July 8, 2010

準決勝:ドイツvsスペイン。職人芸。

ドイツ●また朝3時半に起きて見た。
●2年前のユーロ決勝の再現となったこの試合。普段なら無条件にスペインを応援するところであるが一抹の不安があった。ドイツは絶好調。スペインはなかなか調子が上がらない。これでスペインが勝ってしまうと、決勝戦が盛り上がりに欠けるんでは?
●が、杞憂であった。キックオフの笛が鳴るとスペインは本来のサッカー(というかバルセロナのサッカー?)をすっかり取り戻し、職人芸的パス回しを連発。えっ、ドイツ相手にそんな勇敢なパス通すの!? ていうか全部通ってるし。狭いところをビュンビュン通し、しかもトラップが猛烈に巧い。あのドイツが追いかけてもボールを奪えないなんて。
●スペインは少々不調のフェルナンド・トーレスに代えて若いペドロを先発させた。フレッシュで体がキレている。前線はペドロと新シーズンからバルセロナに移籍するビジャ、中盤にイニエスタ、シャビ、セルヒオ・ブスケツ……ってこれそのまま来季のバルセロナ(メッシ抜き)攻撃陣では。
●ただ、スペインは攻撃しているときはパラダイスなんだけど、守勢に回ると脆さを感じるんすよ。ドイツのコーナーキック一つに耐えるのもいっぱいいっぱい感があって。しかもスペインの攻撃陣はアーティストはそろっているんだけど、ムチャするヤツがなかなかいない。美しいパス回しに酔う老マイスターはもうゴールのことなんて忘れているんじゃないだろうか。だれか縦に突進しなければ。お互いさまで前半は五分五分の勢い。
●後半はスペインに活気が出てきた。後半13分の攻撃は見事。ペドロのシュートが跳ね返り、ヒールキックのパスをもらったイニエスタが縦に抜け出て、左から低いクロスを入れてビジャが飛び込んだが届かなかった場面。しかし得点になったのは意外な形。後半28分、コーナーキックから、クロスに飛び込んだプジョルが頭でズドン。今までのパス回しはなんだったのだ。むしろドイツ風の得点でスペインが先制。
●後半37分のペドロのプレイが気に入らない。ドイツが前がかりになったおかげで、ペドロにドフリーの超絶カウンターのチャンスがあった。右サイドから駆け上がり、中で待つフェルナンド・トーレス(ビジャと交代出場)にボールを渡せば簡単にゴールできたのに、自分で相手ディフェンスを交わそうとして、失敗した。ペドロは確実に調子がいいんだが、こんな場面を見ると心配になる。きっと次は先発しないんじゃないか。ドイツのような強敵相手にこんなことをすると、たいていの場合は痛い目に遭う……。
●と思っていたのに、ドイツの攻撃に火がつかない。羽生は少し疲れていたか。あ、羽生じゃなくてエジルか。恐ろしいポドルスキも静かだった。クローゼはボールが来なければどうしようもない。終盤マリオ・ゴメスを投入したが、スペインのプレッシャーが巧みでパワープレイすら満足にさせてもらえない。そのまま0-1で試合終了はやや意外な気が。
●さらば、ジャイアン。ドイツっていうか、ポドルスキのキャラがなんとなくジャイアン。いじめっ子は去った。
●これで決勝はオランダ対スペイン。どちらも攻撃重視の強豪として毎回ワールドカップでは優勝候補とされながら、一度も優勝したことがない。98年フランス大会以来の「初優勝国」が誕生することが決まった。大会としては「ブラジルの自滅」が悔やまれるが、鮮度の高い決勝になったのは吉。せっかくこの組み合わせになったんだから、3-2くらいの派手な試合になってほしいっすよね。


ドイツ 0-1 スペイン
満足度 ★★★★
伝説度 ★★

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