあ、音楽は演奏しなきゃ音にならないんだから、どんな古い時代の作品だろうが今演奏すれば2008年の作品と言い切ることもできる。逆にベートーヴェンと同時代のベートーヴェンを聴くことはだれにもできない。
●そのタイム誌のオールタイムベスト100、ここにあるみたいなので興味がある方はどぞ。でもこうして見ると、「何じゃそれ」感全開。サリンジャーとかフォークナーとかヘンリー・ミラーとかに混じって、ウィリアム・ギブソンの「ニューロマンサー」とかP.K.ディックの「ユービック」とか入ってるし。イアン・マキューアンはAtonementが入ってる、えっと何だこれは、「贖罪」か。ナボコフは「ロリータ」、ヴォネガットは「スローターハウス5」。ピンチョンは? おっ、「競売ナンバー49の叫び」と「重力の虹」の2作も入ってる。ファンタジー系ではトールキンの「指輪物語」、C・S・ルイス「ライオンと魔女」。なんだ、ジョン・ル・カレの「寒い国から帰ってきたスパイ」みたいなのも入ってるよ!
●って、おもしろいじゃないか、これ。クラシックのオールタイムベスト100とかやりたくなってきた。
●英語で書かれたものだけだから、ガルシア・マルケスとかは入ってません。

トラックバック(0)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.classicajapan.com/mtmt/m--toraba.cgi/1003

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「「わたしを離さないで」(カズオ・イシグロ著)」です。

次の記事は「吉田秀和賞は片山杜秀氏の「音盤考現学」「音盤博物誌」に」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ

国内盤は日本語で、輸入盤は欧文で検索。