October 10, 2008

ラフマニノフ「6手のためのロマンス」

ザ・ファイヴ・ブラウンズ●昨夜はサントリーホールの「ザ・ファイヴ・ブラウンズ」来日公演へ。前回来日したときにも少しご紹介したが、アメリカの5人姉妹からなる5台ピアノのユニット。リアル5人姉妹で、しかも全員がジュリアード音楽院を出てピアニストになったというありえなさ。5台ピアノのための曲なんかないから、ホルスト「惑星」とかガーシュウィン「パリのアメリカ人」を編曲して演奏する一方、間にソロや2台ピアノの曲なんかも入る。これがスクリャービンとかヒナステラとかプロコフィエフとかで、一見超甘口に見えて辛口の選曲。
●で、ワタシは知らなかったんだけど、ラフマニノフの「6手のためのロマンス」っていう作品が弾かれたんすよ。6手、つまり3人並んで一台のピアノを弾く。作品番号のない音楽院時代の習作みたいな曲で、冒頭にあるアルペジオの序奏が後の大傑作ピアノ協奏曲第2番第2楽章冒頭とまるで同じでびっくり。作曲当時、ラフマニノフは夏の間スカローン家で過ごしてて、そこで仲良くなった三姉妹のためにこの曲を書いたという。10代の頃だったから淡い恋心なんかもあったんだろう。交響曲第1番の失敗で創作意欲を失ったラフマニノフが、精神科医ダーリの催眠療法によって回復し、ピアノ協奏曲第2番を書き上げたというエピソードはよく知られているけど、その際にスカローン家での美しい思い出も創作の助けになってくれたのかもしれない。
●そんなスカローン家三姉妹のための曲なので、「ザ・ファイヴ・ブラウンズ」も三姉妹で弾いた、と。なかなか気が利いている。


(写真のCDにこの「ロマンス」は収録されてません。顔写真が欲しくてベスト盤を載せておいただけです)

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