April 3, 2010

「パルジファル」演奏会形式@東京・春・音楽祭

holygrail.jpg●「聖金曜日」に東京文化会館でワーグナー「パルジファル」演奏会形式@東京・春・音楽祭。30分の休憩2回を含めて計5時間の長丁場。先日の「神々の黄昏」に比べればまだ短いか。新国の「トウキョウ・リング」とこの「パルジファル」で個人的にワーグナー祭を体験した気分。ウルフ・シルマー指揮NHK交響楽団、ブルクハルト・フリッツ(パルジファル)、ミヒャエラ・シュスター(クンドリ)、フランツ・グルントヘーバー(アムフォルタス)、ペーター・ローズ(グルネマンツ)、シム・インスン(クリングゾル)、小鉄和広(ティトゥレル)他。歌手陣はすばらしく(ミヒャエラ・シュスターが納得の一番人気)、オケも見事で、演奏会形式ならではのシンフォニックな魅力を堪能。まるでオラトリオみたいっすよね。合唱は東京オペラシンガーズ。客席もよく沸いて、みんなで儀式に参加したかのような充足感あり。舞台神聖祝祭劇なんだよなあ。
●しかし、「パルジファル」ってスゴい作品っすよね。「指環」も一つの頂点だとは思うんだけど、あそこでは神代の終焉という大きな「物語」が起承転結を伴って語られるという外枠が意匠としてあるから「これはどんな楽劇であるか」を語れるけど、「パルジファル」はわけわからんっすよ。これ、あらすじを他人に説明できるかというとワタシはまったくできない。いや、よくある「あらすじ」そのものはもちろん見てるんだけど、「なんで阿呆みたいなパルジファルがどんどん賢くなるの?」とか「聖杯持ってるとなんかいいことあるの?」とか「クリングゾルは聖杯なんか放っておいて魔法の城で楽しく過ごしてりゃいいじゃん」とか(笑)。聖杯より魔法とか花の乙女のほうが楽しくない? しかしそんな俗世で生きる凡人にも、音楽は深い感動を与えてくれるわけで、恐るべしワーグナー。「ロンギヌスの槍」は聖者が使用すると治療効果+MAXみたいなベホマ相当のアイテム。
●明日4月4日(日)にもう一公演あり。当日券情報はこちらに掲出されるはず。

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