July 15, 2009

バリーニによるリスト編曲の「第九」

●リストってワイマールの宮廷劇場で開かれたベートーヴェンの生誕100年を祝う演奏会で、「第九」の指揮をしてるんすよね。20世紀半ばくらいにどんなベートーヴェンが演奏されてたかはワタシらは録音で知ってて、一方でベートーヴェンが生きてた時代にどんな「第九」が演奏されてたかも(本当はわからないかもしれんが)ある程度復元されてることになってるわけだけど、その両者ってぜんぜん違うことになってるじゃないですか。だとすると、その中間くらいにあるリストの時代の「第九」ってどんなふうに演奏されてたんすかね。机の引き出しがタイムマシンになってたら、過去に旅してリスト指揮の「第九」とか録音して持ち帰りたい。
バリーニの「第九」●リストはベートーヴェンの交響曲9曲をピアノ用に編曲している。今はオケの演奏を聴きたいと思えばいくらでも録音で聴けるし、それどころか「第九」についていえば生演奏だって12月半ば以降は首都圏で毎日(場合によっては1日にいくつも)演奏されるわけだ。だからリスト版「第九」を聴く機会はそう多くはないんだけど、ときどき気合の入った録音が出てくる。これはイタリアのピアニスト、マウリツィオ・バリーニが最近DECCAに録音したディスク。スケールの大きな音楽を作っていて、実に雄弁。本来オケと独唱と合唱で演奏するものをピアノ一台で演奏してるわけだから、そこに「欠落」を感じてもおかしくないのに、このバリーニの演奏を聴いているとむしろ「過剰」を感じかねない。なんて立派で巨大な音楽なんだろう。
●マウリツィオ・バリーニ(Maurizio Baglini)って日本語で書くとポリーニと一字違いになっちゃうんすよね……。amazonで検索すると「みつかりません。もしかしてポリーニ?」みたいに言われちゃうのが惜しい。来日もしてるのに。ところで「ん、DECCAからバリーニのCD? そんなものお店で見かけんぞ」と疑問に思われる方も多いだろうから、少し説明。これはイタリアDECCAのリリースなんすよ。だから日本はもちろん英仏独のamazonでも商品を扱っていない(イタリアにamazonはない)。で、イタリアのユニバーサルのサイトを見ると、いろんな見たことのないディスクが出ている。あっ、カシオーリってイタリアじゃDECCAからCD出してるんだ、とか。
●このCD、アーティストのエージェント氏から売り込まれて取り上げているのだが(一面識もない、でも割とよくあるパターン。みんなどうやってこの日本語サイトを見つけるの?)、どうも日本からの適当な入手先が見つけられない……スマソ。iTunesでも取り扱っていない。こういうローカル・リリースのものこそデジタルで配信してくれたらいいと思うんだが。

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