December 20, 2010

寒空ライヴ・ウィーク

●ネトラジ・ミニ情報。France Musiqueのアーカイブで、ミラノ・スカラ座今季開幕公演「ワルキューレ」の音声を公開中。バレンボイム指揮。幕ごとにファイルを分けてあるという意外な親切設計がラブリー。
●先週足を運んだ演奏会から。14日は福間洸太朗ピアノ・リサイタル(津田ホール)。去年だったか一度聴いて衝撃を受けた逸材。今回はオール・ショパン。スケールの大きな演奏ですばらしかった。アンコールはなにかモダンな作品を弾いてくれないかなあと期待したのだが(その前夜がエマールだったので、つい)、そんなはずもなくすべてショパンであった……。いやそれでなにも悪くないはずなんだが、しかし。うぬ、ショパン。
●17日は片岡詩乃ハープリサイタル(王子ホール)。ハープのリサイタルを聴く機会そのものがあまりないので、レパートリー的にも興味深く、新鮮な感動大。マリー=シェーファーの「アリアドネーの冠」はハーピストが多数のパーカッションも操りながら、特殊奏法あり録音との共演ありと短時間に舞台上でさまざまな出来事が起きる。両足に鈴を結びつけて、足でリズムを取りながらハープを弾くとか、幻想味のなかにもユーモアがあって、おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさ。ブリテンの「組曲」も初めて聴いた。バロック的なスタイルでありながら途中にノクターンが挿入される。高橋悠治「そしてまた」委嘱新作初演もあり。が、なぜか客席と舞台がうまくかみ合っていない印象も。謎。でも音楽的には最強。
●19日は「ぶるぐ協会」のトーク・サロンコンサートへ(調布・マルシャリンホール)。「ぶるぐ」ってのはブルグミュラーのこと。といってもブルグミュラーには二人いて、ピアノ教本で有名な兄フリードリヒと、26歳で夭折した弟ノルベルトがいるそうなんである。で、その弟のピアノ・ソナタとか、兄のチェロとギターのための3つのノクターンとか、まったく知らない曲をいくつも聴くことができた。これは本当にサロンのノリで、作者を伏せて曲を演奏してから兄弟どちらの作品かを当てるクイズとか本気で楽しい(笑)。企画も演奏者も良かったので。
●今年は秋から怒涛の勢いで演奏会に行きまくった気がする。しかし年内はあと1、2公演。年末か年始のどこかで時間を取って、ベルリン・フィルのデジタル・コンサート・ホール等、ネット系のライヴもたくさん聴きたい。ぬくぬく暖房の聴いた部屋でアイスクリームを食しながらネットでベルリン・フィルとか娯楽度マックスだと思うんだな。

トラックバック(0)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.classicajapan.com/mtmt/m--toraba.cgi/1606

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「2つのラジオ収録」です。

次の記事は「OEKのバレエ「くるみ割り人形」」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ