November 17, 2008

僕の傘

マイ傘「えっ、どうして僕が女モノの傘を持ち歩いているのかって? では、説明しよう。先日、あるレストランで食事をしたのだ。そこは街の中の小さなフレンチのお店で、当日は雨だったから、お気に入りのベージュの傘を持って出かけた。閉店間際までゆっくりしてたから、僕らが最後のお客さんだった。帰り際に傘立てを見ると、僕の傘がない。あれれ、困ったな、どうしたのかなとオロオロしたんだけど、傘立てに一本だけ余ってたんだよね。僕のベージュの傘に良く似た色の女モノの傘が残っている。ああ、そうか、誰かがまちがえて、僕の傘を持ち去ってしまったのだ。しょうがないなあ。まちがえた誰かさんは後からお店に連絡をしてくるかもしれない。お店の人に説明した、これ、僕の傘に似てるけど僕のじゃないんです、でもこの一本だけが傘立てに残ってるんです、と。お店の人は陽気にこう言った。『あら、そう、ホホホホホ、まあしょうがないわねえ、もうそれしかないんだから、その傘を持っていっちゃっていいですよ』と、僕の連絡先も尋ねずにその傘を差し出すのだ。ええっと、いいのかね、お店対応がそんな大らかで。でもまあいいか、まちがえたお客さんが誰かもわかんないんだし。そして推定年配女性の持ち物だったと思われるベージュの傘を、以後、持ち歩くことになったのだ。今やもうこれが僕の傘だ。以前の傘に似ている。あれ、良かったんだけどな。以前の傘もそっくりのベージュの色で、たぶん女モノだったと思うんだけど。えっ、どうして僕が女モノの傘を持ち歩いていたのかって? では、説明しよう。先日、あるレストランで食事をしたのだ。そこは街の中の小さなフレンチのお店で……」

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