March 24, 2010

オーケストラ・アンサンブル金沢の東京定期

●ドイツグラモフォンのDG Radioが、いつの間にか「β版」から正式版になっていた。中身のCDがもっと頻繁に入れ替わってくれることを期待しているのだが、どうか。ラジオというよりは気前のいい試聴機といったところか。
●ヴォルフガング・ワーグナー死去。ちょうど新国立劇場で「神々の黄昏」を上演しているという奇遇。
●昨晩はオーケストラ・アンサンブル金沢の第26回東京定期公演へ(サントリーホール )。井上道義指揮、小曽根真(ピアノ)、ルベン・シメオ(トランペット)、ルドヴィート・カンタ(チェロ)で、ものすごいプログラム。ヘンデルの合奏協奏曲とタルティーニのトランペット協奏曲、アウエルバッハ:フラジャイル・ソリテュード(弦楽四重奏とオーケストラのための)、休憩を挟んでショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番(トランペットが活躍するあの曲です)、そしてグルダの「チェロとブラス・オーケストラのための協奏曲」。小曽根さんのショスタコが猛烈に楽しい。特にこの曲の終楽章って、シニカルなものであるにせよ、とにかく笑いたくなる曲じゃないっすか。小曽根さんは笑ったし、オケのメンバーも笑ったし、たぶん客席も笑った。吉。
●もっともショスタコもグルダに比べたら行儀のいい音楽か。グルダの「チェロとブラス・オーケストラのための協奏曲」はパロディだらけのハチャメチャな怪作(YouTubeでもとりあえず見れてしまうかな)。金沢での定期公演で同曲が演奏された際は、石川県立音楽堂でミラーボールが回ったらしい(笑)。この曲、演奏機会は結構多いんでは。作曲者本人が死んだ後もあちこちで曲が繰り返し演奏されるっていうのは、それが「クラシック」になりつつあるってことか。いずれピアニストとしてのグルダが忘れられて、作曲家として名が残る?

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